FP3級は独学でも合格できる!難易度や勉強時間、FP2級から受検する方法を解説
2024.12.04 資格に関するコラムPR
金融資格として高い知名度を誇り、多くの受験者がいる資格と言えばFP(ファイナンシャルプランナー)です。FP3級は入門編というイメージが強いですが、実際にどのレベルの試験になるのでしょうか。
この記事では、FP3級がどのような資格なのか、2級とはどのような違いがあるのか知ることができます。全体の合格率や「独学でも合格できるのか?」という疑問に関しても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
FP3級とFP2級の違い
まずは、FP3級とFP2級にはどのような違いがあるのか解説していきます。自分がどっちを取得すべきなのかの参考になれば幸いです。
2級は受験資格に条件がある
2級試験:受験資格あり
3級に受験資格は設定されていないため、誰でも受験することができます。学歴・年齢・性別など問われないため、受験のハードルが低いのが3級の良い点と言えるでしょう。
その一方で、2級試験を受けるためには以下の条件のうち、どれか1つをクリアする必要があります。
- FP3級試験に合格した者
- ファイナンシャルの実務経験が2年以上ある方
- AFP認定研修(基礎課程)の受講を修了した者
2級を合格したい方におすすめなのは、FP3級に合格して受験資格を満たす方法です。FPの基礎を学ぶことができますし、合格した流れで2級試験の勉強を始められるからです。通信講座でも、3級→2級のセットコースが用意されていることもあります。
試験範囲・科目が違う
FP3級では、主に「個人資産に対する相談業務に必要な知識が身に着いているか」という点が注目されます。FP2級では、3級の試験範囲に加えて「中小企業に対する資産運用や相談業務に必要な知識が身に着いているか」という点が加えられています。つまり、より専門的な知識を求められるのです。
とくに技能試験では大きな違いがあります。3級は日本FP協会であれば1科目、きんざいであれば2科目の中から1科目選ぶことになります。しかし、2級になると日本FP協会は1科目で同じですが、きんざいになると4科目の中から1科目を選ぶ必要があるのです。
試験の解答方法が違う
FP3級試験の場合、ファイナンシャル・プラン二ングに関する基礎知識が身に着いているかを問われます。解答方式は「〇×方式」か、「三問択一式」です。つまり、単純な1/2か1/3となっています。もし出題内容と答えが分からなくても、勘で当てられる可能性が高いのです。
一方のFP2級試験の場合は、出題内容が広がっているため覚えるべき基礎知識量も増えています。それに加えて、解答方式が「四問択一式」になっているのです。単純な確率は1/4ですので、分からなくても25%で当てることはできます。そう考えると、如何に3級の解答方式が易しいか分かります。
さらに、記述式試験では計算を行った上で正しい数字を記述しなくてはいけません。どういった計算方法を用いるのかの「基礎知識」と、ミスのない計算をする「計算力」の両方が試されます。学科試験よりも解答後の見直しが重要な試験内容と言えるでしょう。
合格難易度が違う
FP2級とFP3級では、試験の合格率に大きな差があります。FP2級は約50~60%前後となっていますが、FP3級に至っては80%以上で推移しているのです。日本FP協会の試験を受けるか、きんざいの試験を受けるかで合格率にも違いがありますが、FP3級試験は総じて合格率が高くなっています。
合格難易度で比較するなら3級試験は「比較的簡単」、2級は「普通」くらいの感じになるでしょう。勉強時間も3級が100時間あれば十分なのに対して、2級だと200時間前後は必要とされています。
就職・転職に有利なのは2級
3級と2級を比較した場合、当然ですが2級の方が就職・転職に有利となっています。
ただ、その差は思っている以上に大きいです。ファイナンシャルプランナー3級の場合、履歴書には書けるくらいと思っておきましょう。
2級になると、「金融関連の高度な知識を有しており、即戦力としても期待できる」という評価を企業から得やすくなります。募集要項などにも「FP2級以上歓迎」と書かれていることもあります。
私生活に役立つのがFP3級、仕事に役立つのがFP2級のようなイメージで覚えておきましょう。
FP3級の難易度や必要な勉強時間
ファイナンシャルプランナー3級の合格難易度や必要となる勉強時間を順に解説します。
FP3級の合格率
FP3級試験の合格率は、それぞれ以下のようになっています。
FP協会 | ||
---|---|---|
試験実施日 | 学科試験合格率 | 実技試験合格率 |
2024年1月 | 83.14% | 86.56% |
2023年9月 | 74.78% | 77.67% |
2023年5月 | 88.25% | 86.83% |
2023年1月 | 85.25% | 88.34% |
2022年9月 | 80.78% | 84.44% |
きんざい | ||
2024年5月 | 52.55% | 47.74% |
2024年1月 | 46.40% | 48.61% |
2023年9月 | 37.19% | 57.87% |
2023年5月 | 54.13% | 59.80% |
2023年1月 | 56.00% | 50.95% |
