【25卒】高校新卒採用に関する企業動向調査(2024年4月)を公開しました。
2024.05.30 ニュースリリース
【25卒】高校新卒採用に関する企業動向調査(2024年4月)
募集は増加傾向「増やす」「変わらない」「新たに始める・数年ぶり再開」96%。
若年層採用に向けて2年連続「初任給の賃上げ」を行う企業は44.5%。
株式会社ジンジブ(大阪府大阪市、代表取締役:佐々木満秀、証券コード:142A 以下「ジンジブ」)は、企業の高卒新卒採用担当者向けに6月からハローワークへの求人申込が始まる、2025年卒の高校生の新卒採用においての募集人員の増減や、初任給賃上げ、採用活動に関する計画を調査するアンケートを行いましたので結果をご報告いたします。
(調査期間:2024年4月25日~5月14日、有効回答数:507人、うち25卒の高卒採用実施予定は445人)
<調査結果サマリー>
- 2025年4月入社の「高卒社員の初任給の賃上げを行う予定」は53.5%と半数以上。
うち、31.9%が1万円以上の賃上げ、44.5%が2年連続の賃上げと回答。 - 高卒採用において、「残業時間の削減(49.7%)」や「職場環境の整備(48.8%)」と、働き方の見直しを新たに検討している企業が多い。
- 高卒の社会人のキャリアアップのため52.6%の企業が「資格取得の支援」に注力。
■アンケートの実施背景
厚生労働省の発表では、高校生の新卒採用の2024年3月卒の求人倍率は2023年9月末時点で3.79倍(前年同月比0.5ポイント増加)と、バブル時代を超える「売り手市場」となっています。(※1)少子高齢化に伴い、若年層の採用活動は日々困難になっています。このような背景から高校生の新卒の求人募集を増やし、選ばれるため「採用活動」「働き方」「教育」などを見直している企業も多数あります。
本調査では、企業の25卒に向けた高卒採用の採用意欲や、高卒の社会人がキャリアアップしていくための取り組みについて考察するため、企業の高卒の新卒採用担当者に対して25卒採用活動の計画と活動内容に関するアンケートを行いました。
※1 厚生労働省:令和5年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る 求人・求職状況」取りまとめ(9月末現在)001222963.pdf (mhlw.go.jp)
■調査概要
【調査期間】 1.2024年4月25日~5月14日
【調査方法】 1.メールによるアンケート回収 100名 2.インターネット調査法 407名
【調査対象】 企業の高卒の新卒採用ご担当者
【有効回答】 N=507人(うち25卒の高卒採用実施予定は445人)
<全アンケート結果>
25卒の採用意欲について
1.25卒の高卒採用を実施する理由を教えてください。※複数回答可(n=445)
2025年卒の高校生の新卒採用を実施する理由を聞いたところ、71.5%が「若手人材の層を厚くするため」と回答しました。
次に「人材不足のため(53.3%)」、「高卒採用が自社に合っているため(34.6%)」や、「多様な人材の採用活動を行いたいため(27%)」でした。上位4つは、24卒の同アンケート(2023年4月実施 ※2)と同じ順位でした。中でも「高卒採用が自社に合っている」の回答割合が5.3ポイント高まっています。高校生に注目して採用を行う企業が広がっていると言えそうです。
※2 ジンジブ:【24卒】高校新卒採用についての企業動向調査(2023年4月)
2.25卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数の増減はありますか。※複数回答可(n=445)
25卒の高校生の新卒採用計画について、昨年と比較して求人募集人数の増減について聞いたところ、「増やす(33.9%)」「変わらない(58.7%)」「新たに始める(2.5%)」「数年ぶりに再開する(0.9%)」が合計96%でした。
「求人を増やす・新たに始める・再開する」の回答割合が37.3%(24卒の同アンケートと比較し4.7ポイント増)で、「減らす」の回答割合は3.4%(24卒比3ポイント減)と増減の回答差は更に広がり、25卒においても求人数は増加すると予想できます。
3.25卒の高校新卒の採用計画にて昨年と比較し求人募集人数を「増やす」「変わらない」「新たに始める」「数年ぶりに再開する」理由を教えてください。※複数回答可(n=427)
問2で「増やす」「変わらない」「新たに始める」「数年ぶりに再開する」と答えた方に、その理由を聞いたところ、65.8%が「若手人材の採用に力を入れるため」と回答しました。次に「退職者の増加による人員確保のため(35.4%)」「2024年卒の採用で採用予定人数に対し充足しなかったため(27.2%)」という回答が多くありました。
