簿記2級は転職に有利?難易度や合格率、独学合格のための勉強法を解説

2024.10.04 資格に関するコラムPR

簿記2級は転職に有利?難易度や合格率、独学合格のための勉強法を解説

簿記は知名度・人気ともに高く、「就職・転職のために簿記資格を取得したい!」という方も大勢います。しかし、簿記には1級・2級・3級があり、実際に転職が有利に働くのは2級から!と聞いたことがある方もいるでしょう。

この記事を読めば、簿記2級の基本情報から試験概要、転職に有利に働くかの答えを知ることができます。合格率などから「独学でも合格できるのか?」という疑問点についても解答していますので、ぜひ参考にしてみてください。

簿記2級とは

簿記2級とは『日商簿記2級』のことで、日本商工会議所が主催・認定している資格です。資格の中でも抜群の知名度を誇り、1年間で15万人以上が受験するほどの人気資格となっています。毎年3回実施される試験ですが、今後はネット試験の普及によって気軽に受験できる資格になるでしょう。

そんな簿記2級で認められるのが、「経営管理能力の証明」です。基礎知識が求められる3級とは異なり実務レベルでの知識・能力が必要になります。就職・転職にも有利とされていますので、就活生の取得もおすすめです。

簿記2級の難易度

ここからは、簿記2級の試験難易度について見ていきましょう。

簿記2級の合格率

まずは、簿記試験の過去5年間の合格率から確認していきます。

統一試験
実施回 受験者数 合格者数 合格率
第167回(2024.6.9) 6,310名 1,442名 22.9%
第166回(2024.2.25) 8,728名 1,356名 15.5%
第165回(2023.11.19) 9,511名 1,133名 11.9%
第164回(2023.6.11) 8,454名 1,788名 21.1%
第163回(2023.2.26) 12,033名 2,983名 24.8%
ネット試験
2024年4月~2024年6月 24,075名 9,593名 39.8%
2023年4月~2024年3月 119,036名 41,912名 35.2%
2022年4月~2023年3月 105,289名 39,076名 37.1%
2021年4月~2022年3月 106,833名 40,713名 38.1%
2020年12月~2021年3月 29,043名 13,525名 46.6%
出典:商工会議所の検定試験(受験者データ)
過去5年間では統一試験が約12~25%、ネット試験が約35~40%ほどで合格率は推移しています。統一試験の方がネット試験の約半分ほどの合格率ですが、決してネット試験の方が簡単というわけではありません。出題範囲などはどちらも同じです。

ただし、受験人数には大きな差があります。年に3回しか実施されない統一試験と、休止期間以外であればいつでも受験できるネット試験では仕方がないとも言えますね。準備期間の長さや受験者のレベルも違ってきますので、ネット試験の方が高いのも納得できます。

簿記2級が難しい理由

統一試験・ネット試験を合わせた全体の合格率で考えると、約20~30%程度が簿記2級の合格率と言えるでしょう。10人に2~3人しか合格しませんので、簿記2級は比較的難しい試験と考えられます。では、なぜそこまで合格率が低い試験なのか簡単に解説していきましょう。

問題数が多い

簿記2級の問題数は、「大問5題」となっています。5題って聞くと少なく感じますが、解答時間が120分ということを考慮すると問題数が多くて密度も濃いことが分かります。商業簿記・工業簿記の基礎知識を身に着け、計算問題も完璧に覚えるには相当の勉強時間が必要になるのです。

3級にはなかった工業簿記の問題が追加される

上記でも解説しましたが、簿記2級の試験範囲は商業簿記と工業簿記です。実は、簿記3級試験には工業簿記が入っておらず、商業簿記のみの出題となっています。つまり、簿記3級に合格した人でも新しい知識を身に着けた上で、応用問題も対応しないといけないのです。

工業簿記とは、製品製造に携わる会計処理を記録した簿記のことを指します。メーカーや工場などの製造業に関わる範囲となっており、商業簿記と比較してイメージしにくい分野です。商業簿記が完璧だった人も、工業簿記で思った以上に点数を伸ばせず不合格になることもあります。

