高校受験対策の塾はいつから通うべき?おすすめの入塾時期と費用目安

2025.01.28 中学生教育PR

高校受験対策の塾はいつから通うべき?おすすめの入塾時期と費用目安

中高一貫の私立中学に通われている方を除いて、多くの中学生は「高校受験」と向き合うことになります。親としても第一志望に受かってほしいから、できることは協力したいと思っておられる方がほとんどでしょう。

そこで疑問に思うのが、「高校受験のために塾に通わせるべきなの?」と「いつから入塾させれば良いの?」というものです。早く塾に入れて準備させた方が良いのか、それとも勉強が追いつかなくなってからが良いのか、考え方は家庭によって異なります。

この記事を読めば、高校受験のスケジュールと、それを踏まえてどのタイミングで受験対策のために塾に通うべきなのかを知ることができます。塾に通うメリットから塾の料金相場まで分かりやすくまとめていますので、高校受験を考えている方はぜひ参考にしてみてください。

高校受験の塾はいつから通うべき?

まずは、「高校受験対策で塾に通う場合、いつがベストなのか」の目安を解説していきます。

高校受験対策なら中学2年生の2~3月

志望校がある程度決まっており、合格を狙えるレベルに達している場合は「中学2年生の2~3月」の入塾をおすすめします。つまり、中学3年生になる直前ですね。学校の新学期は4月からとなっていますが、塾での新学期は2~3月に設定されていることが要因です。

2~3月に入塾することで、中学2年生の学習内容をしっかりと復習することができます。これにより、中学3年生になって入塾するよりも学習ペースに余裕が出るのです。学力はもちろんのこと、精神的にも大きなメリットがあります。

中学年生の2~3月に入塾するメリット・デメリット
  • 中学2年生までの復習を効率的に行える
  • 学習ペースに余裕ができて精神的にも助かる面が多い
  • 新学期に合わせたキャンペーンや割引が多く実施される
  • 基礎が固まっている前提なので学力によってはマイナスになることもある

内申点目的なら中学1年生から

推薦入試や難関高校への挑戦を考えている場合は、「中学1年生」からの入塾をおすすめします。なぜなら、高校受験は学力だけでなく通知表の内申点も重要視されるからです。文部科学省でも「高校受験では学力検査とは別に内申書(調査書)も重視し、あらゆる視点から入学者を選抜するように」と呼びかけています。

独学での成績向上が難しいと判断した場合は、中学1年生のような早いタイミングから入塾するようにしましょう。苦手科目の克服や定期テスト対策を行うことで、内申点も自然と上がっていきます。勉強のスケジュールや自主的に勉強するのが苦手な子も早めの入塾がおすすめです。

そして、偏差値の高い難関高校を目指す場合は「小学6年生」から入塾することも検討してみましょう。学力向上だけでなく、勉強する習慣を身に着けられるからです。ただし、無理やり入塾させると勉強自体が嫌いになってしまう可能性があるため、しっかりとした話し合いが必要です。

中学1年生から入塾するメリット・デメリット
  • 内申点対策や難関高校対策を効率的に進められる
  • 定期テストで高い順位を取れるなどモチベーション維持にもつながる
  • 自主的に勉強する習慣を身に着けられる
  • 塾代が高校受験まで続くため経済的負担が大きい
  • 勉強自体が苦手になったり意欲がなくなることもある

学力に問題がない場合は中学3年生の6~7月

志望校が決まっており、合格するために必要な学力をすでに持っている場合は「中学3年生の6~7月」での入塾がおすすめです。理由としては、塾が本格的に高校受験対策を始めるのが中学3年生の夏頃だからです。夏期講習の申し込みもこのくらいの時期から始まります。

学習内容としては、間違いやすい問題や志望校の過去問を解くことがメインです。つまり、基礎固めや苦手分野の克服に時間を使うことがほとんどありません。自分の実力をしっかり把握していないと、授業ペースに間に合わず合格が難しくなる可能性も考えられるタイミングでもあります。

