看護師を辞めたい理由と対処法!看護師におすすめの転職サイトも紹介
2024.12.05 医療系転職PR
看護師として忙しく働きながら、「看護師の仕事が辛くて辞めたい」「看護師を辞めて違う仕事がしたい」と悩んでいる方もいるでしょう。
たしかに、看護師は人々の生活に欠かせない重要な役割を担っていますが、一方で常に対応に追われたりミスが許されなかったりと、実際の仕事内容は非常に過酷です。
しかし、一度退職してしまったら元の職場に戻ることは困難です。
「今の職場を辞めさえすれば問題が解決する」「看護師の仕事を辞めたら幸せなのでは」と思うかもしれませんが、後悔しないためにも退職や転職は慎重に判断する必要があります。
そこでこの記事では、看護師が辞めたいと思う理由や対処法、辞めるかどうか迷った時の判断基準、新人看護師が辞めたいと感じた時の注意点などを解説します。実際に退職するとなった場合の流れ、転職を成功させるポイント、看護師転職におすすめの転職サイト・転職エージェントも紹介します。
今の仕事が辛くて辞めたいと悩んでいる看護師の方はもちろん、転職を考えている看護師の方はぜひ参考にしてください。
目次
看護師を辞めたい理由!過酷な労働が原因で辞めたいと感じる人は多い
ネットには「辞める理由ランキング」「転職理由ランキング」など、さまざまな退職理由が紹介されていますが、では看護師の場合はどのようなことが原因で辞めたいと感じているのでしょうか。
まずは、看護師が仕事を辞めたい理由として多い事柄を7つ紹介します。
理由1.仕事がきつい
患者さんの対応に追われたり一日中立ちっぱなしだったりと、看護師の業務は想像以上にハードワークです。
そのうえ、患者さんの急変など不測の事態が発生する可能性もあり、それも健康や命に関わっているので、看護師は常に気が抜けません。
そうした状態が続けば、「仕事がきつい」「体力的にしんどい」と感じることが増えるのも当然です。
さらに、医療業界は深刻な人手不足です。
ギリギリの人数でなんとか回している職場であれば、スタッフの誰かがやむを得ない事情で突発的に休んだりするだけで一気に超過勤務となってしまう、なんてことも多いでしょう。
理由 | 割合 |
---|---|
人手不足で仕事がきつい | 47.7% |
賃金が安い | 36.6% |
思うように休暇が取れない | 33.7% |
理由2.給料が安い
以下のように、看護師は身体的・精神的な負担が大きい仕事です。
- 残業や勉強会など拘束時間が長い
- 診察の補助や患者さんの介助など身体に負担がかかりやすい
- 健康や命に関わる仕事で責任やプレッシャーが大きい
- 感染のリスクがある
こうした疲労やストレスから、「過酷な労働のわりに給料が安い」「業務量に対して給料が見合っていない」という不満を抱える方は少なくありません。
また、30代や40代など一定の経験を積んだ看護師の場合、責任ある仕事や新人看護師の教育など任されることも増えていきます。
「労働に対して見合った対価が受け取れる職場に移りたい」「転職して年収アップしたい」と今の職場からの転職を考えてしまうのも仕方ありません。
理由3.休暇が取れない・取りづらい
「希望休が通らない」「連休が取れない」「有給休暇を取りたくても周囲に遠慮して取れない」など、休みが取れず心身の疲れが溜まってしまい、その結果、看護師を辞めたくなってしまう人もいます。
休日や休息は、日々の仕事でたまった疲れやストレスを解消するために欠かせません。
しかし、職場によっては業務外に研修会や勉強会が入ったり呼び出しがあったりと、休みを十分に取れていない看護師も多いです。
特に、それが夜勤のある病棟看護師の場合は深刻です。
夜勤でただでさえ体に負担がかかる変則勤務をしているのに、生活リズムを整えるための時間が取れないとなれば、肉体的だけでなく精神的にも大きな負担がかかります。
仕事の疲れが十分に取れないストレスから、看護師を辞めたいという気持ちが強くなってしまうことも大いにあるでしょう。