工業簿記は難しいと解説しましたが、ゴール自体は商業簿記と変わりません。財務諸表の作成・決算の確認・経営状況の把握とアドバイスなどとなっており、そこに商品製造のために必要な取引記録(仕訳)の作成業務などが加わります。イメージしくにいだけであって、最初から苦手意識を持つのは止めておきましょう。

出題範囲が広くなった

簿記試験は、出題範囲が年度によって変更されます。内容が削除されて狭くなることもありますが、基本的には出題範囲は広くなることが多いです。それに加えて、出題範囲の改訂は1回だけではありません。級ごとに大幅な変更がされており、2016年に改訂された3年後の2019年にも改訂されているほどです。

実際、2007年から8回も改訂されているため、その年によって学ぶべき範囲が異なります。今まで覚えてきた知識では点数が伸ばせなくなる可能性もあり、余裕だと思っていた本試験で躓く可能性が高くなるのです。では、簡単に2019年に実施された改訂内容を見てみましょう。

簿記2級試験から簿記3級試験に追加された範囲

  • 決算整理後残高試算表
  • 当座預金や預貯金(複数の口座を開設する場合)
  • 差入保証金(店舗を借りたときの敷金など)
  • 役員貸付金など…

簿記2級の試験範囲は、簿記3級試験の範囲を理解している前提で決められているため、「3級試験の範囲が広くなる=2級試験の範囲も広くなる」ということになります。

簿記3級試験から簿記2級試験に追加された範囲

  • 有価証券の取得や売却
  • 手形の割引や手形の裏書
  • 有価証券利息
  • 減価償却の直接法など…
簿記1級試験から簿記2級試験に追加された範囲

  • 製造業を含む会社の決算処理
  • リース取引
  • 外貨建取引
  • 税効果会計
  • 連結会計など…

このように、他の試験範囲から2級の試験範囲に追加されているのです。もちろん、2級から排除されている内容もあるため純粋に増えただけとは言えませんが、それでも総合的に広くなったのは間違いありません。中には1級から2級に加えられた内容があるため、2級試験が難化したと感じる受験生も多くいたほどです。

試験範囲が改訂される理由

2007年から8回も改訂されていると聞くと不安に感じてしまいますが、決して嫌がらせで行われているわけではありません。日商簿記試験はその実用性と、汎用性の高さから安定した需要を誇っています。世間の注目度も年々高まっているほどです。

とくに簿記2級取得者にもなると、経理業務の即戦力として期待されています。しかし、IT業界が発展すると「簿記に対する価値」も変化するのです。このように、その時代に合わせた経理ニーズがあり、その経理ニーズに則った試験を作らないといけないのです。これが試験内容の改訂が多い理由です。

簿記2級の試験概要

簿記2級試験の合格率などが分かったところで、実際にどのような試験内容なのか見ていきましょう。

試験科目 商業簿記・工業簿記
合格点 100点満点中70点
試験時間 120分
受験資格 とくになし
大問 分類 簡単な内容
1問 商業簿記 仕訳に関する問題
2問 論点に関する問題
3問 財務諸表や精算表等決算について
4問 工業簿記 本社工場会計など
5問 原価計算など

簿記2級試験は、「商業簿記」と「工業簿記」の2科目で実施されます。大問が5つあり、配点はそれぞれ20点の100点満点です。配分は商業簿記が60%、工業簿記が40%になっています。合格基準点は100点満点中70点以上の絶対評価となっていますので、自分の実力を発揮できれば合格しやすい資格です。

試験時間は5問で120分となっていますので、1問あたり20~25分くらいの時間配分です。受験資格はとくにありません。学歴や年齢、実務経験など関係なく2級から受験することができます。では、各科目の特徴を軽く見ていきましょう。

