情シスへの転職を未経験から成功させる方法!失敗してしまうケースや成功のためのポイントを解説
2025.09.01 エンジニア転職PR
「ITの知識はあまりないけど、情シスってどんな仕事なんだろう?」「未経験から情シスに転職できるのかな?」情シスへの転職に興味がある一方で、このような疑問や不安を抱えている方もいるのではないでしょうか。
情シスへの転職は、異業種からのキャリアチェンジや、より安定した環境でのITキャリアを築きたいと考える多くの人々にとって魅力的な選択肢となっています。しかし、どのようなスキルが必要で、どのような準備をすれば成功できるのか、具体的な情報なしに進めるのは難しいと感じる方もいるでしょう。
この記事では、情シス転職市場の現状、未経験からの転職の可能性、必要なスキルや知識、年収、そしてキャリアパスについてわかりやすく解説します。
情シスへの転職をお考えの方はこの記事を参考に今後のキャリアを考えてみてください。
目次
情シス転職市場の現状と難易度

現在のIT人材市場は継続して売り手市場であり、特に事業会社の情シス部門の多くが慢性的な人材不足に悩まされています。
中途採用の面接では、候補者が強気の年収交渉に臨むケースも増えているようです。事業会社の情シスにおいても人材の流動化が進んでおり、これは企業のM&Aやホールディングス体制化といった変化によって後押しされています。
また、現在はDX(デジタルトランスフォーメーション)が全盛期であり、情シスにとっては前向きな環境が整っている面もあります。一方で、今年度の採用目標達成に苦戦している企業も約2割ある可能性があります。
情シスへの転職の難易度について、未経験者でも転職できる可能性はありますが、誰もが安心して応募できる求人は限定されるのが現状です。
情シスへの転職には一定のチャンスがあると言えますが、その難易度は決して低くありません。
情シスは、システム開発を含むIT分野に関して幅広い範囲の管理を任されるため、高い知識が求められます。また、少人数体制(「一人情シス」や他部門との兼任など)の企業も珍しくなく、一人で幅広く問題解決に取り組むことがほとんどです。
知識だけでなく、社内外のメンバーや経営陣との連携に必要なコミュニケーション能力も重要となります。
情シスへの転職で失敗してしまうケース
情シスへの転職は魅力的なキャリアパスとなりますが、準備不足や情報不足によって失敗してしまうケースも存在します。
ここでは、情シスへの転職で注意すべき点や失敗につながりうる要因を解説します。
• 技術や知識不足
• 過酷な勤務体制の企業
• 専門性が必要とされないため物足りないと感じる
技術や知識不足
情シスは、企業のITインフラの運用・保守、ヘルプデスク、セキュリティ対策など、幅広い業務を担当します。
特に中小企業では、ITに関する業務を一手に担うことも多く、ITに関する幅広い知識が必要です。具体的には、PC、ネットワーク、サーバー、セキュリティなど、ITインフラ全般に関する知識が求められます。
情シスの場合は、これに加えてプログラミングスキルやシステム設計スキルなど、より専門的なITスキルが重視されます。未経験から情シスを目指す場合、これらの技術や知識が不足していると、業務の遂行に苦労する可能性があります。
未経験者が業界をよく知らないまま転職すると、知識が足りず苦労する可能性があると指摘しています。面接においても、システム導入やトラブル対応における経験や、製品選定の理由、マルチタスクの経験など、具体的な技術スキルや問題解決能力に関する質問が行われることがあります。
必要なスキルセットを理解し、不足している部分を補う努力を怠ると、入社後に業務についていけず、結果として転職が失敗に終わる可能性があります。
過酷な勤務体制の企業
情シスの仕事内容は企業によって大きく異なり、中には人員不足や予算不足などにより、担当者が過度な負担を強いられているケースも存在します。
未経験者が過酷な勤務体制の企業を避けるには、転職エージェントの利用が有効であると示唆しています。
これは、転職エージェントが持つ企業の内情などの貴重な情報が、入社後のミスマッチを防ぐのに役立つためです。
情シスへの転職の懸念点として、他のエンジニア職に比べて年収が低い傾向がある点も挙げられていますが、これは簡単な業務しか担当しない場合に当てはまる傾向があります。
しかし、裏を返せば、過度な業務量に対して年収が見合わない、あるいは人員不足により一人あたりの業務負担が大きすぎるなど、勤務体制に関する問題が隠れている可能性も考えられます。