日本FP協会が実施している試験の平均合格率は、学科試験が80~85%、実技試験が85%前後。100人受験したら85人近くが平均して合格すると考えたら、FP3級試験の難易度はそこまで高くないように感じます。
しかし、きんざいが実施している試験の平均合格率は学科試験が40~55%、実技試験が50~60%くらいで推移しています。FP協会と比較して20%以上低いという結果ですが、これには受験する方のレベルに違いがあるからです。
実は、きんざいが実施している試験には個人だけでなく団体での申込みが多くいます。つまり、「FP3級が欲しいわけではない」というモチベーションの方がそれなりの割合でいるということです。そのため、きんざいの方が合格率は低くなっているのです。
FP3級合格に必要な勉強時間
合格率が高いのには、出題範囲が狭いという部分が関係しています。FP3級試験に合格するためにはどのくらいの勉強時間が必要なのか見てみましょう。
- FP3級:約30~100時間
- FP2級:約200~300時間
- FP1級:約450~600時間
FP3級の勉強時間は約30~100時間が目安となっています。仮に1日3時間勉強したら10日~1ヶ月ほどで合格を目指せるほどの知識を身に着けられるということです。初学者でも安心して始められるのが、FP3級試験のメリットとも言えるでしょう。
FP試験全体で比較した場合、3級は2級の半分以下、1級の1/5以下の勉強時間となっています。もちろん、まったく勉強せずに取得できるような資格ではありません。基礎をしっかりと身に着け、過去問を繰り返し解くことで高い確率で合格することができるでしょう。
FP3級の試験概要
ここからは、FP3級試験の概要について解説していきます。
ファイナンシャルプランナー3級の試験日程(CBT方式)
試験月 | 試験日 | 合格発表日 |
---|---|---|
2024年12月 | 2024年12月1日~2024年12月26日 | 2025年1月17日 |
2025年1月 | 2025年1月7日~2025年1月31日 | 2025年2月4日 |
2025年2月 | 2025年2月1日~2025年2月28日 | 2025年3月14日 |
FP3級試験は、CBT方式(ネット試験)です。従来の紙ベースによる試験ではなく、パソコンを用いて解答を行います。
そのため、試験日が決められていた従来の試験とは異なり、基本的にはいつでも受験を行うことが可能です。ただし、年末年始のような長期休暇には行われない可能性もあります。
申込み日も試験3日前までとなっていますので、自分の実力に自信が持ててから申し込んでも問題ありません。他の資格試験にありがちな「試験日から逆算して学習スケジュールを組み立てる」といった作業がいらないため、独学でもストレスなく勉強することができます。
学科試験の詳細
出題形式 | マークシート方式 |
---|---|
試験科目 | ・資金計画 ・保険 ・投資 ・税金 ・不動産取引 |
合格基準 | 60点満点中36点以上 |
試験日 | 休止期間以外であればいつでも |
試験時間 | 120分 |
FP3級の学科試験は、マークシート方式で実施されます。内訳としては、〇×方式が30問、三問択一式が30問の計60問です。他の資格試験のマークシート方式とは異なり、1/2もしくは1/3で答えを当てられますので、消去法などを用いれば高得点を出すことができます。
試験科目を大まかに解説すると表のようになりますが、各科目で内容は細かく分類されています。範囲自体は広いですが、求められる知識は基礎レベルです。しっかりと基礎知識を身に着けておけば、合格基準に達することは難しいことではありません。
合格基準は正答率60%以上。60点満点中36点以上取れれば合格となります。絶対評価の試験ですので、合格基準さえ満たせば合格です。試験内容自体は比較的簡単ですが、試験時間が120分と長めなので集中力を切らさず、しっかりと見直すようにしましょう。
実技試験の詳細
実施団体 | 日本FP協会 | きんざい(金融財政事情研究会) |
---|---|---|
出題形式 | マークシート方式 | マークシート方式 |
合格基準 | 50点満点中30点以上 | 100点満点中60点以上 |
試験日 | 休止期間以外であればいつでも | 休止期間以外であればいつでも |
試験時間 | 60分 | 60分 |
実技試験も「マークシート方式」で実施されます。三問択一式ですので、消去法という形でも答えを導きだすことが可能です。内容も独学で十分に対策できるレベルとなっています。注意点は、日本FP協会ときんざいで出題している範囲が異なるという点でしょう。
日本FP協会:資産設計提案業務
きんざい:個人資産相談業務、保険顧客資産相談業務
基本的には合格率が高く、出版しているテキストも多い「資産設計提案業務」がおすすめです。試験範囲こそ広いですが、求められる知識自体はそこまで深くありません。どちらを選択すべきかに関しては、後述していますのでそちらを参考にしてみてください。
合格基準は、どちらも「60%以上の正答率」となっています。ただし、日本FP協会が50点満点なのに対して、きんざいは100点満点です。総合点に2倍の差がありますので、合格基準点にも2倍の差があることは覚えておきましょう。
日本FP協会かきんざい、どっちを受けるべき?