そのため、「週末は子供と出掛けたいけれどどうしても休めない…」「友人は大型連休に旅行を楽しんでいるのに自分はいつも仕事で誘われても断ってばかり…」といった不満や悩みから、プライベートの時間も確保しやすい職種や職場への転職を考える人も少なくありません。
理由4.夜勤がつらい
仕事を辞めたくなる理由として、夜勤の負担が大きいことをあげる看護師も多いです。
病棟に勤務している看護師であれば、ほぼ必ず夜勤が発生します。
夜勤の時間帯は日中よりも少ない人数で看護業務に当たらなければなりません。緊急事態が発生した際にも少人数、または自分で対応しなければならないので、特に経験が浅い看護師は責任やプレッシャーを感じることもあるでしょう。
体内リズムの乱れは、以下のような影響を及ぼす可能性があります。
- 日中、頭がぼんやりする
- 食欲が出ない
- 眠れない
以前は若さや体力で乗り越えられていたという人でも、年齢を重ねて夜勤の辛さを実感する機会も増えていくでしょう。体力面・精神面に限界を感じて無理なく働ける環境へ転職すると言うケースは少なくないようです。
理由5.達成感ややりがいが感じられない
看護師という職業は社会的ニーズが高い仕事ですが、看護師のなかには「達成感が得られない」「やりがいがない」と感じる人もいます。
その原因として多いのは、やはり看護師という仕事のきつさです。
ひとりあたりの業務量が多かったり常に対応に追われていたりすれば、目の前の仕事をこなすのに必死で、「何のために働いているのだろう」「自分が何をしたいのか分からない」と感じることもあるでしょう。
このように、達成感ややりがいを得られるかどうかは、職場の働きやすさが大きく影響すると言って良いでしょう。
理由6.職場の人間関係が良くない
どんな仕事でも人間関係は仕事のモチベーションに関わるポイントですが、日々の看護業務に現場スタッフと協力して取り組まなければならない看護師の場合、人間関係の良し悪しは働きやすさに大きく関わります。
そのため、以下のような不満や悩みを抱えてしまうと、業務遂行にも支障が出てしまい、精神的に大きな負担となるでしょう。
- 看護師同士の仲が悪い
- 医師と看護師の関係が良くない
- 先輩看護師やプリセプターの指導が厳しすぎる
- ベテラン看護師や年上の看護師ばかりで相談しづらい
人間関係が固定化されていて職場自体が閉鎖的な空間であることも、人間関係の悩みを深刻にさせる要因です。
また、看護師という職業のほとんどは女性です。
妊娠・出産・育児・配偶者の転勤などライフステージの変化がきっかけで休職や退職をする職員も多く、それによって人手不足になった結果、良好だった人間関係が崩れてしまうこともなかにはあるようです。
理由7.責任やプレッシャーが大きい
看護師は患者さんの健康や命に関わる仕事です。小さなミスが大きな事故につながってしまう可能性があるので、常に気を抜くことができません。
医療ミスはベテラン看護師にとっても恐ろしいものですが、特に新人看護師の場合、業務の過酷さや忙しさに加えて責任の重さが精神的に大きな負担となってしまう方は多いです。
もちろん、どんな仕事でも適度な緊張感を持つことは大切でしょう。
経験の浅い看護師のなかには、過度なプレッシャーに耐えられず「辞めたい」「辛い」と思い詰めてしまう人も少なくありません。
看護師・仕事を辞めるべきか判断基準!離れたほうが良い職場もある
「看護師を辞めたい」「今の職場を離れて転職したい」と考えていても実際に行動に移すとなると迷ってしまうものです。
辞めるかどうか判断に迷った時は、「自分の行動や時間によって解決する問題なのか」を考えると良いでしょう。
ここでは自力での解決が難しいケースとして、3つの判断基準を紹介します。自分自身の状況はどうか、考えながら読んでみてください。
判断基準1.ストレスが原因で心身の調子を崩していないか
仕事や職場に関する悩み・ストレスが原因で、体の調子やメンタルに異常を感じているなら、退職・転職を視野に入れた行動が必要です。
心身の不調が続く場合、うつ病などの病気の予兆である可能性もあります。
既に心身の調子を崩しているなら、これ以上の無理や我慢は禁物です。
自分の身を守ることを最優先として適切に対処しましょう。