特に未経験で転職する場合、企業の実情を見極めることが難しいため、事前にしっかりと情報収集を行わないと、想像以上に過酷な環境で働くことになり、早期離職につながるリスクがあります。
専門性が必要とされないため物足りないと感じる
情シスの業務はITインフラの運用・保守やヘルプデスクなど、既存システムの維持管理が中心となる場合があります。情シスが新規システムの企画・開発を主な業務とするのに対し、情シスは運用の側面が強いとされています。
企業によっては、社内システムの維持管理や社員のヘルプ、パソコンに関する備品管理など、比較的簡単な業務のみを担当することになる可能性もあります。
情シスへの転職の懸念点として、高いスキル、専門性が必要とされない傾向があります。
もしご自身が高度なITスキルや専門性を追求したいと考えている場合、このような環境では物足りなさを感じ、仕事へのモチベーションを維持できなくなる可能性があります。特に、SIerなどで高度な開発業務に携わっていた経験がある場合、情シスの業務範囲が限定されていると感じて、自身のキャリア形成に不安を感じるかもしれません。
このような失敗を避けるためには、転職活動の段階で、応募先の企業における情シス部門の具体的な業務内容や役割をしっかりと確認するようにしましょう。
新規システムの企画・開発に積極的に取り組んでいるのか、既存システムの運用保守が中心なのか、DX推進など新しい取り組みに関わる機会はあるのかなど、自身のキャリアプランと合致するかを見極める必要があります。
情シスに転職するメリット・やりがい

情シスは企業のIT基盤を支える役割を担っており、転職することでさまざまなメリットややりがいを感じられる職種です。
• クライアントや取引先とやりとりする必要がない
• 感謝されることが多い
• 営業力が必要ない
• 社内のDX化で新しい知識・スキルが得られる
クライアントや取引先とやりとりする必要がない
情シスは客先常駐型のエンジニアとは異なり、自社に出社して社内のシステムやインフラ整備、ヘルプデスク業務などを行います。
これは、特定の顧客(クライアントや取引先)の要望に振り回されることなく、自社のビジネスや社員のために働くことができるという大きなメリットにつながります。
外部のプロジェクトではなく、自社のビジネスに貢献するという視点で業務に取り組めます。特に、SIerなどで複数のクライアントと契約し、それぞれの異なる要件に対応する働き方に疲れた人にとっては、社内の関係者との連携が中心となる情シスは魅力的な環境と言えるでしょう。
社内の状況に合わせた柔軟な対応が可能であり、外部との複雑な契約や交渉に時間を取られることも少なくなります。
感謝されることが多い
情シスは、企業のITインフラを支えるだけでなく、従業員が快適に業務を行えるようにサポートする「縁の下の力持ち」のような存在です。PCのトラブル対応、システムの使い方に関する問い合わせへの回答、ネットワーク障害の復旧など、社員がITに関する問題を抱えた際に頼られるでしょう。
社員からの問い合わせに対応し、問題を解決することで、業務の停滞を防ぎ、社員が安心して業務に取り組めるようにサポートします。
自分のサポートによって社員がスムーズに仕事を進められるようになり、直接感謝の言葉をかけられる機会も多いでしょう。これは、自分の仕事が企業の運営に直接的に貢献していることを実感し、大きなやりがいにつながります。
情シスは社員からのITに関する問い合わせに対応するヘルプデスク業務を担うこともあります。
営業力が必要ない
情シスや社内SEの主な業務内容は、システムの企画・開発・運用・保守、ヘルプデスク、セキュリティ対策などであり、直接的な製品やサービスの営業活動は含まれません。
社内外の関係者とのコミュニケーション能力や、ベンダーとの交渉、契約、管理といったベンダーコントロールのスキルは求められますが、これはセールスのような新規顧客開拓や売上目標達成を目的とした営業活動とは性質が異なります。
外部の顧客に対して自社の製品やサービスを売り込む必要がないため、営業活動に苦手意識がある方や、技術的な業務や社内のサポート業務に集中したい方にとっては、大きなメリットと言えるでしょう。
社内のDX化で新しい知識・スキルが得られる
近年、多くの企業でDX(デジタルトランスフォーメーション)推進が加速しており、情シスはDX推進においてなくてはならない存在となっています。ITを活用した業務効率化、新たなビジネスモデルの創出、競争力強化といったDXの取り組みは、情シスが担うべき役割です。
