Go言語の将来性は明るめ！市場価値と今後の衰退リスクについて

「Go言語を学習したいけど、将来性があるのか心配」
「Go言語で将来的に稼げるのか不安」

当記事は、このような悩みを持つ方に向けて書いています。
Googleが開発したオープンソースのプログラミング言語であるGo言語は、WebサイトやWebサーバー、アプリケーションなどの開発ができます。
シンプルで学習もしやすいため、多くのエンジニアが活用しているプログラミング言語です。
しかし、エンジニアとして活動している方はGo言語に将来性があるのか心配な意見もあるでしょう。
当記事では、Go言語の将来性や市場価値、今後の衰退リスクについて詳しく解説します。

Go言語って将来性あるの？

結論から言うと、Go言語は今後も将来性のあるプログラミング言語として注目されています。
プログラミングサービスやITエンジニアのコミュニティを運営しているHackerRank社の調査によると、2020年時点でエンジニアが学びたいプログラミング言語としてGo言語が1位を獲得しています。
Go言語はシンプルで信頼性が高く、効率良くソフトウェアを構築できることから幅広い開発が可能です。
Google自身もYoutubeなどの大規模な動画プラットフォームにGo言語を活用しているため、開発実績も十分あります。
それではGo言語が将来性がある理由やリスクについて、詳しく説明します。

Go言語が将来性がある理由

Go言語が将来性がある理由として、以下のような3点が挙げられます。

1. 現在の採用状況
2. Goの強み
3. 企業での採用

それでは順番に解説します。

1. 現在の採用状況

Go言語はシンプルかつ高性能なプログラミング言語となっており、以下のような分野で採用されています。

上記項目から分かる通り、Go言語は幅広く活用できる便利なプログラミング言語です。
ITだけでなく金融など多くの業界・業種で活用できることから、需要は高くなっています。
各業界でIT化が進む現代において、Go言語は将来性の高いプログラミング言語といえるでしょう。

2. Goの強み

Go言語はシンプルで読みやすい構文となっており、エンジニアは習得しやすい点が特徴です。
CやC++ほどではありませんが、PythonやRubyと比べて実行速度が速く大規模なシステムにも対応しています。
また、並行処理と並列処理の両方をサポートしているため、複雑なシステムの構築にも最適です。
WindowsやMacOS、Linuxなど幅広い環境で簡単に動作するので、利便性にも優れています。
ほかのプログラミング言語と比べて強みが多い点についても、Go言語は将来性があるといえます。

3. 企業での採用

Go言語は開発元のGoogleをはじめ、UberやDropbox、PayPal、メルカリ、LINE、楽天など大手企業が広く採用しています。
シンプルなコードで高速な処理性能を備えており、安全性の高さも大手企業に採用されている理由となっています。
複雑なコードを必要としないことから、企業のエンジニアもプロジェクトに取り込みやすい点も魅力です。
そのため大手企業によるたしかな実績がある点は、Go言語に将来性がある理由の1つです。

将来性のリスク

Go言語は将来性の高いプログラミング言語ですが、少なからずリスクも存在します。
例えばエンタープライズ環境では現在でもJavaやC#などのプログラミング言語が根強く、新しいものを取り入れるケースは少ないです。
また、Web開発ではJavaScriptやPythonなどの人気が高いため、Go言語はあまり取り入れられていません。
モバイル開発においてもGo言語の導入はほぼなく、現時点では業務で活用されていないです。
Go言語はほかのプログラミング言語と比べて比較的新しいので、まだ業界ではあまり浸透していません。
しかし、シンプルで幅広い環境で活用できることから、将来的には多くの業務で取り入れられることを期待できるでしょう。