以下は、厚生労働省が示しているうつ病の特徴です。
- 悲しい気持ち・憂鬱な気分が一日中続く
- 何をしても楽しめない・これまで好きだったことにも興味がわかなくなった
- 食欲減退、または食欲増進した
- 眠れない、または寝すぎてしまう
- 些細なことにイライラしてしまう・怒りっぽくなった
- 何に対してもやる気になれない・疲れやすくなった
- 自分に価値がないように感じる
- 決断ができない・集中できない
- 「死にたい」「消えたい」と思う
(1)(2)を含む5つ以上の症状が2週間以上続いている場合は、専門の医療機関に相談することをおすすめします。
判断基準2.職場の労働環境が悪くないか
労働時間や給料など、職場の労働環境が明らかに悪い場合は、なるべく早くその職場を離れたほうが良いでしょう。
例えば、以下に該当する職場は労働基準法に違反しています。
- 労働時間が1日あたり8時間、1週あたり40時間を超過している
- 休日が4週間で4日未満の状態である
- 時給換算した場合、都道府県の最低賃金を下回っている
- 有給休暇の希望を出すと理由を問われる、または有給休暇を拒否される
- 妊娠・出産を理由に退職を強要される
職場の労働環境についてどうにか良くできないかと考える人もいるかもしれません。
時間も労力もかかるので、場合によってはそれ自体がストレスとなってしまう可能性もあります。
労働環境の改善が見込めない時は、職場を変えるのもひとつの選択肢でしょう。
判断基準3.いじめやハラスメント行為がないか
「職場でいじめに遭っている」「上司からパワハラを受けている」など辛い思いをしているなら、これ以上頑張る必要はありません。
無理をせずに今の職場を辞める選択をしましょう。
いじめやハラスメントはそれを行う本人に問題があることはもちろんですが、職場全体を管理すべき人間が管理職としての機能を果たしていない可能性もあります。
本来、管理職は「効率的に業務が遂行できているか」「問題が発生していないか」など、職場やスタッフの様子をきちんと見て状況を把握しておかなければならない立場です。その役割が果たせていないために、人間関係のトラブルが放置され、結果的にいじめやハラスメントという深刻な問題に発展しているのです。
ずるずると続いてしまった結果、精神的に追い込まれてしまっては大変です。「この職場は自分には合わなかった」と割り切って、転職に向けて行動を開始しましょう。
看護師の仕事を辞めたい・辛いと悩んだ時におすすめの5つの対処法
看護師の仕事や今の職場での悩み・不安から辞めたいと感じているなら、すぐに退職に向けて行動するのではなく、問題解決に向けてできることから行動してみましょう。無理をする必要はありませんが、対処法を試してみることで状況が好転する可能性もあります。
ここでは、看護師を辞めたくなった時の対処法を5つ紹介するのでぜひ参考にしてください。
対処法1.信頼できる上司や先輩に相談する
仕事や職場で辞めたいと思うほどの悩みがあるなら、周囲の人に相談してみましょう。
ネガティブな感情をひとりで抱え込んでいても問題はなかなか解決しません。それどころか、ますます気が滅入って物事を冷静に考えることが難しくなってしまいます。
相談相手としておすすめは、信頼できる上司や身近な先輩です。
今の職場や仕事への向き合い方をよく知ってくれている人が相手なら、悩みや不満の内容も伝わりやすく気持ちも理解してもらいやすいでしょう。
身近な人の経験談を聞くことで問題の解決策が見いだせるかもしれません。
職場に相談できる人がいない時は、家族や友人に相談しても良いでしょう。悩みを打ち明けるだけでも気持ちが晴れて、辞めたい気持ちが落ち着くこともあります。
対処法2.有給休暇を取得する
辞めたいと思いながら働き続けると、ますます気持ちが辛くなってしまうので、有給休暇が残っているのであれば休みを取りましょう。
状況が許すのであれば、休職をするのもひとつの方法です。
休暇を取って仕事から一度距離を置くことで、仕事で疲れ切ってしまった体や心を休めることができます。