また24卒の同アンケートと比較すると、「業績向上における事業拡大のため」の割合が28.8ポイント下がっています。
高卒採用の求人増加の背景には、人手不足や会社の若返りへの課題があると言えそうです。
4.ここ数年の高卒採用の採用課題を教えてください。※複数回答可(n=445)
ここ数年の高卒採用の課題について聞いたところ、43.8%が「高校生の数」と回答しました。次いで「先生との関係構築(36.4%)」や、「職場見学での魅力付け(33.5%)」「採用戦略(32.8%)」を課題として上げている企業が多く、高卒採用の特徴である、学校の紹介による就活が主流となっていることから、進路指導の先生にアプローチし信頼関係を構築することは引き続き重要なポイントとなります。
また「入社後の早期離職(33%)」にも課題感が大きいことがわかります。
5.課題を解決するために現在取り組んでいることについて教えてください。※複数回答可(n=414)
問4で質問した課題解決に対して、取り組んでいることを聞いたところ、「高校への訪問エリアを広げる(44.2%)」が最も多く、次いで「高校への訪問頻度を増やす(37%)」で、進路指導の先生との関係構築に向けて、多くの企業が学校を訪問していることがわかりました。
同時に「初任給の賃上げ(37%)」を始めとした求人条件の向上への取り組みも見られます。
高校新卒の求人条件について
6.2024年4月入社の高卒社員の初任給の賃上げは行いましたか?(n=435)
2024年4月に入社した高卒社員の初任給の賃上げを行ったか聞いたところ、65.5%が「行った」と回答し、24卒の同アンケートと比較し、8.8ポイント増加しました。
急激な物価上昇や、新卒採用競争の激化による賃上げなどが背景にあり、高卒の新卒採用においても多くの企業が賃上げを行ったと見られます。
7.24年入社の高卒社員は23年入社と比較していくら初任給を上げましたか?(n=285)
2024年入社の高卒社員と、2023年入社の高卒社員の初任給の賃上げの金額について聞いたところ、最も多い回答が「5,000円~9,999円(30.5%)」でした。3,000~15,000円の間の回答で65.2%を占め、1万円以上賃上げしたのは33.5%、1万5千円以上の回答は14.2%にのぼりました。
8.2025年4月に入社予定の高卒社員の初任給の賃上げは行う予定ですか?(n=445)
次に、2025年入社の高卒社員の初任給の賃上げを行うか聞いたところ、53.5%が「行う予定がある」と回答しました。
24年と25年の2年ともに初任給の賃上げを実施すると回答した採用担当者が全体の44.5%で、2024年入社の高卒社員に引き続き、2025年入社の高卒社員においても初任給の賃上げを実施する企業が多くなる傾向にあると言えそうです。
9.25卒の高卒採用では、24卒と比較していくら初任給を上げる予定ですか?(n=238)
さらに、2025年入社の高卒採用では、2024年と比較していくら初任給をあげる予定か聞いたところ、最も多い回答が「5,000円~9,999円(29.4%)」でした。
3,000~15,000円の間の回答は63.9%を占め、1万円以上の賃上げ予定という回答は31.9%、1万5千円以上の回答は15.5%にのぼりました。金額が未定の回答が7.6%ありますが、24年相当または、若干賃上げ金額が増加するのではないかと予測ができます。
10.高卒社員の初任給の賃上げを行う理由について教えてください。※複数回答可(n=238)
高卒社員の初任給の賃上げを行う理由について聞いたところ、「物価上昇に伴い社員の生活を支えるため(58.8%)」、次いで「高卒採用の応募を増やすため(54.6%)」「賃上げの機運に答えるため(47.9%)」「社員の定着のため(47.1%)」となりました。
近年の物価上昇の背景もありますが、同じくらい日本の労働人口減少に伴う若年層の人材確保と定着に向けた取り組みを理由として初任給の賃上げを実施する企業が多いと言えそうです。
11.25卒の高卒採用において、働き方の見直しを新たに考えていることはありますか? ※複数回答可(n=445)
2025年の高卒採用において、働き方の見直しを新たに考えていることについて聞いたところ、「残業時間の削減(49.7%)」次いで、「職場環境の整備(48.8%)」、「従業員の健康・モチベーション管理(40.4%)」「休暇取得の促進(38.7%)」となりました。
初任給以外に、勤務時間、働く環境、休日とバランス良く見直しを行うことで、会社の採用力の強化を図っていると言えそうです。
25卒の高卒採用活動の予定について
12.高卒採用で、誰に企業の魅力を知ってもらうことが重要だと感じていますか? ※複数回答(n=445)