商業簿記

大問1~3は商業簿記の内容になっています。企業外部との取引を記録・計算を行う範囲であり、正確な決算書作成能力などが求められます。ただ、内容的には初学者でもイメージしやすいため知識は身に着きやすいです。簿記3級でも出題される範囲のため、簿記3級取得者であれば勉強時間も短縮することができます。

第1問:仕訳問題
3級試験では基礎知識中心の勉強法ですが、2級試験では基礎知識を身に着けるよりも問題演習を繰り返すことが重要です。そうすることで、効率的に点数を稼いでいくことができます。

第2問:個別論点問題
特定のテーマに関する問題が出題されます。出題テーマは試験ごとに変更されるため予想が難しく、問題集をひたすら解くことでどんなテーマにも対応できるようにしておきましょう。過去には「連結会計」や「株主資本等変動計算書の作成」について出題されています。

第3問:財務諸表・精算表などの決算・本支店会見問題
最も難しい科目であり、勉強中でも心が折れやすいです。そのため、試験本番では後回しにするのはおすすめです。ここで時間を取られて他の科目に手が回らないのが一番もったいないですよ。

工業簿記

試験の第4・5問目が工業簿記になっています。メーカーや工場などの製造企業内部における資源投資の記録や、それを基に計算する能力が必要です。商業簿記とは違い、日常生活ではイメージしにくい科目となっており、勉強前から苦手意識を持つ方もいます。

しかし、簿記2級試験における工業簿記は、基礎知識が求められる問題が多い傾向にあります。応用にこだわる必要はなく、基本・基礎を固めることが重要です。とくに商品作成のために消費したコストに関する「原価計算」は確実に出題さますので、しっかりと点数を出せるようにしておきましょう。

出題パターンが毎年決められているのも工業簿記の特徴です。基礎を固めたら過去問をひたすら解いていくことで、点数も伸びていく科目となっています。メーカーや工場に就職したい人は、ここで身に着けた知識を活かすことができるでしょう。

簿記2級の出題形式

簿記2級試験は、記述式で出題されます。計算問題などもあり、マークシート方式のように消去法で解答することができません。統一試験とネット試験があり、統一試験は全受験者が同じ問題を解きますが、ネット試験は受験者ごとにランダムで出題されます(難易度は同じくらいになるよう設定されている)。

統一試験・ネット試験の違い

統一試験 ネット試験
試験日 年3回(6月・11月・2月) 休止期間以外いつでも
試験時間 90分 90分
合格基準点 70点以上 70点以上
問題と解答 紙ベースで提供される パソコン画面上に表示される
計算用紙 A4用紙が2枚配布 A4用紙が2枚配布
合格発表日 商工会議所によって異なる 試験終了時に即自動判定
合格証明書 後日送られてくる マイページからダウンロード

統一試験とネット試験の大きな違いは出題内容だけでなく、「試験日」「問題と解答」「合格発表日」「合格証明書の有無」があります。ネット試験の方が気軽に受験できますし、すぐに合否判定を確認できるためおすすめです。実際、合格率もネット試験の方が高い傾向にあります。

簿記2級は独学でも合格できる?

結論から言うと、簿記2級試験は独学でも合格することは可能です。では、実際にどのくらいの勉強が必要なのか見ていきましょう。

合格に必要な勉強時間目安

もし簿記2級試験の独学合格を目指す場合、平均350~500時間ほどが目安の勉強時間とされています。1日3時間勉強すれば3~5ヶ月ほどで合格できるほどの知識を身に着けることが可能です。しかし、誰もがこの勉強時間で合格できるわけではありません。

簿記3級合格者であれば商業簿記の基礎知識はあるため勉強時間も短くなりますし、逆にまったく簿記の知識がない初学者であれば500時間以上かかることもあります。数学や計算が苦手な方になると、1年近く勉強して合格を目指すこともあるでしょう。