そのうえで、以下のように心身ともにリフレッシュすれば、辞めたい気持ちも和らぐでしょう。
- 美味しいものを食べる
- 友人に会う
- 自然に触れる
- 趣味に没頭する
- 軽く体を動かす
- 近場に旅行に出かける
対処法3.異動の希望を出す
「今いる科の業務内容がどうしても合わない」「職場の人とうまくいかないから辞めたい」という場合は、部署異動によって悩みが解決する可能性があります。
部署が変われば、日々の業務や人間関係が変わります。
仕事を辞めなくても環境を一新することができるので、異動希望が出せる状況なら行動してみて損はないでしょう。
ただし、異動願いを出したからといって必ず受理されるとは限りません。
また、異動の時期までは今の職場で働き続けなければならないでしょう。
病院の制度や状況によっても異なるので、誰にとっても可能な対処法とは言えませんが、少しでも可能性があるなら退職前に希望を出してみてはいかがでしょうか。
対処法4.仕事への向き合い方を変えてみる
「看護師として働いていく自信がない」「看護師の仕事をしていてやりがいを感じない」という場合は、自分自身を見つめ仕事への向き合い方を変えてみましょう。
例えば、「看護師に向いていない」という悩みの原因は、知識やスキル不足にあるのかもしれません。その場合、看護師の経験を重ねたり勉強をしたりすることで悩みの解消につながっていくでしょう。
また、「なぜ看護師になりたかったのか」「看護師になってどんな仕事をしたかったのか」など、初心を思い出してみるのもおすすめです。
看護師を目指したころに抱いていた理想や目標を思い出せば、その達成のためにもう一度頑張れるかもしれません。
対処法5.転職を検討してみる
最終手段として、転職を検討してみるのも対処法のひとつと言えるでしょう。
「看護の仕事が辛いから看護師を辞めて違う仕事がしたい」「看護師から別の職種に転職したい」と感じている人もいるかもしれませんが、もしかしたら今いる職場特有の業務にその原因があるのかもしれません。
例えば、「夜勤が辛いから看護師を辞めたい」という場合は、「デイサービス」「美容クリニック」「検診センター」など夜勤なしで働ける職場に転職すれば、看護師という職種を変えずに働き続けることができます。
「注射や採血が苦手で看護師を続けられない」と悩んでいる方は、医療行為がないデイサービスや社員の健康管理が主な業務の企業の看護師など、注射の機会がない職場を選ぶことで悩みは解決するでしょう。
看護師としてのキャリアの積み方など専門性の高い相談がしたい場合は、転職エージェントを利用するのもひとつの方法です。
看護師歴1~2年目の新人が看護師・今の職場を辞める場合の注意点
憧れの看護師として働き始めたものの、想像以上のハードワークや先輩看護師との関係などで悩みを抱えている新人看護師は多いです。
これを読んでいる方のなかにも、「理想と現実は違う…」とギャップに悩む1年目の看護師や「1年目にはしなかったようなミスをしてしまう…」と落ち込む2年目の看護師などもいるのではないでしょうか。
しかし、退職にはリスクもあるので勢いで辞めてしまうのはおすすめできません。
ここでは新人看護師が職場を辞める場合の注意点を紹介するので、後悔しないためにも事前に理解しておきましょう。
注意点1.すぐに辞める人だと懸念を抱かれる
早期退職の経歴があると、転職活動の際、採用担当者から「忍耐力がないのでは?」「採用してもまたすぐに辞めてしまうのでは?」とマイナスのイメージを抱かれるかもしれません。
特に「職種は看護師のままで職場を変えたい」という希望がある新人看護師の場合、業務に慣れる前に退職してしまっていることから、「そもそも看護師に向いている人材なのか」「看護の仕事に対して真剣に取り組めるのか」と厳しい目を向けられる可能性もあります。
マイナスイメージを払しょくするには、「新たな職場でもう一度頑張りたい」「この職場で成長したい」という前向きな姿勢や熱意を伝えることが大切です。
注意点2.転職先の選択肢が少ない
短期離職してしまった新人看護師の場合、看護師歴が非常に浅いという点がネックとなり、応募できる求人が限られてしまう可能性があります。