中学3年生の6~7月に入塾するメリット・デメリット
  • 受験勉強にだけ集中して取り組むことができる
  • 通学期間が短いため経済的な負担が少ない
  • 基礎が固まっていないとむしろ効率が悪くなってしまう

早いうちから塾に通った方がいい場合

  • 現在の学力と志望校の差が大きい
  • 高いレベルの学校を志望する
  • 内申点を高めたい

もし上記に当てはまる場合は、できるだけ早い入塾をおすすめします。知識が身に着くスピードは個人差がありますし、得意科目・苦手科目というのも人それぞれです。入塾が早ければ早いほど、そういった細かい部分を解決できるチャンスが多くなります。

しかし、実際には「自分がどのタイミングで入塾すべきなのかイマイチ分からない…」ということもあります。そのため、一度体験授業を受けてみるのもおすすめです。塾の雰囲気に触れることで、自分のレベルで狙える高校はどこなのか、塾に通っても続けられるかなど、さまざまなことが分かります。

もし体験授業を受ける場合は、できるだけ複数の塾を選択してみましょう。合格実績が同じくらいでも、指導方針や講師の相性というのは異なります。お子さまが続けられそうな授業ペース、授業を受けたいと感じた講師がいる塾を優先的に検討すると良いでしょう。

高校受験のために塾に通うメリット

ここからは、高校受験のために塾に通うメリットについて5つほど解説していきます。

①:最新の受験情報を入手しやすい

高校受験対策は、ひたすら勉強して知識を付けるだけでは不十分です。なぜなら、「高校受験の内容は変更する可能性がある」からです。学習カリキュラムが変更すれば、入試制度が変わったり試験内容が増えたりする可能性があります。「去年は〇〇はなかったが、今年は〇〇がある」なんてことも珍しくありません。

そういった情報は、通っている学校や保護者同士の情報交換だけでは集まり切らないこともあります。塾の場合、こういった受験情報はすぐに集まります。そのため、情報提供・カウンセリング・学習カリキュラムの変更など、さまざまな対策がスピーディーに行われるのです。

②:志望校に合わせた入試対策を行ってくれる

当然ながら、志望校によって受験レベルは大きく異なります。数学に力を入れた方が受かりやすい高校もあれば、英語に力を入れた方がいい高校もあるのです。こういった情報や傾向をいち早く理解するには、学校の力だけでは物足りません。やはり塾の力が必要になってくるでしょう。

「A高校は数学の点数を重視している」「B高校は毎年英語の点数が低いため、英語で点数を取ることが合格への近道」「C高校は社会の中でも歴史の配分だ多いから歴史を重点的に勉強する」など、志望校に合わせた学習カリキュラムに期待できます。

③:内申点対策を行ってくれる

高校受験は、学力だけでなく内申点も重視されます。とくに推薦入試を考えている場合、内申点の重要度はさらに上がります。内申点の種類はいくつかありますが、主に「学業成績」と「指導上参考となる諸事項」です。どちらかを優先するのではなく、どちらも優秀な成績にする必要があります。

学業成績とは、通知表の内容や定期テストにおける順位のことです。塾で授業対策・定期テスト対策を行うことで、こちらは自然と高くなっていくでしょう。もう一つの「指導上参考となる諸事項」は2021年度の受験から重要視されるようになり、部活動・ボランティア活動・資格取得など学業以外の活動で評価されます。

こういった内申点に関することも指導してくれる塾は存在します。それに加えて、大学受験でも内申点は非常に重要です。高校受験の時点で内申点の上げ方を理解できていれば、大学受験の際に他の受験生よりも有利に進められる可能性もあります。

