高校生の塾にかかる費用はどのくらい?塾タイプ別の費用目安と安く抑えるコツ
2025.04.17 高校生教育PR

高校生の授業範囲は広く、学校の授業だけでも追いつかないケースも多いです。しかし、高校を卒業するためには一定の成績が必要ですし、一般入試・推薦入試を考えている場合は、それに合わせた知識を身に着ける必要があります。それを効率良く解決するために、学習塾への入塾を検討する方も多いです。
しかし、「学習塾って高そう…」「高校生だから1年あたり100万以上かかるのでは…?」と、費用面のことで諦める家庭も多くあります。実際、東京大学などの難関大学に挑戦する子は裕福な家庭が多いという話も良く聞きます。その一方で、コスパ良く学習塾に通う方法もあるのです。
この記事では、そんな高校生の通塾にかかる費用の内訳と、授業形式によるコスパの違いについて解説していきます。記事の最後には費用を抑える方法も紹介していますので、コスパ重視の方はぜひ参考にしてみてください。
目次
高校生の学習塾にかかる費用は月3~4万円
まずは、高校生の学習塾にかかる相場について見ていきましょう。文部科学省が調査した『令和5年度子供の学習費調査』によると、以下のような結果が出ました。
学習塾の費用(年間) | 公立高校 | 私立高校 |
---|---|---|
0円 | 61.3% | 69.9% |
~1万円未満 | 1.2% | 1.1% |
~5万円未満 | 2.7% | 4.0% |
~10万円未満 | 2.5% | 2.7% |
~20万円未満 | 5.3% | 4.6% |
~30万円未満 | 6.6% | 3.8% |
~40万円未満 | 4.9% | 2.6% |
40万円以上 | 15.4% | 11.3% |
平均値を出してみると、公立高校生は年に約382,000円、私立高校生は年に約375,000円を塾費用として使っているようです。月換算すると約31,250円~約31,833円となりますので、「毎月31,000円前後」が高校生の塾費用の相場となります。
大学受験塾は授業料以外にも費用がかかる
上記のように、高校生が学習塾に通うと月に3~4万円かかります。しかし、発生するのは授業料だけではありません。ここからは、そんな学習塾の料金内訳について詳しく解説していきます。
入会金(入塾金・入学金)
塾に入会する際に発生する料金です。ほぼすべての学習塾が請求しており、相場としては「10,000~20,000円」とされています。入塾時にのみ発生する料金ですので、通塾中や解約時に追加で請求されることはありません。支払いタイミングは塾によって多少異なりますので、説明会時に確認しておきましょう。
入会金が無料の学習塾はほとんどありませんが、キャンペーンで入会金が安くなるケースは多いです。例えば、「体験会(説明会)後、〇日以内に入塾したら入会金が半額(無料)!」のような感じですね。非常にお得なキャンペーンですので、できるだけ活用するようにしましょう。
教材費
学習塾によって、用いる教科書やテキストは異なります。現在通っている教科書を使ってくれれば問題ありませんが、塾側が教材を指定した場合は購入しなくてはいけません。とくに大学受験コースの場合は、塾から指定されたりオリジナルテキストの購入を求められることが多いです。
相場としては、「1,000~3,000円/月」となっています。これは塾によって異なりますが、毎月請求されるケースと入会時に一括で請求されるケースがあります。そこまで大きな金額ではないので、一括払いする余裕がなければ毎月請求される学習塾がおすすめです。
模試代・テスト代
定期的に実施される塾内テストや模擬試験の受験代です。授業料に含まれているケースもありますが、別の場合は「3,000~5,000円/回」が相場となっています。自分の実力を把握できますし、進路指導の役にも立ちますので、できるだけ受験するようにしましょう。
特別講習・季節講習の費用
受験シーズンになると、長期休暇を利用して講習が実施されることがあります。基本的には夏の「夏期講習」と冬の「冬期講習」ですが、塾が独自に実施している「特別講習」もあります。
特別講習・季節講習
費用相場 | 内容 | |
---|---|---|
特別講習 | 20,000~60,000円 | ゴールデンウイークや塾独自で実施している講習のこと。 期間が短いこともあり、季節講習と比較して安いことが多い。 |
夏期講習 | 60,000~90,000円 | 7月下旬~8月上旬の夏休み期間に実施される講習のこと。 合宿形式で行われることもあり、その分だけ費用も高くなりがち。 |
冬期講習 | 50,000~60,000円 | 12月下旬~1月上旬の年末年始付近に実施される講習のこと。 1~2週間ほどで実施され、費用は夏期講習より安いことが多い。 |
実際の費用は、各塾で大きな差があります。実施期間の長さも異なりますし、入会コースによって学習カリキュラムも異なるからです。中には100,000円を超える講習もありますので、予算と相談して参加するか検討してみましょう。
施設使用料などその他の経費
教室の電気・水道などの光熱費による施設使用料、塾に通うのに発生する交通費など、授業に関係ない費用がかかることもあります。