DX推進に携わることで、クラウド、生成AI、セキュリティなど、最新のIT技術やトレンドに関する知識・スキルを習得する機会が豊富に得られます。例えば、採用活動における生成AI導入の動きや、クラウドサービスの活用、セキュリティ対策の強化など、情シスの業務範囲は常に変化し、新しい技術が導入されています。
情シスとしてこのような新しい取り組みに関わることは、自身のスキルアップにつながり、将来のキャリアパスを広げる上で有利になります。特に、DXやクラウド、セキュリティ分野は企業が重視するスキルであり、これらの知識・経験を積むことは、ITコンサルタントやIT企画職、あるいは経営に直結するポジションへのステップアップにもつながる可能性が示唆されています。
常に変化するITの世界で新しい知識・スキルを身につけ続けられる点は、情シスの大きなやりがいと言えるでしょう。
情シスへの転職に役立つ能力・経験
情シスとして活躍するためには、幅広いITスキルに加えて、コミュニケーション能力やビジネス理解といった「ソフトスキル」も身に付けておいたほうがよいです。
情シスへの転職に役立つ主要な能力・経験を詳しく解説します。
• 設計〜開発〜保守までの一連の業務経験
• ソフトウェア・ハードウェアに関する知識
• セキュリティに関する知識
• コミュニケーション能力
• IT戦略や経営に関する知識・経験
設計〜開発〜保守までの一連の業務経験
情シスは新規システムの企画・開発を主な業務とするのに対し、情シスは既存のITシステムやインフラの運用・保守をメインの業務とすることが多いですが、システム導入や改善提案に携わる機会も多くあります。
そのため、システムの設計から開発、運用、保守に至るまでのライフサイクル全体を把握していることが求められます。特に、業務要件に基づいた設計経験や、外部ベンダーと連携した開発経験は強みになります。
システムの全体像を理解していることで、運用中のトラブル発生時に原因を特定し、迅速かつ適切な対応を行うことができます。また、システム改修や新規システム導入の際には、開発や保守の観点から現実的かつ効果的な提案を行うことができます。
システム開発の経験がない場合でも、システムがどのように作られ、どのように運用されているのかを理解しようとする姿勢や、関連知識を習得する努力が求められます。
ソフトウェア・ハードウェアに関する知識
情シスの業務では、社内で利用される様々なソフトウェアやハードウェアに関する幅広い知識が求められます。
ソフトウェアに関する知識としては、業務システム(ERP,CRM,グループウェアなど)、OS、ミドルウェアなどの知識に加え、近年ではクラウドサービス(AWS,Azure,SaaSなど)に関する知識と管理スキルもあるとよいです。新しいソフトウェアの導入や選定を行う際には、業務プロセスへの適合性やコストパフォーマンスを判断するための基礎知識が不可欠です。
ハードウェアに関する知識としては、ネットワーク機器、サーバー、ストレージ、PCや周辺機器など、社内ITインフラを構成する要素に関する知識が求められます。これらのハードウェアの適切な運用・保守に加え、導入や選定に際しては、技術仕様やコストを総合的に判断するスキルが求められます。
また、仮想化技術(VMware,Hyper-V)やクラウド環境に関する理解も、ハードウェア運用の効率化を図る上で身に付けておいたほうがよいです。
未経験からこれらの知識をすべて網羅することは難しいですが、基本的なITインフラの構成要素や、企業のIT活用を支える主要なソフトウェア・ハードウェアの種類とその役割を理解しておくことが、転職活動や入社後の業務に役立ちます。
セキュリティに関する知識
現代の企業活動において、情報セキュリティ対策は切り離せない課題であり、情シスは企業のIT環境や情報資産を守る責任を担っています。そのため、セキュリティに関する幅広い知識と対策スキルは不可欠です。
具体的には、情報セキュリティの基本知識、ネットワークセキュリティ、ウイルス対策、不正アクセス対策、情報漏洩対策、セキュリティ対策ソフトウェアの運用、そして内部脅威への対策など多岐にわたります。コンプライアンス対応や、経営層へのリスク説明、社員へのセキュリティ教育なども情シスの役割に含まれます。
サイバー攻撃の手法は日々進化しており、情シスは常に最新のセキュリティ知識をアップデートし続ける必要があります。情報処理安全確保支援士などの資格取得や継続的な学習を通じて、セキュリティに関する専門性を高めることが、情シスとしての価値を高めることにつながります。
コミュニケーション能力
