子どもの塾や習い事は助成金が貰えます!条件や注意点を詳しく解説
2025.04.02 中学生教育PR

子どもに習い事をさせたいと考える親御さんは多いです。将来に役立つ知識や技術が身に着くだけでなく、コミュニケーションを図ることで多くの仲間に巡り合える可能性があるからです。もしかしたら将来の夢が見つかるかもしれません。
しかし、習い事を続けるにはお金がかかります。そこでおすすめなのが、習い事に対して実施している助成事業を利用することです。各地域で助成内容・条件は異なりますが、この記事では『大阪市習い事・塾代助成事業』について詳しく解説していきます。
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大阪市習い事・塾代助成事業とは
大阪市習い事・塾代助成事業とは、子育て世代の経済的負担を軽減するために大阪市が実施している助成事業です。子どもたちの学力・学習意欲・個性・才能を伸ばす機会を平等に提供できるよう、家庭状況問わず学校外教育に発生する費用を助成してくれます。
対象者1人当たり月額10,000円が上限(1円単位で利用可能)
【利用期間】
令和7年度(令和7年4月~令和8年3月分)で利用した学校外教育サービス
【注意事項】
本事業を利用するためには「大阪市習い事・塾代助成カード」が必要ですが、第三者との交換・売買・譲渡などは禁止行為となっています。
助成金対象者
助成金対象者と認定されるためには、以下の条件をクリアする必要があります。
大阪市内に在住していても、お子さまが小学1年~小学4年生であれば対象外となります。注意点としては、「令和7年度の時点で在学している方」という条件があることです。令和8年度以降になると、条件が変わる可能性があるため確認必須です。
そして、里親・児童福祉施設などの措置や委託されている中学生に対しては、一部対象外になる可能性があります。因みに、養育者自身が大阪市内に居住している必要はないです。対象となるお子さまが大阪市内に在住していれば問題ありません。
2024年10月から所得制限が撤廃
2024年9月分までは所得制限が以下のように適用されていました。
扶養親族などの数 | 所得制限限度額 |
---|---|
0人 | 3,220,000円 |
1人 | 3,600,000円 |
2人 | 3,980,000円 |
3人 | 4,360,000円 |
4人 | 4,740,000円 |
5人 | 5,120,000円 |
6人以上 | 1人増えるごとに38万円加算 |
しかし、2024年10月からはこの所得制限が撤廃されました。そのため、「これまでは所得が多かったから申請できなかった…」という家庭でも、対象者に認定されれば申請できるようになったのです。その他にも、2024年には以下のような変更点があります。
- 所得制限の撤廃
- 所得証明書の提出
- オンライン申請がスタート
- 通信教育が対象になった
所得証明書の発行が必要ないため、申請手続きがスムーズになっています。それに加えて、オンライン申請もスタートしたことから手続き全般が簡略化したと言えるでしょう。通信教育も助成対象となりましたので、忘れず申請するようにしましょう(※詳しくは後述)。
習い事・塾代助成金の申請方法
ここからは、習い事・塾代助成金の申請方法の流れを解説していきます。お子さまが小学5年生になるタイミングで、「大阪市習い事・塾代助成事業のお知らせ」が届きますので、それが届いた前提で進めていきます。
①:カードと申請書類が届く
まず始めに、申請するのに必要な書類(封筒)が大阪市から自宅に届きます。黄色の封筒には「大阪市習い事・塾代助成カード」が入っており、水色の封筒には「オンライン申請用パスワード」が記載されている案内が封入されています。
②:申請をする(オンライン申請か郵送)
カードを使用するには、必ず「事前に利用登録申請すること」が求められます。郵送またはオンラインにて申請できるのですが、基本的にはオンライン申請が便利でおすすめです。ただし、郵送のみでしか申請できないケースもありますので、そちらも事前に確認しておきましょう(詳しくは後述)。
- 「申請のご案内」に記載されているQRコードを読み取る
- オンライン申請ページへ移行する
- カードに記載されている「利用者コード」を入力する
- 申請のご案内に記載されている「オンライン申請用パスワード」を入力する
- 残った必要事項を入力し終えたらオンライン申請は完了です
※オンライン申請ができないケース