④:受験仲間に出会えてモチベーションを維持できる

集団塾の場合、数人~数十人の生徒と一緒に授業を受けることになります。高校受験を頑張る受験仲間に出会えれば情報交換もできますし、同じ高校を目指している受験仲間を見つけられれば、モチベーション維持だけでなく競争心を生むこともできます。

ただし、精神的にナイーブな部分がある子は他人と比較して落ち込んでしまう可能性もあります。「同じ高校を目指している〇〇君は模試でA判定だったのに、僕はB判定だった…」となってモチベーション低下に陥ってしまう可能性もありますので、親御さんがしっかりとフォローしてあげましょう。

⑤:勉強する習慣が身に着く

計画的かつ効率的に学習カリキュラムを提供してくれる塾に通うことで、「勉強することの嫌悪感を抑え、学習リズムを定着させる」という効果に期待できます。どのように勉強すべきなのか、自分の勉強に対するキャパシティはどのくらいなのかを知ることで、家に帰ってからも勉強しやすくなるのです。

しかし、勉強習慣の確立には時間がかかります。塾側も継続的なサポートを行い、進捗状況に合わせたスケジュール管理や課題をフィードバックしてくれます。親御さんに対するサポートも定期的に行い、自宅学習に対する考え方や対応を教えてくれる塾も多いです。

高校受験にかかる塾費用

続いて、高校受験対策で塾に通う場合、どのくらいの費用がかかるのか解説していきます。学習塾と聞くと高そうなイメージがありますが、実際にどのくらいかかるのでしょうか。まずは、塾に通うとどのような費用が発生するのか簡単に見ていきましょう。

・入会金
塾に入会する際に発生する費用です。基本的には入会時に請求されますが、キャンペーンなどで半額~無料になるケースもあります。授業形式や学年などによって異なりますが、相場は「10,000~20,000円」です。

・授業料
授業を受けるのに発生する必要です。授業内容、授業形式、講師の質などによって料金は異なりますが、週1で通った場合は「15,000~30,000円」くらいが相場になります。高校受験対策(難関高校)やマンツーマン指導、合格実績のある人気講師などを選択した場合、高くなる傾向があります。

・特別講習
春期講習・夏期講習・冬期講習など、季節ごとに実施される特別講習費です。1回あたりの料金が最も高く、授業形式や開講期間の長さ、季節によって差が大きいのも特徴です。相場は集団塾で「20,000~100,000円」、個別指導塾で「50,000~200,000円」となっています。

・教材費
指定のテキストを使用する場合、教材費が発生する可能性もあります。相場は「1,000~2,000円」ですが、科目数によっても異なります。授業料に含まれていることもありますので、入会前にチェックしておきましょう。

・テスト費用(模試)
模試や学力テストを受験する場合、テスト費用が発生することがあります。相場は「4,000~5,000円」で、受験すればするほど加算されていくタイプです。塾生全員の受験を必須にしている塾であれば、テスト費用が授業料に含まれている可能性もあります。難関高校を目指す場合、独自の模試を受けるチャンスもあるため高額になるかもしれません。

・その他の費用
「年会費・諸経費・登録手数料・維持費」など、塾によって請求される費用が大きく異なります。教室利用のための光熱費や水道代に対しての維持費、教材管理や模試の受験登録に必要な諸経費、学年が変わると発生する年会費など、種類はさまざまです。

どの費用が請求されるのか、授業料に含まれているのかなど、塾によって異なるため相場はあってないようなものです。授業料が相場より高い場合は、こういった費用が含まれているかもしれません。そのため、後述する費用相場に関してはその他の料金は反映していないです。ただし、事前に確認することは忘れないようにしましょう。

中学校3年間でかかる塾費用

学年 公立中学校 私立中学校
中学1年生 156,032円 126,795円
中学2年生 203,859円 181,436円
中学3年生 389,861円 219,276円
3年間の合計金額 749,752円 527,507円