情シスは、社内の様々な部署の社員や外部のベンダーと連携する機会が多い職種です。そのため、円滑なコミュニケーション能力の有無は働きやすさに直結します。
社員からのITに関する問い合わせに対応する「ヘルプデスク」業務や、ITに詳しくない社員にシステムの使い方やトラブル解決方法を分かりやすく説明する能力が求められます。
また、新しいシステム導入やIT戦略について経営層や各部署と協議し、関係者の意見を調整して合意形成を図るスキルも不可欠です。外部ベンダーとの交渉や連携においても、自社の要望を正確に伝え、協力体制を築くためのコミュニケーション能力が役立ちます。
単にIT技術に詳しいうだけでなく、相手の立場やITリテラシーに合わせて分かりやすく説明する能力、要望を正確にヒアリングする能力、そして関係者間の調整を行う能力といったソフトスキルが、情シスとして円滑に業務を進め、周囲からの信頼を得るために求められます。
IT戦略や経営に関する知識・経験
情シスは、単なるIT機器の管理者ではなく、企業の経営戦略に基づきITを活用した業務効率化や競争力強化のための戦略を立案し、実行する役割も担います。特に、IT戦略の立案やDX推進に関わる際には、企業の経営方針やビジネスニーズを深く理解する必要があります。
そのため、ITの専門知識に加えて、会計や経営に関する基本的な知識や、現状を分析し将来を見据えた計画を立てる「戦略立案スキル」が求められます。
IT投資のコストパフォーマンスを考慮したり、経営層に対してIT施策の重要性や効果を分かりやすく提案したりする際に、これらの知識が役立ちます。企業の事業内容や業界に関する理解も、効果的なITソリューションを設計し、提案するために不可欠です。
これらの知識・経験は、情シスとしてのキャリアパスをマネジメントやITコンサルタントといったより上流の工程に広げていくためにも役立ちます。
情シスへの転職成功のためのポイント
未経験から情シスへの転職を成功させるためには、戦略的な準備と行動を心がけましょう。
転職成功のための主要なポイントを解説します。
• 自己分析で自分に向いているか確認する
• 企業研究で業界や事業内容を調べる
• できるだけスキル習得や資格取得をしておく
自己分析で自分に向いているか確認する
転職活動を始める前に、まずは情シスという職種が自分に向いているのか、自身のスキルや経験がどのように活かせるのかを深く掘り下げて自己分析を行いましょう。情シスは、ITスキルだけでなく、コミュニケーション能力や問題解決能力、マルチタスク処理能力など、幅広い能力が求められます。
面接では、ご自身が長く勤めてくれる「継続性」や、過去の実績を転職後にも発揮できる「再現性」、そして「人柄」や「待遇」に関する点が確認されます。これらのポイントを踏まえ、自身の強みや弱み、これまでの経験の中で情シスの業務に関連するものは何か、どのような職務内容に興味があるのかなどを整理しましょう。
自己分析を通じて、自身のキャリアの棚卸しを行い、情シスとして活躍できるポテンシャルがあるのかを見極めることが、入社後のミスマッチを防ぐためにも不可欠です。
企業研究で業界や事業内容を調べる
情シスの仕事内容は企業によって大きく異なります。
そのため、興味を持った企業がどのような業界で、どのような事業を展開しており、その中で情シス部門がどのような役割を担っているのかを詳しく調べる企業研究が欠かせません。
特に、未経験者が情シスへの転職を考える場合、業界や企業の実情をよく知らないまま転職すると、自身の想像と異なる環境であったり、求められるスキルレベルが高すぎたりして苦労する可能性があります。
応募先の情報システム部門が求める人材像を理解し、自身のスキルや経験がその企業の業務内容とマッチするかを慎重に判断しましょう。
企業のホームページ、ニュースリリース、IR情報などを確認するほか、可能であれば企業の社員や転職エージェントを通じて、実際の職場の雰囲気や情シス部門の文化について情報収集を行うと良いでしょう。
特に、業務の拡大を続けている企業は情シス部門の人手不足に悩んでいることが多く、即戦力となる人材を求めている可能性があるため、注目する価値があります。
できるだけスキル習得や資格取得をしておく
未経験から情シスへの転職を目指す場合、事前にITに関する基礎知識を習得しておくことは、転職活動を有利に進める上で有効です。
情シスに求められるスキルは幅広く、完全に網羅することは難しくても、ITパスポートや基本情報技術者試験といったITに関する基礎知識を証明する資格を取得したり、インターネットや書籍を活用して独学で学んだりすることで、自身の学習意欲と基本的な素養を示すことができます。