高校生の採用活動において、誰に企業の魅力を知ってもらうことが重要かについて聞いたところ、最も多いのは「高校生(84.9%)」となりました。
次いで「先生(63.4%)」、「保護者(63.4%)」となり、就職あっせんを直接行う先生だけではなく、高校生の意思決定に影響を与える保護者からの理解も同じだけ重要があると考えている企業が多いことがわかりました。
13.25卒で先生に求人情報を伝える上で力を入れる活動を教えてください。※複数選択可(n=445)
2025年の高卒採用において、「先生」に求人情報を伝える上で力を入れる活動について聞いたところ、最も多い回答が「近隣の高校への訪問(67.9%)」、次いで「高校へ求人票の配送(51.5%)」「合同企業説明会などのイベント(42.7%)」という結果になりました。企業情報を伝えるために近隣の高校へ直接訪問するなど、企業側から積極的なアプローチが行われることが伺えます。また、「県外の高校への訪問(33.7%)」と3分の1が県外への訪問への力を入れると回答しています。
14.25卒に「先生向け」に強化する採用ツールを教えてください。※複数回答可(n=445)
2025年卒の高卒採用で、「先生向け」に強化する採用ツールについて聞いたところ、多い回答から「求人票(58.7%)」、次いで「会社のホームページ(54.8%)」や、「採用パンフレット(53.9%)」「会社の採用ページ(44.3%)」となりました。
「対面での説明(37.8%)」や問13での回答からも、先生向けには、初任給の賃上げ、勤務時間、職場環境やモチベーション維持の取り組みなどの採用力の向上策を、対面で説明するツールでのアピールに力を入れる予定だということが分かります。
15.25卒に「高校生向け」に強化する採用ツールを教えてください。※複数回答可(n=445)
2025年卒の「高校生向け」に強化する採用ツールについて聞いたところ、先生向けと同様に「求人票(52.4%)」が最も多く、次に「会社のホームページ(51.7%)」でした。
また、「採用動画(27.2%)」や「企業公式SNS(24.3%)」など高校生にとって関心が高いツールについては、24卒で使用したツールについてのアンケート(2023年11 月実施 ※3)の結果で、「採用動画(19.1%)」「企業公式SNS(17.6%)」だったことから、新たに計画する企業は増加傾向にあると読み取れます。
また自由回答では、SNSや動画やHPなどのWEBツールや、職場見学や説明会等の対面以外に、「職業体験を行うことで理解を深める」「先輩社員(24卒など)のインタビューや対面で話す機会を設ける」などの声がありました。
※3 ジンジブ:【24卒】高校新卒採用についての企業動向調査(2023年11月)
16.採用活動中にミスマッチを防ぐために取り組んでいることについて教えてください。※複数回答可(n=445)
採用活動中にミスマッチを防ぐ取り組みについて聞いたところ、最も多い回答は「職場見学などで働く現場を見てもらう(53.7%)」、次いで「良いところだけではなく大変な部分を伝える(48.1%)」となりました。入社前に、どんな環境でどんな人と働くのかを具体的にイメージしてもらうこと、また働く上での大変な部分をしっかり伝えることを意識している企業が多いことがわかります。
自由回答では、「会社や職場見学に来てもらうこと」や、「体験会を通して理解を深めること」、「先輩社員やOBと話せる機会などを設けて大変な部分も伝える」など、対面で丁寧に説明を行うといった回答が多くありました。
17.高卒の社会人がキャリアアップしていくための取り組みで近年始めた・見直したことについて教えてください。※複数回答可(n=445)
高卒社会人がキャリアアップしていくための取り組みで始めたことについて聞いたところ、半数以上の企業が「資格取得の支援(52.6%)」と回答しました。資格取得にかかる費用を会社負担することや、社内での教育などを行うことで、採用力の向上を狙っていることも同時に伺えます。
次いで「最終学歴を理由に差をつけない昇格・昇給制度(34.6%)」と回答した企業も多く、学歴ではなくその人にあったスキルでキャリアを目指せる制度の見直しを行っている企業もあると言えそうです。
18.高卒社員の社会人生活のスタートをフォローするために取り組んでいることがあれば教えてください。※複数回答可(n=445)
高卒社員の社会人生活のスタートをフォローする取り組みについて聞いたところ、最も多い回答は「職場環境の整備(51.9%)でした。次いで「個人面談の実施(41.8%)」「社会人の基礎研修の拡充(37.3%)」「住宅補助の支給(35.3%)」という結果になりました。
