高校生に伝わる魅力の伝え方と定着率アップの取り組み【株式会社アピック】

2023.02.21 

株式会社アピック

企業名:株式会社アピック
従業員数:16名
業種:製造業
募集職種:精密金型部品の製造技術者(川崎ものづくりブランド認定技術)
募集人員:2名 高卒採用歴:2年目

高卒新卒採用・ジョブドラフトを選んだ理由

〈高卒採用のきっかけ〉
「人にノウハウが蓄積される仕事だからこそ、人手不足になる前に若手を育てたい」

ー新井様、本日はよろしくお願いいたします。
ーまずお尋ねします。今回、なぜ高卒採用を始められたのでしょうか?

以前の高卒新卒採用での入社は、10年以上前のことになります。
当時入社した社員は、現在も活躍しております。離職も少ないため現在までハローワークでの中途での募集で充足しておりました。
製造業の中では平均年齢は若い会社ですが、一番若い社員で34歳ですので、年の差が離れすぎる前に若手を採用して育てていきたいと再開に踏み切りました。

私たちが行っている「超硬精密加工」の仕事は専門性が高く、他の機械製造の分野で経験があってもなかなか活かしにくい部分がある職種です。人にノウハウが蓄積される仕事内容ですので、始めは誰もが未経験。それならより若く、仕事を吸収するエネルギーに溢れた高校生は弊社にとって最適な人材であると言えます。なるべく長く働いてほしいと思っておりますし、だからこそ働く人を大切にしています。

〈ジョブドラフトを利用するきっかけ〉
「採用ノウハウを得るため」

ージョブドラフトを利用されるきっかけはありましたか?

以前、新卒採用をしていた頃とは市場は変化し、採用が難しい売り手市場に変化していることを認識しておりました。調べたところ、大企業も参入しているようでしたし、高卒採用は閉鎖的であることも知りました。
私自身、新卒での採用が初めてでしたので、やり方も分かりませんでした。
高校とのつながりや関係性もありませんし、なおかつコロナ禍ということで不安がありましたね。

そんな中、ジョブドラフトの説明を受け、まずはプロにお願いして「ノウハウ」を学びたいと思ったのが最大の理由です。
ノウハウをしっかり残し、今後に投資するつもりで決めました。
実際に、求人票の書き方から高校訪問の仕方、実際他社ではどうしているのかが分かって良かったと思っています。

成功の秘訣
「自社の魅力を直接伝えること」「働いている姿をイメージできるように」

ー採用計画はどのようにされましたか?

まずは学校訪問の話からだったかと思います。
サポートプランに加えて高校訪問代行もお願いしていたので、どの高校に訪問するのかをジョブドラフトの担当の方と話し合いました。実際働いている社員にもヒヤリングして、高校の選定では近い高校をターゲットにして選びましたね。
代行してもらえる数に限りもあるので、高校訪問代行に加えて社員の出身校や私が行ける高校には自分の足で訪問しました。

ー高校訪問の時の準備などはどうされましたか?

代行していただく担当の方が決まったタイミングで、弊社にお越しいただきヒヤリングをお願いしました。やはり何も知らない方でホームページの情報だけより、一度見ていただいた方が良いのかなと。私自身も高校生の立場から見た弊社の魅力はどこなのかアピールポイントが分からなかったため、実際に社内をご覧いただいた上でアドバイスいただけて良かったです。

ー高校生目線でアピールポイントを見つけるのは、すごく良い取り組みですね。

高校訪問代行の担当者は、高校生に響くアピールポイントも分かっていらっしゃるので「ここがいいんだ」と知ることができました。例をあげると、精密機械なので職場は綺麗で温度管理もしっかりしています。
私にとっては当たり前のことだったのですが、魅力付けの一つに捉えられました。自分の働く場所の環境って、「確かに気になるよね」とそこで初めて気付かされたんです。「ノウハウ」を学べた最初の出来事でしたね。

ーその他の採用活動で、よかった点はありますか?

工業高校での説明会の機会をいただけたのが一番良かったです。高卒採用は、先生と話すことは多いですが生徒に会うことがないので、直接説明できることは大きいです。
それまでも高校訪問などして先生とお会いしていたのですが、そこで感じた課題が製造業の仕事は「分からない」から「人気がない」ところです。実際に私たちが使っている機械や製品は、使ったことがなかったり身近ではないのでイメージしにくいのですよね。
イメージがしにくい分、じっくり時間をかけて直接説明する時間が必要だなと感じました。

ー伝えることができて良かった部分はどのあたりですか?

作業の内容だけでなく、仕事の環境や雰囲気まで伝えることができたところです。
例をあげると弊社は一人でもくもくとやる仕事内容が多いのですが、そういった部分まで肉付けして伝える事ができました。実際に応募者からも、その部分が向いていると感じたと言われたりしましたね。
動画も準備して行ったので、とにかく自分が働いている像をイメージしやすいようにと考えていました。

ー動画は社内で制作されたのでしょうか?また、内容はどのようなものですか?