また、情シスとして強みになる資格としては、ITIL®4資格制度(システム運用・管理)、情報処理安全確保支援士試験(RISS)(情報セキュリティ)、PMP®資格(プロジェクト管理能力)などが挙げられており、これらの資格は専門知識の証明やキャリアアップを目指す上で意味を持ちます。特に大手企業への転職を考えている場合、資格は他の応募者との差別化の鍵となります。
もちろん、資格がすべてではありませんが、体系的に知識を学び、それを証明できる資格を取得しておくことは、自身のスキルレベルを客観的に示す上で役立ちます。自身のスキルレベルやキャリアプランに合わせて、適切な資格取得を目指しましょう。
また、オンラインスクールなどを活用して、体系的に知識を深めることも有効な手段です。
情シスへの転職に有利になる可能性がある資格一覧
情シスや社内SEの業務に役立つ資格は多数存在し、これらの資格を取得することで、ITに関する知識やスキルを体系的に学ぶことができ、就職活動やキャリアアップに役立ちます。
情シスへの転職に有利になる可能性がある資格をいくつか紹介します。
| 情シスへの転職に有利になる可能性がある資格の例 | |
| ITパスポート | ITに関する基礎知識を証明する国家資格で、難易度は比較的易しいとされています。IT未経験者が最初に目指す資格として適しています。 |
| 基本情報技術者 | ITエンジニアの登竜門となる国家資格で、難易度は中程度とされています。より実践的なIT知識・スキルを証明できます。 |
| 応用情報技術者 | より高度なIT知識・スキルを証明する国家資格で、難易度は高いとされています。ITSSレベル3に相当し、幅広いITスキルの基盤を固めたい場合におすすめです。 |
| CompTIAA+ | ITハードウェア・ソフトウェアに関する国際的な資格で、難易度は中程度とされています。PCのサポート業務などに役立ちます。 |
| CCNA | シスコシステムズが認定するネットワークエンジニア向けの資格で、難易度は中程度とされています。ネットワークに関する知識・スキルを証明できます。 |
| ITIL®4資格制度 | ITサービスの管理に関するフレームワークであるITILに基づいた資格制度で、ITSSレベル2~4に相当します。システム運用・管理を効率化したい場合に役立ちます。 |
| 情報処理安全確保支援士試験(RISS) | 情報セキュリティの専門性を証明する国家資格で、ITSSレベル4に相当します。セキュリティに関する知識・スキルを高めたい場合に有効です。 |
| PMP®資格(プロジェクトマネジメントプロフェッショナル) | プロジェクトマネジメントに関する国際的な資格で、ITSSレベル4~5に相当します。情シスに必須なプロジェクトマネジメントスキルを証明するために有効です。プロジェクト管理能力を強化したい場合におすすめです。 |
| システムアーキテクト | 情報システムの設計・開発を主導する能力を証明する国家資格です。 |
| ITサービスマネージャー | ITサービスの提供・運用・改善に関する専門性を証明する国家資格です。 |
| ネットワークスペシャリスト | 高度なネットワーク技術に関する専門性を証明する国家資格です。 |
| データベーススペシャリスト | データベースに関する高度な専門性を証明する国家資格です。 |
| エンベデッドシステムスペシャリスト | 組み込みシステム開発に関する高度な専門性を証明する国家資格です。 |
| システム監査技術者 | 情報システム監査に関する専門性を証明する国家資格です。難易度が高い資格とされています。 |
| ITストラテジスト | 企業の経営戦略に基づきIT戦略を策定・推進する能力を証明する国家資格です。難易度が高い資格とされています。 |
| オラクルマスター | 日本オラクル社が認定するデータベースに関する資格です。 |
| シスコ技術者認定資格 | シスコシステムズ社が認定するネットワークに関する資格です(CCNAなど)。 |
これらの資格は、自身のスキルレベルやキャリアプランに合わせて取得を目指すことで、転職活動を有利に進められます。
情シスへの転職に必要なスキル・知識を身につける方法
情シスに求められる幅広いスキルや知識を習得するためには、様々な方法があります。
• 現在の業務・転職による実務経験
• 独学
• オンラインスクール
現在の業務・転職による実務経験
情シスに必要なスキル、特に実務で活かせる応用力やトラブル対応力は、実際の業務を通じて身につけるのが最も効果的です。