出典:文部科学省「令和3年度子供の学習費調査」

文部科学省が公表した学習費調査によると、公立中学校であれば3年間で「749,752円」、私立中学校であれば3年間で「527,507円」が学習塾に支払っている費用相場です。公立中学校に通っている子の方が約20万円ほど高くなっているのが分かります。

これにはいくつか理由がありますが、最も大きいのは「私立中学校は中高一貫のケースも多い」からです。つまり、高校受験せずとも高校進学できます。そのため、高校受験のために塾に通わせることも少なく、結果的に塾に対してお金をかけていないケースが増えているのです。

学年が上がるごとに費用が上がっているのは、「学習範囲が増えている」と「高校受験に向けて塾を利用する子が増えている」の2つが大きな要因です。中学1年生から2年生にかけては50,000円ほどの上昇幅に対して、2年生から3年生にかけて約2倍も費用が上がっているのは受験対策が本格化するからですね。

集団指導塾にかかる費用

まずは、集団指導塾にかかる費用から見ていきましょう。条件は中学3年生の高校受験対策で通っていると想定し、「入会金・授業料・教材費・特別講習(冬季)」の相場で1年あたりの総費用を算出していきます。その他の諸費用に関しては塾によって請求内容が大きく違うため反映していません。

集団指導塾の費用内訳(週2/週3)

  集団指導塾(週2) 集団指導塾(週3)
入会金 0~22,000円 0~22,000円
授業料 20,000~25,000円 30,000~40,000円
教材費 1,000~2,000円 1,000~2,000円
特別講習(冬季) 40,000~80,000円 40,000~80,000円
毎月の総費用 21,000~27,000円 31,000~42,000円
1年あたりの総費用 292,000~426,000円 412,000~606,000円

高校受験対策の場合、週2(月8回)・週3(月12回)で通うケースが多いため、そちらで相場の方を算出してみました。週2の場合は1年あたり「292,000~426,000円」、週3の場合は1年あたり「412,000~606,000円」です。上記の文部科学省が公表した結果と似たような数値になっていますね。

塾によっては、ここに維持費やテスト費用が発生することもあるため入塾前にしっかりと確認しておきましょう。夏期講習や特別講習などに参加すれば、それだけ1年あたりの総費用に加算されていきます。授業料に差がありますが、大手塾の方が高くなる傾向にあるため覚えておくと良いでしょう。

コストを抑えるには、「入会金がキャンペーンでお得になる」「大手塾だけで検討しない」「特別講習は冬季だけにしておく」のような方法があります。ただ、次に解説する個別指導塾と比較して特別講習料は安いため、特別講習目的なら集団指導塾の方がコスパが良いです。

個別指導塾にかかる費用

続いて、個別指導塾に1年通った場合の費用についてです。こちらも条件は、「入会金・授業料・教材費・特別講習(冬季)」で算出しています。集団塾と比較して、料金幅が大きいのが特徴です。

  • 完全マンツーマン指導:講師と生徒の1対1の指導法
  • マンツーマン指導:講師1人に対して生徒2~3人の指導法

個別指導塾の費用内訳(週1回/週2)

  完全マンツーマン指導(週1) マンツーマン指導(週2) 完全マンツーマン指導(週2) マンツーマン指導(週2)
入会金 0~22,000円 0~22,000円 0~22,000円 0~22,000円
授業料 18,000~40,000円 15,000~30,000円 30,000~50,000円 25,000~40,000円
教材費 0~2,000円 0~2,000円 0~2,000円 0~2,000円
特別講習(冬季) 50,000~200,000円 50,000~150,000円 50,000~200,000円 50,000~150,000円
毎月の総費用 18,000~42,000円 15,000~32,000円 30,000~52,000円 25,000~42,000円
1年あたりの総費用 266,000~726,000円 230,000~556,000円 410,000~846,000円 300,000~676,000円
※毎月の総費用に入会金と特別講習費は対象外