Go言語の市場価値と需要

こちらでは、Go言語の市場価値と需要について詳しく解説します。
今後どのようなGo言語にどのような動きがあるのか理解するためにも、ぜひ参考にご覧ください。

① Go言語の市場価値

Go言語の市場価値は高い傾向にあり、今後も幅広い業界で活用されるプログラミング言語です。
それでは市場価値が高い理由について、順番に見ていきましょう。

クラウド・マイクロサービスでの高い評価

Go言語はクラウド環境やマイクロサービスの開発に適しており、クラウドネイティブなアプリケーションやWebバックエンドの開発での価値が高まっています。
実行速度が速いことからクラウドのインフラを支える技術としてGo言語が採用されているため、スキルを持ったエンジニアの需要は高いです。
また、Node.jsやPythonよりもパフォーマンスが高いことから、軽量でスケーラブルなAPIサーバーを作成したい企業から需要があります。
Go言語の軽量性と並行処理の強みを活かし、大規模なマイクロサービスアーキテクチャを構築する企業も増えています。

大手企業での採用が進んでいる

Go言語は前述でも説明した通り、UberやDropbox、PayPal、メルカリなど大手企業が積極的に採用しています。
例えば開発元であるGoogleでは、クラウドサービスや内部ツールの開発としてGo言語を取り入れています。
Uberではマイクロサービスの開発、Dropboxはパフォーマンスの高いバックエンドシステム開発としてGo言語を採用しており、今後も幅広い業界で市場価値が高いです。
将来的には大手企業だけでなく中小企業の採用も進むと予想されているため、Go言語のスキルがあるエンジニアは重宝されるでしょう。

② Goエンジニアの需要

Goエンジニアの需要について、以下のような点について説明します。

• 求人市場でのGoエンジニアの価値
• Goエンジニアの年収
• Goエンジニアの求人が多い業界

これからGoエンジニアとして活動したい方は、ぜひチェックしてください。

求人市場でのGoエンジニアの価値

Go言語はほかのプログラミング言語と比べて新しいため、業務として扱えるエンジニアは多くはありません。
各業界・業種からの需要は高まっていますが、供給が間に合っていないことが現状です。
クラウド関連の求人は増加傾向にあり、Go言語のスキルがあれば高く評価されています。
フリーランス市場においてもGo言語の案件単価が高く、月額80万円〜100万円程度の案件も存在します。
そのため求人市場では、Goエンジニアの価値が高い傾向にあるといえるでしょう。

Goエンジニアの年収

前提として、Goエンジニアの年収は経験やスキルによって大きく変動します。
Goエンジニアの年収は国内なら600万円〜900万円程度です。
ほかの職種と比べて高い年収を見込めるため、経験とスキルがあれば安定した働き方ができます。
プロジェクトではGo言語以外のプログラミング言語を併用することも多いので、複数の経験やスキルを身につけることで幅広い業務に対応できます。
企業に勤めているなら、将来的に独立を視野に入れることで平均年収以上の収入を得ることも十分可能です。

Goエンジニアの求人が多い業界

Goエンジニアの求人が多い業界には、SaaS系やゲーム開発、AI・データ分析基盤、クラウドサービス、Fintechなどがあります。
Go言語は幅広い業務に対応できるため、多くの業界で需要が高いです。
とくにITやゲームなどの業界ではGoエンジニアの人材が求められているので、こちらに注目すれば豊富な求人を見つけられるでしょう。

③ Go言語の今後の需要予測

先端技術へ活用できるGo言語は、今後も需要の増加が見込まれています。
理由として、Googleが開発元となっておりGoogle Cloudなどで利用が増えているからです。
また、通信速度が上がったことからサーバーサイドの遅れが目立ち既存サービスからの書き換えへと進むこともGo言語の需要が高くなっている理由の1つです。
さらにクラウド・マイクロサービスも急激に成長しているため、Goの知識が求められるシーンも増えています。
世界的にもエンジニアの人材不足は大きな課題となっているので、新しい言語を習得しているGoエンジニアの需要は増えていくでしょう。

Go言語の今後の成長性・トレンド

ここまでGo言語に将来性がある理由や市場価値と需要について説明しました。
続いて、今後の成長性やトレンドについて解説します。

① Go言語の成長を支える要因

クラウドネイティブ開発が普及したことから、信頼性の高いバックエンド言語としてGo言語の採用が徐々に拡大しています。
マイクロサービスアーキテクチャも同様に拡大が進んでおり、大手企業を中心にGo言語の注目が集まっています。
DevOpsツールの実装にもGo言語が使われているため、対応できるGoエンジニアの需要は将来的にも高いでしょう。