情シスは社内IT全般に携わるため、実務経験が重視される職種です。
実務経験を積む手段としては、以下のような方法が考えられます。
• 情シスに関連する職業に転職する
• 社内異動を目指す
• 派遣や契約社員からスタートする
未経験から直接情シスや社内SEの正社員を目指すのが難しい場合でも、関連する職種(例えばヘルプデスクやITサポートなど)から始めて、徐々に業務範囲を広げていくという方法があります。
現在勤務している企業に情シス部門がある場合、社内公募制度などを活用して情報システム部門への異動を目指すのも一つの方法です。現在の業務でIT関連の知識を積極的に学び、情シス部門との関わりを深めておくことが有効でしょう。
正社員としての転職が難しい場合、派遣社員や契約社員として情シス部門で働くことで、実務経験を積むことができます。これにより、実際の職場で求められるスキルや業務の流れを学ぶことができます。
実務経験で得られたスキルは、自身の経験として語ることができ、転職活動においても強力なアピールポイントとなります。
独学
インターネットや書籍を活用した独学は、情シスに必要な基礎知識を習得するための有効な手段です。
独学はコストが低く、自分のペースで学習を進められるというメリットがあります。
まずは、ITパスポートや基本情報技術者試験といった資格の学習を通じて、ITに関する体系的な基礎知識を学ぶことから始めると良いでしょう。
また、情シスに関する専門書籍や、YouTubeなどのオンラインの学習リソースも豊富に存在します。
独学で学習する際には、ただ知識を詰め込むだけでなく、学んだ内容を実際に手を動かして試してみたり、具体的な業務シーンを想定して理解を深めたりするのが効率的です。
自身の興味や強化したい分野を見極め、計画的に学習を進めることで、スキルアップのハードルを下げることができます。
オンラインスクール
オンラインスクールを活用することで、情シスに必要なスキルや知識を体系的に学ぶことができます。
プログラミング、ネットワーク、サーバー、セキュリティなど、特定の分野に特化したコースや、情シス業務全般を学べるコースなど、様々なオンラインスクールが存在します。
オンラインスクールのメリットは、専門家による質の高い講義を受けられることや、カリキュラムに沿って効率的に学習を進められることです。
また、多くのスクールでは質問対応や課題の添削などのサポートも提供されており、独学でつまずきやすい点を解消しやすいでしょう。
気軽に受講できるのもオンラインスクールのメリットです。
ただし、オンラインスクールの受講には費用と時間の投資が必要です。また、自分の意思で学習を進める自主性も求められます。
オンラインスクールの特徴を踏まえ、自身の学習スタイルや習得目標に合わせて、最適なスクールを選びましょう。
これらの方法を組み合わせて活用することで、情シスに必要なスキルや知識を効果的に身につけ、転職成功の可能性を高めることができます。
情シスへの転職に強い転職エージェントを活用しよう
情シスへ転職したい方は、よりご自身に合った転職先を効率よく探すために転職エージェントの活用がおすすめです。
特に、未経験からの転職や、自身の市場価値を正確に把握したい場合、あるいは非公開求人に応募したい場合には、転職エージェントのサポートが大きな力となります。
転職エージェントを活用するメリット
転職エージェントを利用することで、以下のようなメリットが得られます。
• IT業界や情シス転職に関する専門的なアドバイスを受けられる
• 自身のスキルや経験のうち市場価値が高い部分を把握できる
• 志望企業の情報システム部門が求める人材像を理解できる
• 非公開求人を紹介してもらえる
• 応募書類の添削や面接対策のサポートを受けられる
• 企業との条件交渉を代行してもらえる
• 情報収集目的での利用も可能
IT業界や情シス転職に関する専門的なアドバイスを受けられる
転職エージェントのキャリアアドバイザーは、IT業界や情シス転職に関する豊富な知識と経験を持っています。
ご自身のスキルや経験を正確に評価し、どのような企業やポジションが向いているのか、自身の市場価値はどれくらいなのかといった専門的なアドバイスを受けることができます。
自身のスキルや経験のうち市場価値が高い部分を把握できる
キャリアアドバイザーとの面談を通じて、自身のこれまでの経験やスキルを棚卸しし、情シス転職市場においてどのようなスキルが高い評価を得られるのか、自身の強みはどこにあるのかを明確にすることができます。