入会金は11,000~22,000円が相場ですが、キャンペーンや体験授業を受けることで無料になる塾も複数あります。最も大きな差が生まれるのが「授業料」です。1コマの授業時間によっても差はあるのですが、カリキュラム内容や講師レベルによる差が最も大きいと言えるでしょう。

合格実績と指導実績が豊富な講師と、採用されたばかりの新人講師では授業の品質に大きな差があります。この差が、授業料にも反映されているのです。講師の質を優先するのか、コスト面を優先するのかで総費用に大きな差が出るのが個別指導塾の特徴と言えるでしょう。

特別講習費に関しても同じことが言えます。1年あたりの総費用としては、「250,000~800,000円」が相場と考えられます。特別講習を受けなければ、授業料の高い講師でも年600,000円くらいに抑えられるかもしれません。もし高品質な講師かつ低コストで検討したいなら、1対2/1対3のマンツーマン指導で探すのがおすすめです。

高校受験に向けた塾選びのポイント

ここからは、高校受験対策に向けた塾選びのポイントについて解説していきます。

志望校に合わせて塾を選ぶ

まずは、志望校の合格実績が高い塾、志望校に強みを持っている塾を選ぶようにしましょう。最も分かりやすいのは「合格実績」を見て判断することだと思いますが、合格人数がもっとも多い学習塾を直球で選ぶのは早計です。

生徒を多く抱えている塾は、合格者数も当然多くなります。なので、母集団にも配慮しつつ合格実績を見るのがベストだといえるでしょう。

また、自分の志望校の受験情報を多く持っている学習塾を選ぶ必要があります。難関校であればホームページ上に試験対策の強みをアピールされていることが多いので、そこをチェックしてみてください。

塾が強みをアピールしていない中堅校の場合は、入塾体験の際に、講師に「●●の学校が第一志望ですが、実績ってどうなんでしょうか」と聞いてみるといいでしょう。

お子さんに合った授業形式を選ぶ

各学習塾には、それぞれ用意された授業形式があります。授業形式ごとにメリット・デメリットがあり、お子さまに合ったものを選ぶ必要があるのです。

  メリット デメリット
個別指導 ・マンツーマン指導なので定着率が高い
・個別カリキュラムを作成できる
・自分の好きな時に質問できる
・全体的に費用面が高い
・先生との相性が合わないこともある
集団指導 ・全体的にコスパが良い
・サクサクと授業が進んでいく
・勉強仲間を作ることができる
・一人ひとりに対する指導時間が短い
・周りのスピードに合わさないといけない
・質問するタイミングが難しい
映像授業 ・全体的にコスパが良い
・何回でも好きなとこから見直すことができる
・指導サポートはほぼない
・質問はメールなどで行うため時間がかかる
・提供している塾がそこまで多くない
オンライン授業 ・自宅で受けられるため送迎不要
・スケジュール面で自由度が高い
・部活や習い事と両立できる
・初期費用がかかることもある
・回線の影響でラグなどが発生する可能性
・勉強仲間を作るのが難しい

指導面を重視するなら「個別指導」、コスパやスピード感を重視するなら「集団指導」、時間効率を重視するなら「オンライン授業」がおすすめです。オンライン授業で映像授業を提供しているケースもありますよ。

サポート体制の充実度

勉強のモチベーション維持や学習効果のためにも、サポート体制が充実している塾を選びましょう。

主なサポート制度

  名称 内容
子ども向け 質問制度 授業の中で分からない部分を講師に質問できるサポート制度です。個別指導塾であればすぐにできますが、集団指導塾の場合は質問できるタイミングがあるのか確認してみましょう。
添削指導 課題に対して添削してくれるサポート制度です。コメント付きで添削してくれるとモチベーションも高まります。
振替制度 何らかの事情で授業を受けられなかった際に、他の日時に振り替えてもらう制度です。日時指定など自由度が高い方がおすすめです。
特別講習 夏休みや冬休みを活用した季節講習(合宿)や、塾独自で実施している特別講習のことです。料金は別途かかるため注意が必要。
自習室 塾に設置されている自習室が使える制度です。ほとんどの塾が設置していますが、テーブルや教材の数に差があります。
保護者向け 学習レポート 学習進捗や取り組みについて教えてくれる制度です。子どもの成長を知ることができますし、自宅でのコミュニケーションにもつながります。
面談 学習カリキュラムの変更や、進路について定期的に話し合います。先生・生徒・保護者の三人が集まって面談することもある。

