Market

高卒採用の市場

急速に高まりつつある高校新卒採用の人気

大卒、中途の採用難が続く中、高校新卒を求める企業がここ数年急激に増加をしています。
高卒採用求人数は約47万、実に5年前のおよそ2倍の数字です。
企業からすれば、2016年の大卒の選考スケジュールの見直しによる、採用確度の低下などで、各社人材確保の遅れが経営に徐々に影響を及ぼしています。
高卒採用は、然るべき採用プロセスに時間をかければ採用成果獲得の確度が高い、採用の最後の開拓市場(ラストフロンティア)として注目されています。

豊富な人材

大学卒業者のうち約7割強が就職をします。その数は毎年約43万人です。では高校卒業者はどうでしょうか。
毎年約105万人が卒業し、その20%に満たない約18万人が就職をします。卒業者に対する就職者の比率は決して高くありませんが、「18万人」という人数は、決して少なくないと言えます。

業界ごとの高卒求人数

高卒求人数を業界別に見ると、製造業の求人割合が28.1%と多く、次いで建設業(18.9%)、卸売・小売業(12.7%)、医療・福祉業(11.8%)、運輸業・郵便業(6.8%)、サービス業(他に分類されないもの)が(6.2%)と続きます。人手不足と言われる業界の求人が多くなっています。

ここ5年での求人数の増加率が高い業界は、鉱業,採石業,砂利採取業(182%)、運輸業・郵便業(175%)、学術研究,専門・技術サービス業(156%)、不動産業・物品賃貸業(152%)、建設業 (151%)です。
※出典:『令和元年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職・就職内定状況」取りまとめ』厚生労働省より

業界ごとの高卒就職者数

高校生の就職先は製造業が39.9%を占め圧倒的に多く、卸売業・小売業(10.6%)、建設業(8.6%)、公務(他に分類されるものを除く)(7.3%)、運輸業・郵便業(6.1%)、宿泊業・飲食サービス業(5.2%)と続きます。IT等の情報通信業(1.2%)などは少ないのが現状です。

ここ5年で就職者数が増加している業界は、鉱業,採石業,砂利採取業(132%)、情報通信業(125%)、不動産業,物品賃貸業(116%)です。
出典:『学校基本調査』文部科学省より

県外就職についてのデータ

県外就職をする高校生は、全体の約19%います。就職者のうち県外に就職する高校生の割合は、九州地方や東北地方といった地方部において高い傾向にあります。(青森県の県外就職率が41.3%、鹿児島県40.2%、宮崎県39.5%)また都市部に近い周辺の県もやや高く、隣の都市部へ就職する傾向があります。(奈良県33.5%、埼玉県28.5%、神奈川県20.2%、千葉県19.4%)最も県内で就職する割合が多いのは愛知県(4.7%)です。

県外就職者の1/4は東京を就職先として選択、一極集中です。東京には全国からやってきますが、顕著なのは関東以北からの流入です。北関東や、東北からの県外就職者が多く、続いて九州地方からも流入が多いのが特徴です。
令和3年度の県外就職をする割合は昨年同期比と比較して1.1ポイント減少しており新型コロナウイルスの影響で県内就職を希望する傾向が強まったと言えそうです。
出典:『学校基本調査』文部科学省よりデータ算出

就職活動の変化

時代の変化に伴い、就職活動の形態は、これまでとは少しずつ変わってきています。
高校新卒就職人数の約10~20%ほどいると言われている学校からの就職斡旋以外の就職。中でも、インターネットの普及により、就職に関する情報を多く得られるようになった結果、高校生自らが就職活動を行い、就職先を決める「自己開拓」が注目されています。
今後「自己開拓」は増加していくと見られています。

3分でわかる高卒採用

近年、高卒新人の応募を出す企業は増えています。しかし、大卒採用とは異なり独特なルールや慣習がある高卒採用マーケットでは、方法論が確立されておらず、場当たり的な対応で採用を行っている企業がほとんどです。高卒採用をするメリットから、市場、ルール、スケジュールなど基本を押さえて、高卒採用を成功させましょう。

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