志望企業の情報システム部門が求める人材像を理解できる
転職エージェントは、企業と直接やり取りをしているため、求人情報だけでは分からない企業側の求める人材像や、部署の雰囲気、仕事の進め方といった詳細な情報を得られることがあります。
これにより、より精度の高い企業選びが可能になります。
非公開求人を紹介してもらえる
多くの好条件の求人は、企業の戦略的な採用活動のために一般には公開されていません。
転職エージェントはこれらの非公開求人を多数保有しており、ご自身の希望条件やスキルに合った求人を紹介してもらえます。
応募書類の添削や面接対策のサポートを受けられる
履歴書や職務経歴書の書き方、面接での受け答え方などについて、キャリアアドバイザーから具体的なアドバイスを受けることができます。
面接で確認される「継続性」や「再現性」、「人柄」などポイントを踏まえた対策を一緒に練ってもらえます。
企業との条件交渉を代行してもらえる
内定が出た後の年収や入社時期などの条件交渉を、ご自身の代わりに行ってもらえます。
これにより、自身で交渉するよりも有利な条件を引き出せる可能性があります。
情報収集目的での利用も可能
いますぐ転職する意思が固まっていない場合でも、情報収集のために転職エージェントに登録し、キャリア相談をすることも可能です。
自身の市場価値や、どのようなキャリアパスがあるのかといった情報を得ることで、今後のキャリアプランを考える上で役立ちます。
特に情シス未経験者にとっては、業界の内部事情や企業ごとの特徴を理解し、自分に合った求人を見つけることが難しいため、専門家である転職エージェントのサポートは価値があります。
おすすめの転職エージェント
情シスや社内SEの転職に強みを持つ、あるいはIT・Web業界に特化した複数の転職エージェントが紹介されています。
ここでは、いくつかの主要なエージェントとその特徴を解説します。
| 転職エージェント | 特徴 |
| レバテックキャリア | IT業界出身のアドバイザーが多数在籍 |
| 社内SE転職ナビ | 社内SEの案件数は業界トップクラス |
| Geekly | 専門知識に基づいた高精度マッチング |
| マイナビITAGENT | IT業界に特化した求人が豊富 |
| doda | 20代~30代向けの転職情報が充実 |
| WARCAGENT | 情シスやコーポレートITの専門チームあり |
| JACRecruitment/JACDigital IT | ハイクラス・ミドルクラスの転職が強み |
IT業界出身のアドバイザーが多数在籍「レバテックキャリア」
レバテックキャリアは、IT・Web業界のエンジニアやクリエイターの転職に特化した転職エージェントです。
IT業界出身のアドバイザーが多数在籍しており、専門的な知見に基づいた的確なサポートが強みとされています。
手厚いサポートに定評があり、企業情報アップデート頻度が高く、採用ミスマッチを予防できる点も特徴です。現場エンジニアやPMへのヒアリングに基づいた、リアルな情報をもとにした高精度のマッチング率も強みとしています。
情シス関連の求人情報も豊富に扱っており、実務経験を通じてスキルを高めたい人向けの業務委託や派遣事業も行っています。
社内SEの案件数は業界トップクラス「社内SE転職ナビ」
社内SE転職ナビは、業界初となる社内SE専門の転職エージェントです。
非公開求人を含めた社内SEや情シスの案件数は業界トップクラスであり、社内SEの転職事情に詳しいアドバイザーが在籍しています。平均7社以上の求人を紹介してくれるともされています。
開発エンジニア、インフラエンジニア、マネジメント業務など、幅広い職種の情シス求人を扱っており、情シスへの転職を強く希望する方にとって、専門的なサポートを受けられる強力な選択肢となります。
専門知識に基づいた高精度マッチング「Geekly」
Geekly(ギークリー)は、IT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェントです。
IT職種の転職に特化しており、IT職種の事情に詳しいアドバイザーによるマッチングが強みです。
大手企業とのパイプも太く、Geeklyでしか扱っていない独占求人も多数保有しています。20〜30代の若手層向けの求人が多い傾向がありますが、情シス全体で平均年収約580万円というデータも発表しており、年収アップを目指せる求人も扱っています。
初めての転職でも手厚いサポートを受けられるとされています。
IT業界に特化した求人が豊富「マイナビITAGENT」