小学生の時には感じなかったからこそ、高校受験に対するストレスや不安は大きいです。そのため、保護者よりも子どもに向けたサポート体制が充実している塾をおすすめします。

いくつか無料体験を受けてみる

もし無料体験授業を受けられる場合、1社にこだわらず2~3社受けるようにしてみましょう。そのうえで、以下のようなことを比較すると入会後に公開しにくいです。

・講師との相性
講師の話し方や講義ペースを確認することができます。教え方が上手くても話し方が苦手だとモチベーションは続きませんし、その逆もまた然りです。

・授業の難易度
塾に通う目的にもよりますが、学校の成績向上、高校受験対策、難関高校受験対策では授業の内容も難易度も大きく異なります。本当に自分が続けられそうな授業難易度なのか体験してみましょう。

・塾の雰囲気
講師と生徒の距離感は適切か、質問がしやすそうな空間か、自習室は集中して勉強できそうか、スタッフの人たちは優しそうかなど、塾全体の雰囲気も体験することができます。定期的に通うことになりますので、「行きたい!」と思わせるような空気感は意外と重要です。

高校受験のスケジュール

最後に、高校受験のスケジュールをまとめてみました。ここで解説するのは目安であり、確定情報ではありません。ちゃんとした試験日は「各都道府県の公式ホームページ」もしくは「志望校の公式ホームページ」にて確認できます。願書提出や試験日を間違えないよう、必ず確認するようにしましょう。

一般入試と推薦入試がある

高校受験には、大きく分けて「一般入試」と「推薦入試」の2種類があります。一般的には推薦入試の方が先に実施され、それから一般入試という順番になります。ただ、地域や学校によって異なるため事前に確認しておきましょう。

・一般入試
合否に最も影響するのは「学力検査の点数」です。受験と聞いて最もイメージしやすい入試方法で、何よりもまず点数を取ることが求められます。高校によっては書類審査・面接・内申点なども合否に組み込まれており、とくに公立高校の一般入試では内申点も重要視されやすいです。

・推薦入試
合否に最も影響するのは「内申点」です。学校での成績はもちろんのこと、部活動での実績、ボランティア活動への参加、取得している資格の数など、さまざまな内容で審査されます。学力検査が行われることはほぼなく、書類審査と面接で合否が決まることが多いです。

推薦入試には学校推薦型と自己推薦型があります。学校推薦型は「学校長の推薦+中学校内の推薦基準を満たす+高校から提示された推薦基準を満たす」ことが条件で、自己推薦型は「自分が希望すれば推薦できる」というものです。自己推薦型の方が条件は緩いですが、合格しやすいのは学校推薦型となっています。

私立高校のほうが試験日は早い

一般的には、私立高校の方が公立高校よりも早く試験が行われます。

1月中旬~:私立高校/推薦入試
1月下旬~2月中旬:私立高校/一般入試
2月上旬~:公立高校/推薦入試
2月中旬~3月上旬:公立高校/一般入試

私立高校の方が、おおよそ1ヶ月ほど早く始まるのが目安です。一般入試に開きがあるのには、以下のような理由があるからです。

◆公立高校と私立高校の日程について
実は、公立高校と私立高校の試験日程は早い・遅い以外にも大きな違いがあります。それが、定められている試験日が都道府県別なのか、学校別なのかという点です。