② Goの技術トレンド

2025年時点では、クラウドネイティブ技術や高速なバックエンド開発への需要からGo言語は進化・拡大しています。
ブロックチェーン・Web3へ展開されるようになっており、幅広い業務に対応できるようになりました。
また、2024年2月6日にGo言語の新バージョンとしてGo 1.22が展開され、新しい標準ライブラリが追加されました。
パフォーマンスも向上し、以前よりも高速に処理可能です。
AI・機械学習分野にも進出しており、最先端技術の開発環境にも対応できるようになっていくと予想されます。

③ Go言語の成長性の見通し

Go言語はクラウドネイティブ開発やマイクロサービス、DevOps・SREなどの領域で大きな成長が見込まれています。
とくにクラウドネイティブ開発では成長が確実と言われており、事業として取り入れられる可能性は非常に高いです。
一方でAI・機械学習、ブロックチェーン・Web3などの領域は今後の発展次第であるため、必ずしも成長するとは限りません。
そのためクラウドネイティブ開発やマイクロサービス、DevOps・SREなどの領域は、Goの市場を支える領域となっていくでしょう。

Go言語の衰退リスク

Go言語は現在、クラウドやマイクロサービスの分野で高い需要がありますが、将来的に衰退するリスクが全くないわけではありません。

Goの将来性に影響を与えうる要因を詳しく解説します。

Go言語が衰退する可能性がある要因

Go言語が衰退する可能性がある要因として、以下のような点が挙げられます。

• 競合する言語（Rust, Python, TypeScript）の台頭
• Googleの支援が弱まる可能性
• エンタープライズ市場での普及が進んでいない
• フロントエンドとの連携が弱い
• 人材不足と学習コスト

良い点だけに注目せず、今後の状況に合わせて柔軟な考え方を持っておくようにしましょう。

1 競合する言語（Rust, Python, TypeScript）の台頭

Go言語はバックエンド開発やマイクロサービスの領域で広く使われていますが、競合言語の成長も著しい状況にあるのでシェアを奪う可能性もあります。
とくにRustやPython、TypeScriptなどは競合言語となっており、それぞれに強みがあります。
例えばRustはシステムプログラミングやクラウドインフラで採用されており、Go言語と競合しやすいです。
ほかにもPythonはAI・データ分析分野で優位性が続いているため、Go言語の進出が難しいと考えられています。

2 Googleの支援が弱まる可能性

Go言語はGoogleによって開発されたプログラミング言語ですが、Google側からのサポートが少なくなるとGoの開発・サポートの縮小やGoogle Cloudの戦略変更などのリスクがあります。
これまでGoogleのプロジェクト（Google+など）が廃止された例もあり、Goの開発体制が変わる可能性も高いです。
ただし、Goはオープンソースプロジェクトとして広く使われていることから、完全になくなるとは限りません。
また、Google Cloudがほかのプログラミング言語を重視するようになると、Go言語の成長が鈍化する恐れもあります。
しかし、現時点ではGo言語の開発は活発に進んでいるので、すぐに支援が弱まるとは考えにくいでしょう。

3 エンタープライズ市場での普及が進んでいない

Go言語はスタートアップやテック系の企業で使われていますが、エンタープライズ市場では普及が進んでいません。
現時点ではJavaやC#が一般的となっており、Go言語の普及率は低いです。
JavaはSpringのフレームワークが使われていますが、Goはエンタープライズ向けのフレームワークが充実していません。
JavaやC#は長年企業で導入されていた実績があり、新しくGo言語が採用されるケースは少ないです。
今後の成長具合にもよりますが、Go言語がエンタープライズ市場で成長できなければ普及されずに終わる可能性もあるでしょう。

