弁理士の通信講座おすすめランキング6選|短期合格を目指す人向けの講座選び

2024.11.13 通信講座の比較PR

弁理士の通信講座おすすめランキング6選|短期合格を目指す人向けの講座選び

知的財産に関する知識を活かし、さまざまな場面で活躍が見込まれるのが弁理士です。需要が高まっている一方で、「弁理士って法律を扱うから難しそう…」「本当に知識0からでも合格を目指せるの?」と疑問に感じている人も多いと思います。

この記事を読めば、弁理士試験の概要や合格率、それらを総合的に見て感じた難易度について知ることができます。記事の最後には、弁理士資格と相性の良い資格についても簡単に紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

弁理士の通信講座おすすめランキング6選

まずは、弁理士試験合格のためにおすすめの通信講座を紹介していきます。
取得難易度の高い資格になっていますので、受講料だけでなく講義内容やサポート制度にも注目して見ていきましょう。気になる通信講座が見つかった場合、体験講義や資料請求もおすすめです。

アガルート

アガルートの弁理士講座

料金 【2025年合格目標】
総合カリキュラム(民法オプションあり):191,840円
総合カリキュラム(民法オプションなし):156,640円
短答カリキュラム:130,240円
【2026年合格目標】
総合カリキュラム(民法オプションあり):239,800円
総合カリキュラム(民法オプションなし):195,800円
短答カリキュラム:162,800円
受講期間の目安 12ヶ月~
サポート体制 ・質問制度
・導入オリエンテーション
・月1回のホームルーム制度
・学習カウンセリングチューターなど
合格実績 合格率:34.4%(全国平均の5.6倍)
特典・キャンペーン ・期間限定セール
・各種割引制度
・合格特典
・お得なクーポン配布
※料金は2024年11月時点

特徴

  • 合格率が全国平均の5.6倍の34.4%という実績がある
  • カリキュラムが豊富なので自分のレベルに合わせやすい
  • 初学者でも理解しやすいテキストと講義が強み
  • サポート体制がしっかりしているためモチベーション維持がしやすい
  • 割引制度や合格特典(返金制度)が充実している

アガルートの弁理士試験対策講座は、合格率34.4%という実績を誇っています。コースも複数用意されており、初学者でも安心して始めることが可能です。おすすめは「総合カリキュラム(民法オプションあり)」で、受講料は191,840円と少し高めですが、割引制度などを用いれば安くすることもできます。

講師陣は、多くの合格者を輩出した実績のあるプロフェッショナルばかりです。講師自体も司法試験や弁理士試験に合格してきた経験もあり、口コミでも「合格までスムーズにいけた」「講義スピードも丁度良く、自分のペースで進められた」など高い評価を得ています。

弁理士試験の論文式筆記試験では、必修科目とは別に選択科目もあります。選択科目は6科目あり、合格するためには自分の得意分野を見つけなくてはいけません。とくに民法は難しいイメージがありますが、アガルートではしっかりと対策することができます。

サポート体制が充実しているのも嬉しいポイントです。分からない部分を聞ける質問制度や、月に1回開催されるホームルームにて相談することもできます。コースによっては合格時に返金制度を適用させることもできますので、総合的なコスパは上位に入るとも言えますね。

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スタディング

スタディングの弁理士講座

料金 基礎・短答合格コース:79,000円
基礎・短答・論文総合コース:88,000円
【論文添削・個別指導付】基礎・短答・論文総合コース:272,000円
受講期間の目安 12ヶ月~
サポート体制 ・課題添削
・AIサポート
・勉強仲間サポート
・学習Q&Aサービスなど
合格実績 非公表
特典・キャンペーン ・各種割引制度
・クーポン割引
・合格お祝い金制度など
※料金は2024年11月時点

特徴

  • 業界最安値クラスで講義を提供している通信講座
  • 割引制度や合格お祝い金制度などさらにコスパを良くできる
  • すべてスマホで完結するためスキマ時間でも学習可能
  • サポート体制が充実しているから初学者でも安心

スタディングは、業界最安値クラスの受講料で高品質な講義を提供しています。基本となる「基礎・短答・論文総合コース」は88,000円から始められますので、「講義内容の充実度よりも、できるだけ予算を抑えた通信講座が良い!」という人におすすめです。

ただでさえ安いスタディングですが、割引制度が複数用意されていたり、期間限定で割引キャンペーンが開催されているなど、安くするチャンスが豊富です。試験合格時にはお祝い金を受け取ることもできますので、とにかく安さにこだわっているのが分かります。

WEBテキストには、初学者でも理解しやすい映像講義、分からない部分を調べられる検索機能、気になるところをメモできるメモ機能など、さまざまな機能が搭載されています。そのため、移動中などのちょっとした時間でも気軽に予習・復習が可能です。

その他の機能だと、AIサポートもスタディングならではの強みです。自動採点してくれる問題演習や、これまでの学習内容を記録してくれる機能など、学習しやすい環境をAIが作り出してくれます。自分の苦手分野などもしっかりと分析してくれますよ。

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資格の学校TAC(教育訓練給制度)

資格の学校TACの弁理士講座

料金 1.5年本科生:385,000円
8ヵ月本科生:330,000円(通学のみ教育訓練給付金対象)
上級本科生:282,700円(WEB通信で教育訓練給付金対象)
受講期間の目安 8ヶ月~
サポート体制 ・質問制度(電話・メール)
・Webフォロー
・採点・答案作成指導
・WEBスクリーニング制度など
合格実績 非公表
特典・キャンペーン ・各種割引キャンペーン
・弁理士受験生応援キャンペーン
・教育訓練給付金制度など
※料金は2024年11月時点