独学で大事なのはモチベーション維持

合格率や目安の勉強時間を加味して考えると、簿記2級試験の難易度は「少し難しい」という評価です。勉強範囲はそれなりに広いですし、勉強せずに合格できるような内容でもありません。それでも、効率的に勉強を続けていけば自然と合格に近付くことができる試験です。

しかし、勉強を続けるのは簡単なことではありません。慣れていないとストレスになってしまいますし、最終的にはまったく勉強しなくなるケースもあります。そのため、自分なりのストレス発散法を見つけたり、勉強と休憩にメリハリを付けるなどモチベーション維持について考えることが重要です。

簿記2級を独学で合格するための勉強法

上記で簿記2級試験は独学合格が目指せるということが分かりました。ここからは、そんな独学合格を達成するためのコツや勉強法について解説していきます。

自分に合ったテキストを選ぶ

勉強を進めていく上で最も大事なのが、「自分に合ったテキストを選ぶ」という点です。

テキストの選び方
  • 自分の知識レベルに合っているのか
  • 読みやすく理解しやすい内容なのか
  • 文字のみ、イラストや図解付きなのか

簿記2級試験は受験資格がないため、簿記3級に合格する必要はありません。しかし、何の知識もない人がいきなり簿記2級試験対策用テキストを購入するのはおすすめできません。簿記3級の基礎から学べるテキストを選ぶなど、自分の知識レベルに合ったものを選ぶのが最も重要です。

そして、内容の読みやすさや理解のしやすさには個人差があります。軽く読んでみて「これなら読み切れそう!」と感じたテキストを購入するようにしましょう。それと同じように、文字だけのテキストが好きなのか、イラストや図解が豊富な方が好きなのかも把握しておくのが大事です。

問題集の選び方
  • 何年分の問題が収録されているのか
  • 解説が分かりやすいか
  • 予想問題が収録されているのか

テキストで基礎知識を身に着けたら、問題演習や過去問を解くことで知識を定着させていきます。その際の問題集・過去問の選び方は、問題数が多く解説が分かりやすいものがおすすめです。問題数が多くても解説が分かりにくければ意味がありませんよ。

問題集・過去問を繰り返し解く

知識をインプットするだけでは不十分です。問題集・過去問を繰り返し解答することで、知識をアウトプットすることができます。解答する際のコツとしては、最初から何も使わず解答するよりも「テキストや参考書を見ながら解く」のがおすすめです。

そして、2回目以降は参考書などは使わずに解答していきます。ここからは時間を測ることも始めてみましょう。1問あたりにかかる時間を把握することができれば、本番での時間配分を間違えずに済みます。後はとにかく何回でも繰り返していきましょう。

簿記2級試験の科目は、商業簿記と工業簿記があります。簿記3級試験に合格している人であれば商業簿記の知識があると思いますが、まったくの初学者であればバランス良く勉強することが大事です。独学ではとくに偏ってしまうことが多いので、学習スケジュールの作成を忘れないようにしましょう。

模擬試験で本番の時間配分を掴む

簿記2級の試験時間は「120分」です。長いように感じますが、この120分ですべての問題に解答するのは簡単なことではありません。とくに試験本番になると、どうしても緊張やストレスを感じてしまい頭が真っ白になってしまうケースもあります。「いつの間にか時間が来てしまった…」ということも珍しくないのです。

そのため、普段の問題演習から時間を測って時間配分に慣れておく必要がありますが、それよりも効果的なのが模擬試験です。実際の試験時間内に解く練習ができますし、結果を確認して自分の苦手分野を知ることもできますよ。最低でも1回は受けることをおすすめします。

どれだけ知識を身に着け過去問を解いてきたとしても、分からない問題が出てくる可能性はあります。その際、無理して時間を使う必要はありません。少しでも時間がかかると感じた場合は、思い切って飛ばすことも戦略です。他の問題を解答し、余裕ができてから臨むという流れも慣れておくと良いでしょう。

電卓操作に慣れておく

簿記試験では、電卓の使用が認められています。電卓操作に慣れておくことで、試験本番の時間効率を良くすることが可能です。電卓操作は実務でも役立つスキルとなっていますよ。では、肝心の電卓選びについて少し見ていきましょう。