以下に該当する方は、オンライン申請ではなく郵送による申請が必要になります。紙の申請書は公式ホームページから印刷することができますが、もしプリンターがない場合は運営事務局に連絡して申請書を送ってもらいましょう。
- 申請前にカードと申請書類がご自宅に届いていない方(市外より転入された方)
- 申請者が児童・生徒と別居している
- 申請者が大阪市外に居住している
- 申請者の居住地と住民票の住所が相違している
- 申請者が里親もしくは施設長である
- 児童・生徒の在籍学年が年齢から算出される学年と異なる
別途提出書類が必要なケース
基本的にはオンラインで申請書を提出すれば問題ありませんが、以下のようなケースに限っては追加で提出書類が必要になります。
ケース | 必要書類 |
---|---|
申請者が児童・生徒の父母であり、児童・生徒と別居している場合 | ・大阪市習い事・塾代助成事業の受給資格に係る監護・生計関係申立書 ・申請者の本人確認書類の写し ※申請者が居住地が大阪市でない場合
|
・申請者の居住地が大阪市外の場合 ・申請者の居住地が住民票と異なる場合 |
・該当者の本人確認書類の写し ・本人確認書類貼付用紙 ・大阪市習い事・塾代助成の受給資格に係る申立書 ※本人確認書類と現住所が異なる場合
|
・申請者が里親もしくは施設長の場合 | ・大阪市習い事・塾代助成事業の受給資格に係る申立書(里親・施設入所等) |
・児童・生徒が年齢に応じた学年とは異なる学年に編入している場合 | ・児童・生徒の「学生証」の写し、もしくは「在学証明書」 ・本人確認書類貼付用紙 |
表に記載したのは一部であり、実際はさらに細かく決められています。必要書類も集めやすいものばかりですので、まずは自分の生活環境で当てはまりそうなものがないか確認してみましょう。
③:パスワードが届く
塾代助成の申請を行うと、通常であれば約2ヶ月後くらいに「大阪市習い事・塾代助成カード利用登録済決定通知書兼利用パスワード通知書」がピンクの封筒で届きます。その中に利用パスワードが記載されていますので、紛失しないよう保管しておきましょう。他の人にバレないようにするのも大事です。
もし塾代助成の申請を行ったのにパスワード通知書が届かない場合は、ログインページから申請状況を確認することができます。ログインするには、「利用者コード」と「オンライン申請用パスワード」が必要です。それでも分からない場合は、直接問い合わせてみると良いでしょう。
④:習い事の教室に提示する
専用ホームページのメニューにある「教室マップから探す」や「教室等検索」から、通いたい教室を探してみましょう。もし見つかったら連絡し、「カード」と「利用パスワード」の2つを利用することを教室に伝え、カードも提示するようにします。利用パスワードは申請後に届くことも伝えておきましょう。
申請期限について
「使いたいタイミングになったら申請する…」という制度ではなく、事前に申請しておかなくてはいけません。郵送の他にスマホなどからオンライン申請もできますが、資格審査の結果通知には約2ヶ月ほどかかることも覚えておきましょう。
申請期限と結果通知の日程(2025年度)
申請期限(必着) | 結果通知&パスワード送付 | 利用開始月 |
---|---|---|
令和7年1月20日(月) | 令和7年3月末頃 | 令和7年4月 |
令和7年2月28日(金) | 令和7年4月下旬頃 | 令和7年5月 |
令和7年3月31日(月) | 令和7年5月下旬頃 | 令和7年6月 |
令和7年4月30日(水) | 令和7年6月下旬頃 | 令和7年7月 |
令和7年5月30日(金) | 令和7年7月下旬頃 | 令和7年8月 |
令和7年6月30日(月) | 令和7年8月下旬頃 | 令和7年9月 |
令和7年7月31日(木) | 令和7年9月下旬頃 | 令和7年10月 |
令和7年8月29日(金) | 令和7年10月下旬頃 | 令和7年11月 |
令和7年9月30日(火) | 令和7年11月下旬頃 | 令和7年12月 |
令和7年10月31日(金) | 令和7年12月下旬頃 | 令和8年1月 |
令和7年11月28日(金) | 令和8年1月下旬頃 | 令和8年2月 |
令和7年12月19日(金) | 令和8年2月下旬頃 | 令和8年3月 |
目安として申請期限は「月末付近」、結果通知は「毎月下旬頃」となっています。1月や12月は申請期限が早かったりしますので、必ず事前に確認しておきましょう。郵送の場合は、必着という点も忘れてはいけません(持ち込み窓口はない)。
通信講座やオンライン塾でも利用できる?