4 フロントエンドとの連携が弱い

アプリ開発の環境ではバックエンドとフロントエンドの連携が求められますが、Go言語はフロントエンド向けの開発に弱いです。
TypeScriptやJavaScriptのエコシステムが強い傾向にあり、フルスタック開発ではTypeScriptが優勢となっています。
また、WebフロントエンドではReactやVue.jsが主流となっており、Go言語と直接の連携は少ないです。
WASM（WebAssembly）対応においても発展途上であり、実用面ではまだRustやC++が強い傾向にあります。
そのためWebアプリ開発の分野では、Go言語の成長が限定的になる可能性があります。

5 人材不足と学習コスト

Go言語はシンプルなソースコードで学習しやすいですが、現時点ではGoエンジニアは少ない傾向にあります。
エンジニア業界ではPythonやJavaが主流となっており、Goエンジニアの人材は少なく企業も採用に苦労するケースが増えています。
また、ほかのプログラミング言語と比べてライブラリやフレームワークが少ないため、新規開発のプロジェクトでは慎重になる企業も多いです。
Go言語は成長を期待できるプログラミング言語ですが、このまま企業からの需要が低くなるとほかの言語が採用される恐れもあるでしょう。

Go言語が生き残るための要素

数多くのプログラミング言語からGo言語が生き残るためには、以下のような要素があります。

• エコシステムの拡充
• モダンな開発ニーズへの適応
• パフォーマンスの強みをアピールし続ける
• 学習コストの低さを武器にする
• 企業・業界への浸透
• オープンソース文化の活性化
• グローバルでの新興市場対応

まずフレームワークやライブラリ、ツールなどを強化することで、競合言語よりも強みを増やして多くの企業から採用されるようになります。
Webアプリやデータサイエンス、AI向けのライブラリ拡充も課題となっているため、同様に強化が必要です。
ほかにもジェネリクス導入（Go1.18で実現）に続く改善やエラーハンドリングや開発体験（DX）の向上など、課題は豊富にあります。
こちらは運営側であるGoogleが改善すべき問題であるため、今後の動きについても新情報を定期的にチェックしておくと良いでしょう。

Goエンジニアが生き残るためのキャリアパス

Goエンジニアが生き残るためのキャリアパスとして、以下のような流れがあります。

• マイクロサービスアーキテクト
• バックエンドエンジニア（Webアプリ/API開発）
• クラウドエンジニア（AWS/GCP/Azure）
• SRE（Site Reliability Engineer）
• フリーランス / CTO候補

それでは詳しく解説します。

マイクロサービスアーキテクト

Go言語は、マイクロサービスアーキテクトの開発で広く活用されています。
Go言語を使った分散システムを設計するアーキテクチャ設計者としてのキャリアも検討できます。API設計や運用計画、チームとの連携など幅広い知識と経験が求められますが、プロジェクトにおいて重要性の高いポジションで働けるでしょう。

バックエンドエンジニア（Webアプリ/API開発）

Go言語の得意分野であるWebアプリやAPIサーバーを開発するエンジニアとして活動するキャリアもあります。
Goエンジニアのなかでも最も求人が多く、スタートアップから大手企業まで幅広く活躍できます。

クラウドエンジニア（AWS/GCP/Azure）

クラウド環境でアプリケーションを運用するクラウドエンジニアの道も、Goエンジニアには向いています。
とくにKubernetesやDocker、Serverlessなどの知識を身につけると、クラウド業界で強いポジションを取れます。

SRE（Site Reliability Engineer）

SRE（サイト信頼性エンジニア）は、システムの安定稼働とパフォーマンス改善を担当する職種でGoogleが提唱した役割です。
GoエンジニアはKubernetesや監視ツールを活用するため、SREに転向しやすいのが特徴となっています。

フリーランス / CTO候補

フリーランスとして独立するか、スタートアップのCTO（最高技術責任者）を目指すキャリアパスもあります。
Go言語はスタートアップでの採用が多いため、CTO候補として活躍するチャンスもあります。
フリーランス向けのエージェントなどのサービスを活用すれば、常に安定して案件を獲得できるでしょう。