電卓を選ぶ際のポイント

  • 自分の手や指で使いやすいサイズなのか
  • キーは押しやすく反応しやすいのか
  • 桁数は何桁まで表示されるのか
  • 搭載されている機能を確認しよう

人の手の大きさや指の太さは千差万別です。まずは、自分の手や指でも操作しやすいサイズを選ぶようにしましょう。キーが小さいと押しにくいですし、最初から計算し直すリスクが高まるなどおすすめできません。できるだけキーも大きく、しっかりと反応してくれるものが良いです。

画面上に表示される桁数にも注目してみましょう。簿記試験では、通常よりも大きな数字を扱うことが多いです。表示桁数が少ないと、電卓を使っている意味がなくなってしまいます。最低でも10桁以上、おすすめは「12桁」が表示される電卓です。

計算を効率化するために、搭載されている機能についても確認してみましょう。複数の計算を同時に進められる「メモリ機能」や、現在押しているキーと他のキーを押したときのラグをなくす「キーロールオーバー機能」、複数の計算結果の合算値を算出する「グランドトータル機能」などがおすすめです。

【注意】搭載が禁止されている機能

上記では「機能面にも注目してみよう!」と記載しましたが、実は搭載が禁止されている機能も複数あります。例えば、簿記試験で使用できる電卓は「計算機能が搭載されているもののみ」となっていますので、関数電卓の使用は禁止されているのです。

【禁止されている機能】

  • 関数機能
  • プログラム機能
  • メロディー機能
  • 辞書機能など

上記のような機能が搭載されている場合、試験が不合格になる可能性があります。電日数計算、換算、検算といった機能は認められているなど割と細かいルールがあるため、もし不安な人は普通の電卓を購入することをおすすめします。

簿記2級の資格が活かせる仕事

最後に、簿記2級を取得した際に、その知識を活かせる職場や業務内容について解説していきます。

会計事務所

最も分かりやすくオーソドックスな職場が、「会計事務所」です。求人数も多く、就職難易度も比較的易しいのが特徴となっています。専門性の高い知識が必要になりますので、簿記2級を取得していればアピールポイントとして扱うことも可能です。年収も中くらいで安定しています。

肝心の仕事内容としては、企業・個人から依頼された「仕訳の起票~税務申告書作成」までの流れを担当することが多いです。会計事務所自体が税務申告書作成をメイン業務にしていますので、毎日ひたすら仕訳を切り続け、それを基に決算書と税務申告書を作成していきます。

経理とは違い、他部門から書類を集める必要はありません。会計業務に特化しているため、同じ作業をコツコツと繰り返すのが得意な人に向いています。近年、会計事務所は人手不足とされていますので、就職・転職ともにしやすいのが特徴です。ただし、簿記2級では学ぶ機会のない税金に触れることも多いため、入社後に「税法」に関する研修などが行われます。

税理士事務所

簿記2級を活かせる職場として、税理士事務所も挙げることができます。ただし、会計事務所と比較すると求人は多くありません。簿記2級取得者よりも税理士を求めているからです。税に関するスキルアップしたい方、将来的に税理士になりたい方向けの職場と言えるでしょう。

一般企業の経理部

簿記2級を取得していれば、一般企業の経理部に就職することも多いです。求人数も会計事務所と同じくらい多く、簿記2級の知識も活かしやすいです。経理部では、以下のような業務に携わることになります。

主な業務内容
財務会計 決算書を作成し、投資家やステークホルダーに対して「経営成績・財政状況」を明示できます。
管理会計 各部門の成績管理や新しい投資を始める際の判断材料として、企業内で管理用の試算表を作成する。
税務申告 財務会計目的で作成された決算データに、税務調整を加えた税務申告書を作成する。