即戦力を必要としている職場では、「実務経験〇年以上」「〇〇業務の経験必須」などといった条件を付けて人員募集しているところも多いです。
看護師としての経験やスキルを身に付ける前に辞めてしまった新人看護師は、応募できる求人が限られてしまうことは理解しておいたほうが良いでしょう。
注意点3.辞め癖がついてしまう恐れがある
看護師に限った話ではありませんが、短期間のうちに離職して辞め癖がついてしまう人もいます。
退職にはリスクもあるので、実際に辞めるとなると勇気も必要です。そのため、辞めるまでの間に「本当に辞めるべきか続けるべきか」と大いに悩むことになるでしょう。
しかし、いざ退職してしまえばそれまでの不満は解消し新たな環境で再スタートできます。
転職自体はネガティブではなくても、離職や転職の回数が多くなると採用担当者の印象もマイナスに偏りやすくなります。
辞めたいと感じた時はすぐに退職してしまうのではなく、「一旦冷静になる」「辞めずにできることがないか考える」など慎重に行動する必要があります。
看護師が職場を辞める際の流れ!円満退職のための6つの手順を解説
看護師が働く医療の現場は常に人手不足です。そのため、正しい手順を踏まなかったり退職手続きを間違ったりすると、職場を離れるのに苦労してしまう可能性があります。
ここでは、看護師が退職する際の基本の流れを紹介します。円満退職するためにもぜひポイントを押さえておきましょう。
手順1.就業規則を確認する
退職を考えたら、まずは勤務している病院や施設の就業規則を確認しましょう。
一般的に、退職の意思を伝える時期として退職の1か月前とされているところが多いですが、看護師が勤める職場によって、「2か月前」「3か月前」と定めているところもあるので注意が必要です。
確認を怠って申し出る期日を超過してしまっては大変です。希望日までに退職できないなんてことにでもなれば、今いる職場だけでなく転職先に迷惑をかけることにもなりかねません。
スムーズに退職するためにも、就業規則で定められている期間内に退職を申し出るようにしてください。
手順2.直属の上司に退職の意思を伝える
退職の意思が固まったら、師長や看護部長など直属の上司に伝えます。
事前に「お話があるのでお時間を作っていただけますか?」とアポイントを取っておくのがおすすめです。
退職の話はスタッフに配慮して個室に近い場所でするのがベストでしょう。
看護師は貴重な戦力なので、退職を申し出た際に引き止められることも少なくありません。その場合は迷うような態度やあいまいな言い方はせず、「大変お世話になったのですが」「お気持ちはとてもありがたいのですが」と感謝の意を伝えたうえで、改めて退職の意思を伝えましょう。
また、退職理由については言いづらいかもしれませんが、嘘をつくのは避けましょう。
嘘がバレてしまった場合、信用を失ったり気まずくなったりして円満退社が難しくなってしまいます。
一方で、「残業が多すぎる」「人間関係が悪い」などと、率直すぎる言い方をするのも良くありません。
「新たな環境でスキルアップがしたい」「ひとりひとりの患者さんに寄り添った看護ケアがしたい」というように、ポジティブな表現に置き換えて伝えれば、相手を不快にさせずにすむでしょう。
手順3.上司と相談して正式な退職日を決める
退職日についてはこちらから一方的に伝えるのではなく、上司と相談しながら決定します。
その際、考慮するのは担当業務の引き継ぎ期間、職場のシフト調整、有給休暇の消化の有無などです。
退職の申し出から実際の退職日までの期間が短すぎると、十分な引き継ぎができなかったり急なシフト変更が必要になったりして、現場のスタッフに迷惑をかける恐れがあります。
退職に向けてはゆとりを持って手続きを進めていくようにしましょう。
手順4.退職届を提出する
正式な退職日が決定したら、「退職届」を作成して直属の上司に提出しましょう。
病院や施設によっては独自の書式を用意しているところもあります。こちらについても事前に就業規則を確認しておくと、作成の際に迷わないで済むでしょう。