施設利用料は「1,000~3,000円/月」が相場で、交通費に関しては家庭の事情によって大きく異なります。自転車で通える距離やオンラインであれば無料ですし、往復500円の電車代がかかれば週1換算で2,000円/月となるでしょう。
大学受験塾は授業形式によって費用が異なる
学習塾によって、導入している授業形式は異なります。実は、学習内容が同じだったとしても授業形式で毎月の授業料は大きく異なるのです。ここからは、そんな授業形式別の費用について見ていきましょう。
集団塾のケース
内訳 | 相場 | 内容 |
---|---|---|
入学金 | 20,000~30,000円 | 学習塾の場合、入学金が高めのケースが多い。 大手予備校になればなるほど比例して高くなる傾向。 |
授業料 | 15,000~20,000円 | 講師の指導料として請求される。 個別指導がないため他の授業形式と比較してリーズナブルになりやすい。 |
教材費 | 1,000~2,000円 | 授業料に含まれていることもある。 |
季節講習など | 20,000~50,000円 | 夏期講習や冬期講習などの季節講習は高くなりがち。 |
諸費用 | 1,000~2,000円 | 主に光熱費などの施設利用料が請求されるが、これも授業量に含まれていることもある。 |
「学習塾の授業料は高い…」というイメージがあるかもしれませんが、集団塾の場合は思っている以上に高くありません。難関大学に特化したコースなどであれば30,000円以上することもありますが、成績アップや定期テスト対策であればリーズナブルな価格で通うことができます。
特別講習を実施していることも多いですが、こちらも通常であれば20,000~50,000円前後で利用することが可能です。合宿形式で実施される場合は100,000円を超えることもありますが、それだけ濃密な学習環境が与えられるためコストと見合っていると言えるでしょう。
その他にも入学金や教材費、諸費用など請求されることも多いですが、総合的に考えると「講義内容とコスパのバランスが良い」と言えます。もし「予算が厳しいけど一定以上の学習環境が欲しい!」という方は、集団塾を検討してみると良いでしょう。
個別指導のケース
内訳 | 相場 | 内容 |
---|---|---|
入学金 | 20,000~30,000円 | 集団塾とあまり違いはない。 |
授業料 | 25,000~40,000円 | マンツーマン指導のため指導料は集団塾よりも高くなる傾向。 |
教材費 | 1,000~2,000円 | 集団塾とあまり違いはない。 |
季節講習など | 50,000~100,000円 | 季節講習もマンツーマン指導のため、集団塾よりも高くなりやすい。 |
諸費用 | 1,000~2,000円 | 集団塾とあまり違いはない。 |
生徒1人に対して講師1人が指導する個別指導塾の場合、やはり授業料が集団塾と比べて高くなってしまいます。講師のランクや入会するコースにもよりますが、1ヶ月あたり25,000~40,000円前後と集団塾よりも2倍近く高くなっています。「学習塾は高い…」というイメージは、個別指導塾の影響かもしれません。
季節講習や特別講習に関しても、基本的には集団塾より高くなってしまいます。夏期講習のように期間が長かったり、冬期講習のように受験前の追い込みなどはさらに高くなる傾向にあります。塾によっては季節講習に合わせてキャンペーンを実施することもありますので、申し込みを忘れないようにしましょう。
その他の金額に関しては、集団塾とあまり変わらない印象です。そのため、基礎知識や勉強のやり方を身に着けるまでは集団塾に通い、受験対策を本格化する際に個別指導塾に切り替えるというのもおすすめです。
予備校のケース
内訳 | 相場 | 内容 |
---|---|---|
入学金 | 20,000~70,000円 | 予備校は入学金も高くなりやすい傾向にある。キャンペーンを使って安くすることも視野に。 |
授業料 | 50,000~70,000円 | 講義内容が高品質なため最も高い。 |
教材費 | 1,000~3,000円 | オリジナルテキストを使うことも多いため請求されやすい。 |
季節講習など | 50,000~200,000円 | 予備校の中には合宿形式で特別講習を行うこともあり、その場合は200,000円を超すことも。 |
諸費用 | 1,000~3,000円 | 施設利用料として請求されることが多い。 |
予備校は大学受験に特化した塾のため、講義や講師の質が他の授業形式と比較して高いです。それに比例して、授業料も高くなっています。月額にすると50,000円~となっていますが、予備校によっては500,000円以上の授業料を一括で支払わないといけないケースもあるので注意です。
とくに難関大に特化したコース、医学部受験に特化したコースは高額になりやすいです。教材費も学校の教科書を使うことは少なく、予備校側が用意したテキストの購入が必要になります。そこまで高くはありませんが、1年で10,000円以上になるため負担は少なくありません。
そして、季節講習料も非常に高額です。通常の季節講習でも平均50,000円以上しますが、合宿形式の講習だと200,000円以上になることも珍しくありません。そのため、予備校に通わせ続けるためには余裕を持って「年間100万円」の予算で考えておくと良いでしょう。