・公立高校の場合
地域によっても異なりますが、試験日は各都道府県で定められています。つまり、東京都の公立高校の試験日が3月1日だった場合、東京都内にある公立高校はすべて3月1日に試験を受けるということです。注意点としては、試験日が早い都道府県もあれば遅い都道府県もあります。

2025年度の一般入試試験日程(一部抜粋)

都道府県 神奈川県 兵庫県
試験日 2025年2月14日 2025年3月12日
合格発表日 2025年2月28日 2025年3月19日

このように、神奈川県と兵庫県だと1ヶ月近く差があるのです。そのため、神奈川県の方は兵庫県の方よりも早く受験勉強を始める必要があります。試験日に関しては各都道府県の公式ホームページから確認できますので、早めに確認して入塾のタイミングや学習スケジュールを組み立てましょう。

私立高校の場合は、各学校によって試験日が異なります。同じ都道府県内であっても、A高校・B高校・C高校すべて試験日が異なるということです。こちらも志望校の公式ホームページから試験日などを確認できますので、しっかりとチェックしておきましょう。

受験スケジュールのまとめ

上記のように、「一般入試・推薦入試」「公立高校・私立高校」で受験スケジュールが異なることが分かったと思います。それらを加味して、中学3年生の11月~3月までのスケジュールを簡単にまとめてみました。学習計画作成の参考にしてみてください。

①:内申点が確定する(11月)
中学3年生の内申点が確定するのは、「11月中旬~12月初旬」とされています。内申点の扱い自体は各都道府県で異なっており、中学3年生の成績だけで審査する高校もあれば、中学3年間すべての成績で審査する高校もあります。不安な方は、中学1年生の時点から対策しておきましょう。

②:受験する高校を確定させる(12月)
一般的には、内申点が確定したら「生徒+親+先生」による三者面談が行われます。学校での生活態度や内申点、模試の結果、偏差値などを踏まえてどの高校を受験するか決めます。とくに推薦入試の場合は、1月中旬~1月下旬から願書受付が始まりますので、遅くても12月中には志望校を決めた方が良いです。

一般入試は2月以降実施されるためすぐに決める必要はありませんが、私立と公立を併願する場合は試験日が重なっていないかを確認する必要があります。スケジュールが過密になり過ぎると、高校別の受験対策が間に合わなくなる可能性があるからです。

③:推薦入試の開始+合格発表(1月~2月)
新年が始まって1月中旬くらいになると、私立高校の推薦入試や単願入試が始まります。単願入試は通常の推薦入試よりも合格しやすい入試方法ですが、「合格したら必ず入試する」というのが条件です。私立が終われば、2月上旬から公立高校の推薦入試が始まります。

推薦入試は合否は、早ければ3~4日ほどで発表されます。合格すればそこで高校受験は終了ですが、不合格だった場合は一般試験の準備をしなくてはいけません。基本的に「合格=入学する」のが推薦入試ですが、併願などで辞退する場合も一般入試の準備を始めましょう。

④:私立・公立の一般入試が始まる(2月~3月)
早い都道府県では1月下旬から一般入試が始まりますが、基本的には2月から3月にかけて一般入試が開始されます。一般的には2月上旬~中旬が私立高校、2月中旬~3月上旬で実施されることが多いです。推薦入試で合格した方は、このくらいの時期に進学手続きを進めることになります。

⑤:合格発表が行われる(2月~3月)
一般入試の場合、平均して5~7日前後で合格発表が行われます。私立高校であれば2月中旬~下旬、公立高校であれば3月上旬~3月中旬くらいが目安です。合格発表は高校に直接確認に行くケースもあれば、インターネットで確認できるケースもあります。

複数校受験した方は、合格した中からどの高校に進学するか決めて中学校に連絡しましょう。とくに問題なければ、進学手続きを終えて受験は終了となります。もし志望校に合格できなかった場合でも、追加合格や二次募集などの可能性もありますので、最後まで諦めず先生と相談して進路を決めましょう。