退職届の提出は、上司が落ち着いている状況を見計らって直接手渡ししてください。
忙しそうだからと言って、机に置いておいたり人づてに渡したりするのは禁物です。
手順5.担当業務の引き継ぎを行う
退職届の提出後は、自分が退職した後も現場スタッフが円滑に看護業務を進められるよう配慮しながら、担当業務を後任の看護師に引き継ぎます。
現場スタッフはもちろん、患者さんを不安にさせないためにも、以下のポイントを押さえて丁寧な引き継ぎを心がけましょう。
- 後任看護師の都合に合わせて余裕のある引き継ぎスケジュールを立てる
- 担当業務に関する引き継ぎノートや手順書を作成する
- トラブルや困ったことが発生したときに備えて連絡先を伝えておく
業務内容にもよりますが、引き継ぎ期間は1か月を目安にスケジュールを立てましょう。
退職日の直前は、書類手続きやお世話になった人への挨拶などで忙しくなることも考えられるので、引き継ぎは余裕を持って行ってください。
配慮のひとつとして事前に後任の看護師に伝えておくと良いでしょう。
手順6.お世話になった人たちへ挨拶・備品の返却・荷物の整理をする
最終出社日までの間に、お世話になった医師や看護師、患者さんなどへの挨拶も行います。シフト調整などで最終日に顔を合わせられない人に対しては、事前に挨拶をしておきましょう。
挨拶回りの他、最終出勤日には「必要書類の受け取り」「備品の返却」「荷物の整理」なども行わなければなりません。
何かとやるべきことが多いですが、整理や掃除は少しずつ進めておけば最終日に慌てることもないでしょう。
退職後、職場に迷惑がかからないよう、ロッカーの掃除も忘れずに行ってください。
看護師が転職を成功させるために押さえておくべき5つのポイント
熟考の末に転職を決断したら、いよいよ転職活動です。そうは言っても、転職活動はポイントを押さえて進めていくことで成功率を高めることができます。
そこで続いては、看護師が転職を成功させるためのポイントを5つ紹介します。
ポイント1.転職で何を実現したいのかを明確にしておく
転職活動を始める前に、「なぜ転職したいのか」「転職によって何を実現したいのか」という転職の目的を明確にしておきましょう。
現在、感じている不満や悩みから、転職先に求める条件を洗い出すのもひとつの方法です。
不満・悩みの内容 | 転職先に求める条件 |
---|---|
看護師としてスキルアップしたいのに今の環境では難しい | ・資格取得支援や勉強会など研修制度が整っている病院 ・専門性の高い病院 |
夜勤や変則勤務があって体力的に辛い | ・日勤のみで働ける職場 ・看護師の資格が活かせる一般企業 |
プライベートの時間も確保したい | ・年間休日120日以上の職場 ・残業10時間以下の職場 |
転職の目的や転職に求める条件を考えるときは、現在だけでなく将来を見据えることも大切です。
「どんな働き方をしたいのか」「3年後や5年後にどうなっていたいのか」ということを考えておくと、キャリアプランを立てる際にも役立つでしょう。
ポイント2.転職先についてできるだけ多くの情報収集をする
看護師転職に限った話ではありませんが、転職を成功させるには徹底的な情報収集が欠かせません。
以下のように、できるだけ多くの方法・ツールを用いて転職先に関する情報を集めましょう。
- 公式ホームページや求人情報を読み込む
- 病院や施設の資料を取り寄せる
- 口コミサイトで現職員や元職員の評判を確認する
- 知人に聞いてみる
公式ホームページには、運営方針・理念、医療を提供するうえで大切にしていること、現場の看護師の声などが掲載されています。
病院や施設の特徴が分かるのはもちろん、現場の看護師の様子を知ることで実際に働いているイメージがしやすくなります。自分に合った職場かどうかの判断材料となるでしょう。
口コミサイトのなかには匿名で投稿できるものもあるので鵜呑みにするのは危険ですが、情報のひとつとして参考にすると良いでしょう。
ポイント3.書類選考や面接の対策を入念に行う
転職を希望する病院や施設から内定を獲得するには、履歴書・職務経歴書や面接の対策を入念に行うことも忘れてはなりません。