家庭教師のケース
内訳 | 相場 | 内容 |
---|---|---|
入学金 | 10,000~30,000円 | 登録料として請求されることがある。オンライン家庭教師のバイアは無料のサービスも多い。 |
授業料 | 20,000~35,000円 | 講師のレベルによって大きく変動する。 |
教材費 | 0~1,000円 | 学校の教科書を使うことが多いため無料のケースも多い |
季節講習など | – | 教師が自宅に来るという形式上、夏期講習のような集中的に勉強するケースはほとんどありません。 |
諸費用 | 2,000~3,000円 | 家庭教師の場合は、講師の交通費・飲み物+お菓子代などが発生することがある。 |
家庭教師の場合、授業料は「講師のランク」で決まることが多いです。主に「社会人プロ講師」と「大学生講師」で分けられることが多く、もちろん社会人プロ講師の方が高くなっています。ただし、社会人プロ講師の中でもランクがあり、大学生講師でも当然ランクが決められています。
例えば、「有名予備校で10年の指導実績あり」と「家庭教師としての指導実績10年」では前者の方が指導の質も授業も高いです。それと同じように、大学生講師の場合は「在籍している大学・指導経験」で授業料が決められます。現役東大生や京大生だと高額になりやすいです。
その一方で、入学金や教材費は安くなりやすいです。もし対面指導の場合、交通費やお菓子代などが発生することもありますが、オンライン家庭教師の場合はこれらも発生しません。そのため、家庭教師は講師のランクによって高くもなれば安くもあるサービスと言えますね。
高校生の塾費用を少しでも安く抑える方法
最後に、塾費用を少しでも安く抑える方法やコツについて解説していきます。
①:キャンペーンを利用してお得に入会する
最も分かりやすいのが、塾が提供しているキャンペーンや割引制度を使って入会することです。
・入会キャンペーン
入会金が割引されたり、無料になるキャンペーンです。新学期が始まる前、長期休暇前、年末年始などに実施していることが多く、入学金が高ければ高いほど利用したいキャンペーンとなっています。
・季節講習キャンペーン
夏期講習や冬期講習を、通常よりも安い料金で受講できるキャンペーンです。季節講習は100,000円を超すのも珍しくない金額ですので、もし実施していれば利用したいところです。
・紹介割引
現在塾に通っている方が他の生徒を紹介し、入会することで両方に特典が貰える制度です。受講料が安くなったり、特別な問題集が貰えるなど特典内容は塾によって異なります。
この他にもさまざまなキャンペーンが実施されています。入会前にはどんなキャンペーンが実施されているのか、適用されるための条件は何なのかなど、細かい部分まで確認しておきましょう。
②:特待生制度を狙う
塾によっては、独自の『特待生制度』を導入していることがあります。スカラシップ制度と呼ばれることもあれば、奨学生制度と呼ばれることもある制度です。内容は、「成績優秀で志望校合格が狙えることを前提に、塾側が指定した条件をクリアすることで一部学費を減額する制度」となっています。
- 入会前のテストや模試で優秀な成績を残す
- 特定の大学を受験する前提で勉学に励む
- 指定されたスケジュールを休むことなく通い続ける
- アンケートや合格体験談などに必ず協力する
など…
実際の内容は塾によって大きく異なり、減額される金額も全然違います。非常にお得な特待生制度ですが、公式ホームページで掲載されていないことも多いです。そのため、専用のパンフレットを送ってもらったり、説明会を受けないといけない可能性があります。気になる方は資料請求してみると良いでしょう。
③:受講する科目を絞る
入会するコースによっては、「受講する科目数によって授業料が変わる」というケースがあります。そのような場合、苦手科目や受験に必要な科目だけに絞ってみましょう。文系・理数系で絞るのもおすすめですし、専属の教育プランナーと相談しながら科目数を決めるのもおすすめです。
塾によっては、複数科目を一括で受講することで1科目あたりの料金が安くなります。「1科目目は5,000円だが、2科目目は4,500円、3科目目は4,000円…」、「国語・数学・英語の3科目パックで通常価格の20%OFF」のような感じです。もし複数科目を希望する場合、こういったシステムの塾を選択するのも良いですね。
④:オンライン塾を利用する
もし全体的に費用を抑えたいなら、『オンライン塾』の利用もおすすめです。オンライン塾とは、インターネットを経由して自宅から授業が受けられるサービスのことです。学習スケジュールの自由度が学習塾よりも高く、部活動との両立もしやすいなどメリットも多くあります。
授業料自体はそこまで大きな差はありませんが、交通費や水道代・電気代など教室の維持費が一切必要ありません。システム利用料が無料のオンライン塾を利用すれば、毎月3,000~5,000円ほど安く抑えられます。1年単位で考えれば、30,000円近くお得に塾を利用することが可能です。
オンライン塾に関しては、『高校生向けのおすすめオンライン塾8選|志望校合格の実績も多い人気塾は?』にて詳しく解説しています。オンライン塾を選ぶ際のコツなども解説していますので、気になった方はぜひ参考にしてみてください。