Rule

高卒採用のルール

高卒採用のルール

高校生の就職活動には、他と異なり独自のルールや慣習が続いています。高卒採用を始める前に、まずこのルールを理解することが重要です。

学校斡旋と自己開拓

学校斡旋では、学校が企業との間に入り、企業とのやり取りや就職活動の指導を行います。高校生の就職活動では学校斡旋が一般的となります。
高校生を採用したい企業は求人情報をハローワークに申請し、「求人票」を得て高校に対して求人情報を伝えます。
学校を介さずに、高校生自身が企業と直接やり取りをして就職活動を行う「自己開拓」はまだまだ少数派です。
学校斡旋での就職活動には、下記のようなルールがあります。

※ジョブドラフトに掲載いただいている企業様には、ハローワークで求人票を作成後、学校斡旋での採用活動をお願いしております。

一人一社制

9月の応募開始時期、一部の地域を除いて、高校生が応募できるのは原則一人一社ずつ。(※1)

「一人一社制」とは、企業が自社への応募に際して単願を求め、学校側としても応募の推薦を制限し、「応募解禁日」から一定時期の間まで、一人の生徒が応募できる企業を一社とする制度です。
学校の推薦状を持って応募するため、原則、内定辞退をすることはほとんどありません。
10月以降、都道府県ごとに一人二社応募が可能になります。(※2)
※1 秋田県・沖縄県は9月の応募開始時期より一人三社応募が可能です。
※2 一人二社応募が始まるスケジュールは都道府県ごとに異なります。

<2021年3月卒の新規高等学校卒業者の採用選考スケジュール> 
6月11日新型コロナウイルス感染症の影響で、全国の高等学校で臨時休業期間があったことを鑑み、期日が後ろ倒しとなりました。
6月1日 ハローワークによる求人申込書の受付開始 ※変更なし
7月1日 企業による学校への求人申込及び学校訪問開始 ※変更なし
10月5日 学校から企業への生徒の応募書類提出開始(沖縄県は9月30日)
10月16日 企業による選考開始及び採用内定開始
※選考期日の後ろ倒しにより、二次募集時期も1ヶ月程度後ろ倒しとなります。

求人票

高校の紹介を受けて高卒採用をするには、まず「ハローワーク(職業安定所)」への求人票の登録が必要です。求人票の登録は一般(中途やアルバイト)の枠とは違い、高卒新卒専門の求人票があります。
ハローワークに申請した求人情報は「高卒就職情報WEB提供サービス」と求人票に落とし込まれます。企業はこの求人票を元に、先生や生徒に求人情報を届けることになります。

厳格な採用ルール

採用フロー

学校斡旋で採用活動をする企業は、ハローワークから許諾された求人票を使い、学校を通じて求人情報を提供します。企業から郵送や訪問を通して受け取った求人情報を元に、学校の進路指導教員は生徒に情報提供します。そして、生徒は情報が提供された中から志望する企業を選定し、学校を介して職場見学や応募のやり取りを行います。
採用フローを厳格にする目的は、学業優先のため、仕事に関する知識・経験に乏しい高校生が適切な職業選択ができるよう、円滑に就職活動を進めるためのものです。
一方で、紹介する教員のフィルターが発生し、生徒に届く情報量が少なくなったり、選択肢の幅が狭くなるといった課題も指摘されています。

スケジュール

高校生の採用活動はそれぞれ開始日が定められており、これに従って採用活動を進めることになります。

面接

高校生の就職では「本人の能力と適性」に直接関係のない事項を採否決定の判断基準とはしてはならないというルールがあります。
注意すべき点は「就職差別に繋がるおそれのある質問」を行わないことです。

1. 国籍・本籍・出生地に関すること
2. 家族に関すること(※要注意)
3. 住宅状況に関すること
4. 生活環境・家庭環境に関すること
5. 宗教に関すること
6. 支持政党に関すること
7. 人生観・生活信条等に関すること
8. 尊敬する人物に関すること
9. 思想に関すること
10. 学生運動や労働組合等の社会活動に関すること
11. 購読新聞・雑誌・愛読書に関すること(※要注意)
12. 身元調査の実施
13. 「全国高騰学校統一応募容姿」に基づかない事項を含んだ応募書類の使用
14. 合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

ルールを定める機関

高校生の就職では、健全な学校教育をまずは最優先させた上、適正で公正な就職の機会を与えられるように、行政(厚労省・文科省)と学校、そして企業の三者間で「高等学校就職問題検討会議」を設置し、採用活動のルールとスケジュールのガイドラインを通知し、その後全国の都道府県ごとに運用上の細かなルールを定めていきます。

企業は事業者登録している管轄のハローワークで学校求人説明会への参加をすることでルールの手引きを受け取れます。学校求人説明会では求人票申請する際に必要な「高卒求人登録用紙」も受け取ることができます。

高卒就職の課題「早期離職」

学校による斡旋は高い内定率を保っていますが、高卒就職の課題に、「早期離職」があります。高卒の3年以内離職率は「39.2%」。大卒の3年以内離職率「32%」と比較し7.2ポイントの差があり、特に1年目の離職率の差が、高卒「17.4%」、大卒「11.4%」と大きな違いとして現れています。

「初めて勤務した会社を辞めた主な理由 (出典:平成25年若年者雇用実態調査の概況」厚生労働省発表)」によると、大学卒と高校卒の其々の離職理由上位4位は以下の通りとなっています。

高校卒:
1位 労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった(20.3%)
2位 人間関係が良くなかった(19.6%)
3位 仕事が自分に合わない(19.0%)
4位 賃金の条件が良くなかった(17.9%)

大学卒:
1位 労働時間・休日・休暇の条件が良くなかった(25.3%)
2位 仕事が自分に合わない(19.7%)
3位 自分の技能・能力が活かせなかった(19.0%)
4位 人間関係が良くなかった(15.5%)

特に、働く上で重要な職場での「人間関係」について、大学卒が離職理由にあげたのは、第4位(15.5%)に留まっている点に比べて、高校生の高校卒は第2位に上げられています。

高校生の就職活動は、学校からの斡旋を受ける限り「一人一社制」が原則で、大卒のように他社と比較しながら企業選定を行うことはできません。
また募集で使われる求人票では、待遇や勤務地などの条件面ではない、「企業の社風・企業文化」などの理解は十分ではなく、更に高校生は7月から短い期間で応募する企業を決めなければなりません。

そのような就職環境で、仕事内容や職場の社風など事前情報が少ないまま就職先を決定した高校生がミスマッチを起こし、入社後に「人間関係」に馴染めず離職…。とつながることが大卒との離職率の差として指摘されています。
離職の原因は会社・職場との関係性が大きいと言えますから、求人時期、採用時期、入社後それぞれの段階で、ミスマッチをしないよう、ポイントを押さえることで平均数値以上に定着につなげることができます。

出典:『新規学卒就職者の離職状況(平成28年3月卒業者の状況)』厚生労働省データよりグラフ作成

3分でわかる高卒採用

近年、高卒新人の応募を出す企業は増えています。しかし、大卒採用とは異なり独特なルールや慣習がある高卒採用マーケットでは、方法論が確立されておらず、場当たり的な対応で採用を行っている企業がほとんどです。高卒採用をするメリットから、市場、ルール、スケジュールなど基本を押さえて、高卒採用を成功させましょう。