基本的には「日本FP協会」での受験をおすすめします。純粋に合格率が高いというのもありますが、その他にも以下のような理由があるからです。
①:日本FP協会の試験に対応した教材が多い
多くの受験者が日本FP協会の「資産設計提案業務」を選択しているため、出版社もそれに対応したテキストを用意しています。種類が多いということは、それだけ自分のレベルや理解度に合ったテキストを選びやすいということです。
ちなみに、きんざいに対応したテキストもあるにはあります。ただ、きんざいのテキストは「きんざいが発刊している公式テキスト」であり、人によっては簡潔すぎて物足りないと感じることもあるようです。独学だと少し難しいかもしれませんね。
②:試験対策が楽
日本FP協会の資産設計提案業務では、毎回同じ形式で出題される傾向にあります。例えば、穴埋めの場所が変わっているだけ、記載されている数値が異なっているだけ、といった感じです。内容はあまり変わりませんので、過去問をこなすだけで対策できるのです。
評価はどちらでも変わらない
日本FP協会で取得した3級も、きんさいで取得した3級も企業側からの評価に差はほとんどありません。どちらでもれっきとした3級ファイナンシャルプランニング技能士として認められますし、日本FP協会だからといって就職・転職に有利ということにはなりにくいです。
ただし、就職・転職を目指している業界・職場によっては差が出るケースもあります。例えば、保険のセールスマンに特化している業界・職場だった場合は、きんざいの保険顧客資産相談業務で合格した方を優先するような感じです。
FP3級は独学でも合格を狙える
ここまでFP3級試験の合格率や試験範囲・試験内容について解説してきましたが、総合的に考えてFP3級は「独学でも合格できる資格」と考えられます。
通信講座の中には合格率100%を誇っているところもありますので、もし独学だと不安だと感じる方は検討してみると良いでしょう。
FP3級を独学で挑むときのポイント
FP3級試験なら独学で頑張ってみたいという方のために、独学合格するためのコツやノウハウについて解説します。
- テキスト選びは慎重に行う
- 問題集な最低でも3周するようにする
- テキストは1冊に抑えるようにする
- CBT方式の練習も忘れずしておく
独学で最も重要なのが、勉強に使用するテキスト選びです。
FP3級はメジャーな資格なため、テキスト自体は多くの出版社が発行しています。種類が多いというのは大きなメリットですが、逆にテキスト選びをミスってしまう、迷ってしまうというデメリットもあるのです。
おすすめの厳選方法としては、「自分の知識レベルに合っているか」「読みやすい・理解しやすいか」「イラストや図解などで解説しているか」という点に注目してみましょう。問題集・過去問集を購入する際には、答えだけでなくミニ解説が付いているものがおすすめです。
そして、購入するテキストは1冊に抑えましょう。それだけコストが抑えられますし、FP3級の試験範囲であれば1冊でも十分だからです。問題集・過去問集も多く購入するより、1冊を何周も繰り返し解答することで出題傾向に慣れる方が重要です。
実は、FP2級からでも受験できる
FP2級試験には受験資格が必要なため、3級合格によって受験資格を得るケースが多いですが、受験者の中には「3級試験を挟むのが時間の無駄に感じてしまう」という方や「就職・転職活動に使いたいから2級だけ欲しい」という方もいます。
そのような方におすすめなのが「AFP認定研修」を受講する方法です。この研修を受講して修了することで、FP2級試験を受けることができます。研修内容も2級の範囲となっていますので、勉強しながら受験資格を取得することができるのです。
AFP認定研修のある通信講座で学ぶのもおすすめ
AFP認定研修を対象とした通信講座を活用することで受験資格を得られるだけでなく、FP2級試験対策も同時に行うことができます。受講料はかかってしまいますが、教材や講義の品質も高いですし、サポート制度も充実しているため初学者でも安心です。