マイナビITAGENTは、IT業界専門の転職エージェントとして多くの信頼を得ています。
大手企業マイナビの強力なネットワークと実績があり、IT業界特有のスキルや経験に基づいた細やかなサービスを提供しています。
経験豊富なキャリアアドバイザーが在籍しており、転職活動の各段階で手厚いサポートを受けたい人におすすめです。
全国に多数の求人がある点も特徴です。
20代~30代向けの転職情報が充実「doda」
dodaは、転職サイトとエージェントが一体化した大手サービスです。
20〜30代向けの転職情報が充実しており、大手転職エージェントの中でもトップクラスの求人数を誇ります。
アドバイザーの質が高く、書類添削や面接対策、企業との待遇交渉なども行っており、細やかなサポートを受けたい人におすすめです。
全国の求人をカバーしており、取り扱い件数も多いですが、総合サービスのため情シスに特化したサポートは期待できない可能性も示唆されています。
情シスやコーポレートITの専門チームあり「WARCAGENT」
WARCAGENTは、ベンチャーや上場企業の情シス求人が揃う転職エージェントです。
主に首都圏・関西圏の求人を扱っており、企業からのスカウトを受けられる機能もあります。
専門職やスペシャリスト向けの求人に強く、年収アップを目指す求職者にも向いているとされています。成長企業の管理部門に特化しており、取り扱う求人の平均年収が高い(約1/3が1000万円以上)点も特徴です。
両面型エージェントであり、求人企業側の事情に詳しいアドバイザーが在籍しています。
ITハイクラス・ミドルクラスの転職が強み「JACRecruitment/JACDigital」
JACRecruitmentは、外資系、国内大手ハイクラスの転職に強みを持つ総合型転職エージェントで、利用者の多くが30代以上とされています。
JACDigitalは、JACRecruitmentの中でもIT・デジタル分野に特化したサービスであり、キャリア支援やIT業界の経験があるアドバイザーが在籍しています。
ハイクラス・ミドルクラス転職に強いため、年収アップや上層部のポジションを希望する人におすすめです。全国の求人を扱っています。
自分に合った転職エージェントの選び方
数ある転職エージェントの中から自分に合ったサービスを選ぶためには、いくつかのポイントを考慮する必要があります。
• 情シス転職事情に詳しい情シス/IT専門の転職エージェント
• 情シス求人の豊富さ
• サポート内容
• 口コミ・評判
情シス転職事情に詳しい情シス/IT専門の転職エージェント
情シスへの転職を目指すなら、IT業界や情シス専門の転職エージェントを選ぶようにしましょう。
これらのエージェントには、情シス関連分野に特化したアドバイザーが在籍しており、業界特有の事情や企業ごとの詳細な情報、求められるスキルなどを熟知しています。
これにより、ご自身の経験や希望に沿った求人を的確に紹介してもらえるだけでなく、専門的な立場からのアドバイスやサポートを受けることができます。
情シス求人の豊富さ
転職エージェントによって取り扱う求人の種類や数には違いがあります。
自身の希望する勤務地、企業規模、業務内容などに合った求人が豊富にあるかを確認しましょう。
非公開求人の数が多いエージェントを利用することで、より多くの選択肢の中から自分に最適な求人を見つけられる可能性が高まります。
情シス専門のエージェントは、その分野の求人数が多い傾向にあります。
サポート内容
提供されるサポート内容は転職エージェントによって異なります。
求人紹介だけでなく、応募書類の添削、面接対策、企業との条件交渉、あるいは情報収集やキャリア相談といったサポートが必要かどうかを検討し、希望するサポートを提供しているエージェントを選びましょう。
特に未経験からの転職の場合は、手厚いサポートを提供してくれるエージェントが心強い味方となります。
口コミ・評判
実際にその転職エージェントを利用した人の口コミや評判も参考にすると良いでしょう。
キャリアアドバイザーの質、紹介される求人の質、サポートの手厚さなどについて、利用者の生の声を確認することで、自分に合ったエージェントを見つけるためのヒントが得られます。
ただし、口コミは個人の感想であるため、鵜呑みにせず、いくつかのエージェントに登録して比較検討することをおすすめします。
これらのポイントを踏まえ、複数の転職エージェントに登録し、実際にキャリアアドバイザーと話してみて、自身にとって最も信頼でき、手厚いサポートを提供してくれるエージェントを選ぶことが、情シスへの転職を成功させるための鍵となります。