採用担当者に効果的にアピールするためには、経営方針、看護方針、教育体制など、応募先の特徴や独自の取り組みについてよく理解しておく必要があります。
そのうえで、もっとも興味・関心を持った事柄や魅力を感じた部分を取り上げて「志望理由」としてアピールしましょう。
面接対策としては、面接官からの質問を想定した対策を行いましょう。
- 自己紹介
- 志望動機や退職理由
- 長所・短所
- 看護観や看護するうえでやりがいを感じていること
また、面接では「何か質問はありますか?」と聞かれることも多いです。「具体的な働き方」「職場の研修や勉強会について」など、意欲的な姿勢が伝わるような質問を準備しておくと良いでしょう。
ポイント4.職場見学をさせてもらう
転職後のミスマッチを防ぐためにも、病院や施設の職場見学は積極的に行うことをおすすめします。
実際に職場を訪れ、自分の目で職場の雰囲気や現場で働くスタッフの様子を確認することで、自分に合った転職先かどうか見極めやすくなるでしょう。
職場見学をする際のポイントとしては、以下のような内容があげられます。
【職場見学で確認すべきポイント】
院内・施設内の衛生状況 | ・掃除は行き届いているか ・整理整頓がされているか ・要らないものが放置されていないか |
---|---|
スタッフの雰囲気 | ・スタッフの年齢層に偏りはないか ・スタッフ同士のコミュニケーションは十分に取れているか ・患者さんに対する態度に失礼はないか ・挨拶をしたら明るく返してくれるか |
患者さんの様子 | ・患者さんの表情はどうか ・患者さんが過ごしやすいような環境・空間となっているか ・入院している患者さんの傾向はどのようなものか |
設備や労働環境 | ・カルテの形態(電子カルテ・紙カルテ・併用など) ・看護記録の付け方はどうか ・病床数や稼働率はどうか |
職場見学は実際の雰囲気や職員の様子を知るための有効手段ですが、見学中は先方からも振る舞いをチェックされていると考えましょう。
身だしなみはもちろん、挨拶や御礼、職場・職員への配慮など、社会人としてのマナーをしっかり守り、面接と同じく緊張感を持って臨んでください。
ポイント5.看護師転職に強い転職エージェントを利用する
転職の成功率を高めたいなら転職のプロの力を借りましょう。そこでおすすめなのが、看護師専用の転職サイト・転職エージェントを利用した転職活動です。
転職エージェントに登録すると、以下のように幅広いサポートが受けられます。
- 求人の紹介
- 職場情報の提供
- 履歴書・職務経歴書の添削
- 模擬面接などの面接対策
転職エージェントによって取り扱っている求人数や傾向、具体的なサポート内容は異なります。
そのため、「どんな求人を保有しているか」「どんなサポートを提供しているか」など、事前に特徴を確認したうえで登録するようにしましょう。
次の章では看護師転職に強い転職サイト・転職エージェントを紹介するので、自分に合ったサービスがあるかどうかぜひチェックしてみてください。
看護師の転職におすすめの転職サイト・転職エージェント5選
最後に、看護師の転職に強みを持つ転職サイト・転職エージェントを5社紹介します。
ナース専科 転職(旧ナース人材バンク)
ナース専科 転職は、2005年にサービスを開始した看護師専門の転職支援サービスです。
年間利用者数は10万人以上、求人数は公開求人だけで7万件以上と、業界トップクラスの実績・求人数を誇っています。
取り扱い求人は北海道から沖縄・離島までと日本全国を網羅していて、キャリアアドバイザーは各都道府県に担当制で在籍しています。
以下の通り、全国に拠点を持っているので、地方での転職がしたい看護師の方にもおすすめです。
2023年には「オリコン顧客満足度調査 看護師転職」で第1位を獲得するなど利用者の評判も良いので、サポートの質を重視する方でも満足のいく転職活動ができるでしょう。
レバウェル看護(旧看護のお仕事)
レバウェル看護(旧看護のお仕事)は、業界最大級の求人数を誇る看護師向けの転職支援サービスです。
2023年5月時点の公開求人数は143,995件!