その他には、保護者向けの説明会の実施や、生活費の補助などの回答がありました。
<アンケート結果からわかること>
●25年卒の高卒採用意欲について
本アンケート調査によると、2025年卒の高卒採用求人では募集人数を「増やす」「変わらない」「新たに始める・数年ぶりに再開」と回答した採用担当者は96%でした。24年卒の同アンケート(2023年4月実施)では88.5%で7.5ポイント増加しました。2025年卒においても引き続き、企業の高卒採用の意欲が高まっており、求人数は増加傾向にあると予測できます。
また、高卒採用を行う理由として「若手人材の採用に力を入れるため」や「高卒人材が自社に合っていると感じたため」という回答が多く、人手不足の解消だけではなく、採用戦略上、高卒採用の求人を増やす企業が高まっていることが伺えます。
●高校新卒の求人条件について
2025年卒の初任給の賃上げを行う予定と回答した採用担当者は53.5%でした。また2年連続で実施するのは44.5%と半数近く見受けられました。高卒採用においても初任給の賃上げを検討する企業は増えていると言えます。
高卒の新卒者の初任給の全国平均は186.8千円(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査」より)です。背景には物価上昇に加え、若手採用が困難になる中、貴重な若手人材として注目を集める高卒採用において、戦略的に初任給の賃上げを検討する企業は今後も増加することが予測されます。
初任給の賃上げだけではなく、職場環境や勤務時間、休暇などの労働条件の見直しや、高卒の社会人がキャリアアップしていくための「資格取得の支援」や、「最終学歴を理由に差をつけない昇格・昇給制度」の見直しなど会社の採用力の底上げが見受けられます。
●25年卒の採用活動の予定について
2025年卒の高卒採用で強化する採用ツールについて「先生向け」「高校生向け」それぞれ聞いたところ、「先生向け」に関しては「求人票(58.7%)」が最も多い結果でした。次に「会社のホームページ(54.8%)」と文字だけの求人票だけではなく、自社のホームページや採用サイトを充実させることで、進路指導の先生と高校生が情報共有をしやすくする動きが見られます。また、「対面での説明」も37.8%と多いことから、先生への情報発信は対面で会うことに注力しているようです。
「高校生向け」に関しても、「求人票(52.4%)」と最も多い回答でした。高校生が自ら見て、企業研究ができるような、動画コンテンツやSNSなど高校生が活用しやすいツールへの強化も見受けられます。
さらに、「高校での授業・校内説明会(26.1%)」も多いことから、文字情報のみの求人票や、動画だけでは、伝えきれない会社の雰囲気や一緒に働く「人」などの情報は積極的に会って発信する予定の企業が増えており、何か1手に限らず、複数を組み合わせた活動が増えています。
以上のことから、25卒の高卒採用の機運はますます高まりを見せると言えそうです。
採用成功のために、初任給の賃上げをはじめ、職場環境や勤務時間、休暇などの労働条件の見直しがなされています。先生に向けた紹介だけではなく、高校生の関心の高いツールの準備や、直接話す機会を設け、高校生に会社の魅力や仕事のやりがい、大変さなど伝えていく工夫などが高まっています。企業自身の採用力を高め、何か1手だけではなく、高校生本人、保護者へ魅力付けるツールを複数組み合わせる傾向が見られます。
また入社後には、資格支援、面談実施などモチベーション維持の取り組みにより、採用課題の一つである早期離職への対策や若手活躍に対しての取り組みも増えていくと言えそうです。
<回答者属性>
■ 株式会社ジンジブについて
会社名:株式会社ジンジブ
代表取締役:佐々木 満秀(ささき みつひで)
本社所在地:大阪府大阪市中央区南本町2-6-12 サンマリオンタワー14階
拠点:大阪本社・東京・福岡・名古屋・仙台・広島・新潟・岡山・熊本・静岡
設立:2015年3月23日(グループ創業1998年9月1日)
資本金:301,262,500円(2024年4月末現在)
株式情報:東京証券取引所 グロース市場(証券コード:142A)
HP:https://jinjib.co.jp/
ジンジブは「高卒」の若者のための社会課題解決企業です。
同じく「高卒社長」である佐々木が、「夢は、18才から始まる。」をスローガンに掲げて事業をはじめました。高校生のキャリア教育や、就活の情報提供、就職後の定着やスキルアップやキャリア形成、転職時の情報提供やサポートを行います。
取材に関するお問合せ
株式会社ジンジブ 広報
佐藤(TEL 070-1686-0594)
杉尾(TEL 090-6568-5707)
E-mail:pr@jinjib.co.jp