ここからは、どういった習い事に利用できるのか解説していきます。「通信講座やオンライン塾といったオンラインに特化したサービスにも使えるのか」といった点についても見ていきましょう。
専用ページには、以下のような記載があります。
- 集団または個別に補習、進学指導等の学習指導を行うプログラム
- 文化活動またはスポーツ活動の練習、稽古等の指導を行うプログラムで、小学校・中学校の学習指導要領で取り扱われている種目・分野に関するもの及びそれに準じると大阪市が認めるもの
学習できるサービスの種類について(一例)
文化活動 | 音楽・美術・書写・調理・手芸・工作・そろばん・プログラミング |
---|---|
スポーツ活動 | 器械運動・陸上競技・水泳・球技(野球・サッカー・バスケ・バレーなど)・武道・ダンス |
学習支援 | 学習塾(集団指導・個別指導)・家庭教師・補習教室・進学指導 |
利用できるサービスを簡単にまとめてみました。小学生~中学生が利用する習い事のほとんどが対象となり、学習支援に関しても助成金の対象です。ただし、利用できるサービスと範囲は異なります。例えば、野球教室に関することであっても、すべての料金に助成金を使えるわけではありません。
利用できる範囲について
項目 | 利用例 |
---|---|
初期費用 | 入会金・入学金・入塾料・入塾テスト代など |
受講料や月謝 | 〇月分の月謝など |
受験料や試験料 | 学習塾で実施される学力テストや模擬試験など |
通信費用 | インターネットを用いて授業やレッスンを受ける際、参画事業者に支払う通信料など |
教材や教具、道具 | 学習塾などの授業で使用するテキストや、ピアノレッスンで使用する楽譜など |
制服やユニフォーム | 参画事業者から購入した制服やユニフォームなど |
このように、利用できる範囲は決められているのです。これらを元に、オンライン塾や通信講座に助成金を使う場合、どの範囲まで使えるのか見ていきましょう。
オンライン塾や通信講座で支払えるもの
- オンライン塾へ入会する際に支払う初期費用(入会金・入塾金など)
- オンライン塾に毎月支払う月謝
- オンライン塾から購入した教材(テキストや問題演習など)
- オンライン塾で実施される学力テストの受験料
- オンライン授業を受講するために必要な参画事業者に支払う通信料
通信講座に関しても似たような感じです。初期費用や月謝などは分かりやすいですね。とくに月謝に関しては毎月支払いますので、助成金があれば経済的負担を抑えることができます。定期的に実施される学力テストなどの受験料にも利用できるため、積極的に参加することができますね。
勘違いしやすいのが、授業などに使用する教材についてです。オンライン塾や通信講座から購入したものであれば対象となりますが、本屋や他の業者から購入したものは対象になりません。オンライン塾や通信講座はタブレットを利用することが多いですが、家電量販店などで購入したものは対象とならないため注意しましょう。
助成金で支払いできないもの
- インターネット利用のために支払う「プロバイダ料金」「パケット料金」
- 文房具店や書店で購入する「教材」
- スポーツ用品店で購入した「道具」や「ユニフォーム」
- 家電量販店で購入した「タブレット端末」
- 「高校生を対象とした」プログラムの費用
助成金で支払えないものを簡単にまとめると、「参画事業者以外に支払うものは助成金の対象外」といった感じです。例えば、同じ通信料だったとしても参画事業者に支払うものであれば対象になる一方、プロバイダに支払う通信料は対象外となってしまいます。
その他にも、スポーツ用品店や家電量販店、文房具店などで購入したものに関しては助成金の対象外です。たとえ、それらが習い事に必要なものだったとしてもです。このように、参画事業者に対して支払うもの以外は基本的に助成金の対象外になると覚えておきましょう。
助成カードを利用する際の注意点
助成カードを利用する際には、以下のようなことに注意しましょう。もし規約を破ってしまうと、助成金を受取る権利がなくなる可能性が高いです。
- 毎月助成カードの提示が必要
- 毎年パスワードの変更が必要
- 毎月継続申請をしなければならない
- 資格審査に約2ヶ月かかる
同じ参画事業者に助成カードを使うことはできますが、「毎月継続申請(助成カードの提示)」が必要になります。一度利用したら自動的に助成されるわけではありませんので、毎月忘れずに申請しましょう。この申請忘れが最も多いトラブルです。
利用パスワードは1年に1回更新される点も覚えておきましょう。更新時期になると「パスワード変更通知書」が届きますので、そこからパスワードを更新すれば問題ありません。この更新が遅くなってしまってもカードが利用できなくなってしまいます。
申請をしてすぐにカードを使えるわけではありません。申請してから資格審査に合格するまでに約2ヶ月ほどかかるとされています。そのため、もし利用先がまだ決まっていない状態でも申請だけはしておくことが重要です。紙の申請書の場合は必着となっています。
大阪市習い事・塾助成金でよくある質問
最後に、大阪市習い事・塾助成金に関してよく挙げられる質問についてQ&Aで解説していきます。
Q.利用しなかった分を翌月以降に持ち越しできる?