正社員・パート・派遣の求人情報を保有していて、公式ホームページでは「高給与」「土日祝休み」「研修充実」など、さまざまなこだわり条件からの求人検索も可能です。
レバウェル看護を利用する大きなメリットが、職場の内部情報に詳しいという点です。
レバウェル看護では求人元を年間4,000回以上訪問しています。
求人情報だけでは分からない情報が得られれば、転職後のミスマッチも防げるでしょう。
また、レバウェル看護では入職後のアフターフォローも受けられます。
困ったことや悩みごとがあった場合にも相談できるので、レバウェル看護を通じて転職すれば新しい職場でも安心して勤務できます。
看護師ワーカー(旧:医療ワーカー)
看護師ワーカーは親身な応援と誠実・的確なコンサルティングを行っている、看護師専門の転職・就職支援サービスです。
全国各地の病院・クリニック・介護関連施設・訪問介護・企業などの求人情報を保有していて、医療業界との間に強いネットワークを持っています。
看護師ワーカーだからこそ保有可能な非公開求人も多数保有しているので、他のサービスでは出会えない魅力的な案件が見つかる可能性も高いでしょう。
希望に沿った求人の紹介や手厚い面接対策に加えて、出張面談、面接への同行、入社後のフォローまで行ってくれるので、「専任アドバイザーの丁寧なサポートを受けたい」「面談に苦手意識がある」という方でも前向きに転職活動が進められるでしょう。
マイナビ看護師
マイナビ看護師は、「株式会社マイナビ」が運営する看護師向けの求人・転職サイトです。
保有している求人情報の施設形態には、病院、クリニック・診療所、施設などに加えて、一般企業や治験関連企業、保育施設も含まれています。
そのため「看護師を辞めて違う仕事がしたい」「病院以外の職場で看護師の資格を活かして働きたい」という方でも、希望に合った職場が見つかる可能性が高いでしょう。
転職活動を進める際の分からないことや気になることも手軽に調べられるので、忙しい方でも効率良く転職活動が進められます。
相談会場は全国各地に設置されているので、住んでいるエリアに限らずどなたでも利用しやすいサービスと言えるでしょう。
看護roo!転職サポート
看護roo!転職サポートは、ナースのコミュニティサイト「看護roo!」が提供する看護師向けの求人・転職サイトです。
公式ホームページでは、登録不要・無料で求人情報の検索や閲覧が可能なので、誰でも気軽に求人の傾向を知ることができるでしょう。
看護roo!転職サポートに申し込むと、以下のように幅広いサービスを無料で受けることができます。
【サービスの内容】
- 応募の手続きや求人先との連絡を代行してもらえる
- ネットに掲載されていない職場の情報が聞ける
- 履歴書の添削や面接の練習などのサポートが受けられる
転職のプロのアドバイスがあれば、転職が初めての方でも安心して転職活動が進められるでしょう。
看護師を辞めたいという気持ちをきっかけに希望や働き方を見つけよう
看護師の仕事は肉体的・精神的な負担が大きいので、辞めたいと感じることもあるでしょう。
そんな時は「自分の考えが甘いのでは」「退職するのは逃げなのでは」と自分を責めるのではなく、まずは冷静になって辞めたいと思う原因について考えてみることが大切です。
原因を深掘りすることで問題解決のヒントだけでなく、自分が本当に望んでいる仕事や働き方が見えてくるでしょう。辞めたいという気持ちがきっかけで、理想の看護観やなりたい看護師像に気付ける可能性もあります。
「辞めたいけれど転職先が見つかるか不安…」「看護師として転職するのが初めてでやり方が分からない」という場合は、転職エージェントを利用するのもひとつの手段です。
転職支援のプロによる客観的なアドバイスがあれば、本当に辞めるべきかどうかの判断もつきやすくなるはずです。
退職や転職は悪いことではありませんがリスクを伴うのも事実です。時には転職エージェントを上手に活用するなどして、後悔のない決断をしてください。