これらの業務を行う場合、他部署との連携が必要不可欠です。そのため、簿記2級の知識だけでなくコミュニケーション能力も重要視されます。もしメーカーや工場などに就職する場合は、簿記2級の「工業簿記」の知識が役立つでしょう。

コンサルタント業務

会計の知識を有しているため、「会計コンサルタント業務」に就くこともあります。ただし、求人数は会計事務所の1/10ほどしかなく、求められる知識や専門性は非常に高度なものです。そのため、簿記2級よりも1級所得者、公認会計士などの方が働きやすい職場でもあります。

会計コンサルタントの業務(一部)

財務報告の支援 年次・月次の決算をサポートするなどの支援業務
M&Aアドバイザリー 買収・合併における提案や、企業価値・事業価値の評価をする
会計システムの導入・構築 正確性・効率性を両立した会計処理システムの導入や改善を行う
IPO支援 上場を目指している企業での上場準備支援
税務コンサルティング 税務に関する提案やアドバイス、税制改正時の対応支援

コンサルタント業務のフィールドは非常に広く、業務内容は職場やその人によって千差万別です。もし未経験からコンサルタント業務に携わりたい場合は、若さやポテンシャルを求められることが多いです。年収には期待できますが、簿記2級の知識は最低限必要なレベルのため働くのは簡単ではありません。

経営企画

入社した企業の成長と、その成長を支える経営戦略の立案・支援を行う業務です。上記のコンサルタント業務と似ていますが、コンサルタント会社に就職するわけではありません。入社した組織内にある企画部署などで、経営の支援にあたるようなイメージです。

【経営企画の業務内容】

  • 経営戦略の立案や支援
  • 事業計画書の作成
  • 経営資源の最適化
  • リスク管理
  • 投資判断の立案や支援

など…

組織経営の根幹に関わる業務のため、求められる知識も相当なレベルを要求されます。未経験者や新入社員で任されることはほぼありません。そのため、「簿記2級の知識を活かして他の部署で仕事をしながら経験を積み、将来的に携わりたい部署」くらいのイメージで働くのがおすすめです。

内部監査・監査アシスタント

内部監査とは、取引→決算書の作成までの流れをチェックする仕事のことです。財務報告の信頼性を担保することが目的であり、決算書の作成までサポートしていくことになります。専門性が高く求人数も少ないですが、内部監査部門の設置が義務付けられている上場企業で働けるのが最大のメリットです。

しかし、実際に監査業務をメインに行うのは「公認会計士」です。そのため、簿記2級所得者はそのサポートを行う監査アシスタントとして働くケースもあります。こちらも求人数は少ないですが、簿記2級の知識を活かしやすく、専門性な就職難易度もそこまで高いものを求められません。

効率良く短期合格を目指すなら通信講座を検討

もし効率的に短期合格を目指したい場合は、独学ではなく『通信講座』の利用をおすすめします。

通信講座を利用するメリット
  • 厳選された教材を使って勉強を進められる
  • 合格目標に沿った学習カリキュラムを提供してくれる
  • 自分で学習スケジュールを組む必要がない
  • スマホがあればどこでも効率的に勉強できる
  • 質問や添削指導などで分からない部分を解決できる

通信講座では、その人のレベルに合った教材を提供してくれます。プロに厳選されたテキスト、経験豊富な講師が行う映像講義などを利用できますので、初学者でも合格しやすい環境となっているのです。中には合格率80%近い実績を誇る通信講座もありますよ。

学習カリキュラム・学習スケジュールも通信講座側で作成してくれますので、自分で考える必要がありません。ここが独学との大きな違いかもしれませんね。最近ではスマホ1台で勉強できるe-ラーニングシステムを導入しているケースが多いため、ちょっとしたスキマ時間でも効率的に勉強できます。

分からない部分は質問制度を使えますし、答練などを通じて添削指導を受けることも可能です。総合的な費用は独学よりも高くなることもありますが、キャンペーンや割引制度を活用すればコスパを抑えられます。合格特典で全額返金やお祝い金を貰えることもありますよ。

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