「今月は3,000円分しか使っていないから、来月に残った7,000円分を持ち越したい!」と思う人もいるかもしれませんが、残念ながら利用しなかった分を翌月以降に持ち越すことはできません。もし損した感を減らしたい場合は、できるだけ10,000円に近付けられるように調整してみましょう。
Q.月謝以外にも利用できる?
利用できます。例えば、以下のようなものがあります。
- 入会金や入塾代といった初期費用
- 学習塾で行う学力試験や模擬試験の受験料
- 参画事業者に支払う通信料やパケット料金
- 学習塾から購入したテキスト教材など
基本的には「参画事業者に支払うもの」であれば利用できる可能性が高い、と覚えておけば分かりやすいと思います。
Q.2ヵ所以上の教室・習い事で利用することはできる?
利用することは可能です。ただし、いくつか注意点があります。
・各参画事業者に対して利用金額を伝える必要がある
利用金額は「2ヵ所合わせて10,000円まで」です。例えば、A教室で7,000円を支払ったのであれば、B教室では3,000円までしか利用できないということです。
・各参画事業者に対してカードの提示が必要
2ヵ所目の参画事業者に対してカードの提示を忘れる方がいます。両方とも提示が必要ですので、忘れずに持って行きましょう。
・一定期間カードが使用できないこともある
複数の参画事業者に対してカードを利用する場合、先に利用した参画事業者によっては「利用後一定期間カードが利用できない」という事態になる可能性があります。
Q.カードを紛失した場合はどうすればいいですか?
もしカードを紛失した場合は、再交付の手続きをしなくてはいけません。
- 運営事務局にカードを紛失した旨を伝える
- 「大阪市習い事・塾代助成カード再交付申請書」を提出する
- 運営事務局が内容を確認し、問題なければ再交付手続きを進める
再交付申請書は専用ホームページからダウンロードするか、運営事務局へ郵送希望を出すようにしましょう。手続きが完了するまでには、約7日程度の期間がかかります。再交付手続き期間中は「参画事業者への申し込み」と「カードによる支払い」ができません。そのため、紛失したのに気付いたらすぐにでも再交付申請をするようにしましょう。
Q.申請した住所や電話番号が変更した場合どのような手続きが必要ですか?
申請した住所や電話番号などが変更になった場合、「異動届」の提出が必要になります。
- 運営事務局に申請した内容に変更がある旨を伝える
- 「大阪市習い事・塾代助成カード交付申請内容異動届」を提出する
- 運営事務局が確認して問題なければ変更される
異動届は専用ホームページからダウンロードするか、運営事務局へ郵送希望を出すようにしましょう。ただし、「申請者の変更・申請者と利用者が別居になった」のような状況になった場合は、別途書類の提出が求められる場合もあります。
Q.長期講習に対して利用できますか?
夏期講習・冬期講習での利用もできます。利用方法と注意点について軽く触れておきましょう。
7・8月分の夏期講習:7月から8月までの2ヶ月間を合わせて20,000円まで利用可能
12・1月の冬期講習:12月から1月までの2ヶ月間を合わせて20,000円まで利用可能
注意点として、カード交付タイミングによっては1ヶ月分(10,000円分)までしか利用できません。例えば、1月からカードが交付された場合、1月分のサービスにしか適用されないです。
12月・1月分と合わせての費用には適用できませんので、もし2ヶ月分の講習に適用させたい場合は7月・12月での交付に間に合うよう申請しましょう。