動画は、社内にカメラが得意な者がいたので、撮影をお願いしました。内容としては工場内の雰囲気が分かるような映像、2種類の機械の説明、高卒新卒で入った社員2名のインタビューを撮りました。
そのインタビューの2人は同期入社で職場見学の案内役もしてもらいました。高卒新卒での先輩なので、良いロールモデルになると考えての抜擢です。

ーインタビュー動画、拝見しました!ほのぼのとした雰囲気も伝わり、すごく良かったです。

あまり作り込まずに、台本なしで制作しましたね。ぶっつけ本番で、社員2人が話している雰囲気や生の声を見せたいなと思って撮りました。
みんな未経験で入って技術を学び、そして長く勤めてもらうことで磨かれていく。その技術力のお陰で会社は成り立っています。その成果が給与に結びつく仕組みがありますし、居心地の良さに繋がっているところを動画を使って説明させていただきました。弊社の社風(雰囲気)の部分をしっかりと伝える事ができて良かったです。

ー資料拝見して感じたのですが、社風の伝え方が素敵ですね。求める人材像「仕事とプライベートを分けて、どちらも大切にする人」が印象的です。

どちらかというとオンオフはっきりと分けて、プライベートも大切にできる方がマッチングするなと思っています。「忠実に作ることの面白さ」は入ってから感じることができると思いますので、誇張した表現はせずにまず社風(雰囲気)を伝えることに重きを置きましたね。


ーここまでしっかりと説明会の準備をされたことが、大きな成功要因ですね!職場見学では、どのようなことをされましたか?

高校での説明会から職場見学に来てくれた方には、説明会でお伝えしたことのイメージを実際に感じていただくことと質疑応答の時間をより多く取りました。一度説明会でしっかりと説明できているので、理解度が高くより深い質問があったと担当した社員が言っていましたね。
説明会をしていない高校からの応募の方には、職場見学時に、同じように資料や動画を使っての説明からさせていただきました。
職場見学では、1日の仕事の流れの説明を現場の社員にしてもらうようにオーダーしておりました。理由は、小難しい話よりもまず「自分が働くことがイメージできること」が一番だと考えていたからです。

ー応募状況はいかがでしたか?

3名の職場見学で、3名とも応募がありました。採用予定が2名でしたので、合否をつけるのはかなり悩みましたね。みなさん良かったので、3名とも採用したいとも考えましたが現社員とのバランスなども考慮して2名を選定させていただきました。

高卒採用の魅力
「注力ポイントに集中できる」「中小企業も計画しやすい」

ー高卒採用の魅力とは何でしょうか?

まず、大卒の採用活動は1年ずっと行わないといけない点が私たち中小企業にとってはハードルが高く難しいです。高卒採用は出来る事が限られている分、少ない余力で注力ポイントに集中できることが良いですね。
「1人1社制」についても賛否があるかと思いますが、企業側からするとメリットでもあるなと思います。大卒だと内定辞退のリスクが大きくあります。高卒採用は、辞退が基本ないので内定から採用までも計画が立てやすいです。
中小企業は、募集人数が少ないことも多いです。限られた募集枠の中で内定を出し、採用することができる。採用計画が立てやすい点は企業側のメリットです。
それに加え、高校生の「素直さ」「若さ」が魅力ですね。より若いうちから経験値や技術を蓄積できて、長く勤めていただける点も魅力を感じています。長く勤めていただくためのノウハウや、教育については実績としてもありますし定着率が良い点は弊社の強みとして自負しております。

定着率アップの取り組み「余裕をもって育てる」

ー定着率の良さは、御社の強みですよね。育成方法や心がけている点についても教えていただけますか?

まずは長く勤めることによって、技術力が上がっている成長の実感が感じられます。最初は試作品の練習から入ります。製品を扱うまでに3ヶ月か4ヶ月ほどは時間をかけて、腕を確実に磨いていただきます。技術の成果は1000分の1ミリ単位で細かく数値として出せるので、すごく分かりやすいです。
また給与へも早い段階で反映させるというところですね。高卒だから安く雇える、なんてことは一切考えておりませんしそのような考え方だと難しいと思っています。若いうちから、経験値や技術力を評価して育成していく事が重要です。
ステップアップを徐々にしていき、内容は詰め込みすぎず余力を持って育成することが良かったと思います。

定着については、実際に働いている社員が勤続年数が長い社員が多いので、先のイメージしやすいのだと感じております。
働きやすさ、環境の良さ(工場内の空調)と働く時間(残業は2時間以内、1年目はなし)などに取り組んでいて、結果としてワークバランスが良くなっていると感じます。取引先さんにも、「社内の雰囲気」をよく褒められますね。
職場見学に来た高校生からも「雰囲気が良さそう」との声も実際にありました。
説明会でもお話ししたのですが、弊社は決して人手不足ではないので即戦力は求めていません。ゆっくり育てていきます、とお話ししました。余裕を持って育てることができることこそ、定着の面で一番良いと考えております。

今後について「今のリーダー社員の後継者として育てていきたい」

ー入社後、期待していることはありますか?

今のリーダー社員の後継者として考えています。職場見学などで対応を担当したリーダー社員は17-18歳で入社し現在37歳。若手のトップとして、勤務してもらっています。製造業務以外のところも任せられる存在です。
新しく入社する2名にとっても良きロールモデル。彼らの後継者となってくれることに期待しております。
同期入社がいるのも新卒採用の良いところでもありますし、採用した2人も切磋琢磨し困ったときは相談しあえる関係性になれると良いなと思います。

「成功事例集」無料資料ダウンロード