特徴

  • プロの講師陣が在籍している知名度のある通信講座
  • 受講料は高いがキャンペーンが豊富で教育訓練給付金対象コースもある
  • 週1の講義で進められるコースもあるため社会人でも安心
  • 過去問を分析した教材で効率的に進められる
  • サポート面も充実しているため学習を続けやすい

資格のTACは、プロの講師陣が多く在籍している資格取得の専門学校です。おすすめコースは「上級本科生」です。282,700円という受講料になっていますが、WEB通信講座が教育訓練給付金対象となっています。そのため、合格後には受講料の一部が返金してもらえますよ。

TACでは、週に1回の受講で合格を目指せるカリキュラムも提供しています。そのため、普段時間が取れない社会人でも弁理士試験合格を目指せるのです。受講回数が少なくても基本からしっかりと身に着けることが可能なので、知識が0の状態からでも安心して始めることができます。

基礎を身に着けた後は、本試験合格にこだわった学習カリキュラムになります。過去問を分析して作成された教材を使用し、合格することを最優先した講義を受けられるのです。「試験範囲が的確にまとまった教材のおかげで本番も問題なく解けた」という口コミも多くありました。

サポート面も優秀で、とくにおすすめなのがリアルタイムで質問できる「メール機能」です。講義中に分からない部分をメモすることなく、気になったらその場ですぐに送ることができます。すぐに対応してくれるからこそ、知識が身に着きやすいのです。

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LEC(教育訓練給制度)

LECの弁理士講座

料金 1年合格ベーシックコース:388,500円
短答・論文速修コース:371,250円
受講期間の目安 12ヶ月~
サポート体制 ・質問制度「教えてチューター」
・Webフォロー
・欠席・復習サポートなど
合格実績 初回受験合格者の5人に4人がLEC出身
特典・キャンペーン ・合格お祝い金制度
・早割キャンペーン
・教育訓練給付金
・各種割引制度など
※料金は2024年11月時点

特徴

  • 弁理士試験合格者の5人に4人がLEC受講者という実績
  • 受講料は最も高いが割引やキャンペーンがある
  • 1年で合格できるように徹底した学習カリキュラム
  • サポート体制の充実度も他の通学講座より優秀

LECは、弁理士試験の初回受験合格者の5人に4人がLECの受講者という高い実績を誇っている通信講座です。他の資格でも多くの実績を誇っていることから、口コミでも「LECなら安心して任せることができる」といった評価が多く見受けられました。

おすすめコースは1年間での合格を目指す「1年合格ベーシックコース」です。388,500円という業界内でも屈指の高さですが、早割キャンペーンなどを活用すれば安く入会できます。合格お祝い金制度や教育訓練給付金対象コースもありますので、最終的なコスパもそこまで悪くありません。

講義を担当してくれるのは、業界内でも高い人気を誇った有名講師です。講義の品質の高さはもちろんのこと、初学者でも安心して進められる講義スピードとなっています。講師が途中で変わることのない専任制ですので、分からないことがあっても気軽に質問できる関係性を築きやすいです。

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資格スクエア

資格スクエアの弁理士講座

料金 【基礎・短答・論文パック】
26年度合格:297,000円 
短答対策パック:161,000円
論文対策パック:180,000円
受講期間の目安 12ヶ月~
サポート体制 ・ZOOMを用いたフォローアップ
・質問制度(ワンクリック)など
合格実績 非公表
特典・キャンペーン ・合格特典あり
・各種割引制度など
※料金は2024年11月時点

特徴

  • 講師満足度96.4%を記録した講師が担当している
  • 受講料はそこそこ高いが、基礎から論文まで効率的に学べる
  • WEB機能が充実しているため学習しやすい
  • 合格特典などサポート体制も問題なし

資格スクエアの講義は「林哲彦氏」が監修しています。分かりやすい講義、親しみやすいキャラ、初学者でも安心できるスピード感など、圧倒的な支持率を誇っている講師です。その証拠に、講師満足度は驚異の96.4%となっており、口コミでも多くの高評価が集まっていました。

おすすめコースは「基礎・短答・論文パック」です。受講料は297,000円と少し高めですが、このコースだけで合格を狙うことができます。講義も非常に分かりやすく、分からない部分があればすぐに質問できる学習環境も大きな強みです。

WEB機能が充実している点にも注目です。分からなかった部分をワンクリックで質問可能で、返答も業界最速クラスとなっています。その他にもオンラインでのレジュメ確認や、付箋・マーカーを付けられるなどの付属機能も搭載されているほどの充実度です。

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代々木塾

代々木塾の弁理士講座

出典:代々木塾
料金 青本第22版講座:88,000円
2024論文事例問題講座:48,400円
受講期間の目安 12ヶ月~
サポート体制 ・質問制度
合格実績 非公表
※料金は2024年11月時点

特徴

  • 昭和56年に開設された歴史ある学習塾
  • 弁理士試験のみに特化している
  • 通信講座の場合は非常にリーズナブルな価格設定
  • 通学講座との差異が生まれないような学習カリキュラム

代々木塾は、昭和56年に開設された歴史ある学習塾です。取り扱っている資格は弁理士試験のみとなっており、特化しているからこそ高品質なサービスを提供しています。講師のベテランが集結していますので、口コミでも「講義が分かりやすい」という評価が多かったです。

代々木塾と言えば予備校や通学講座のイメージが強いですが、時間的な都合によって通えない人のために通信講座も提供しています。通学講座とまったく差異が生まれないようカリキュラムが組まれており、板書も行わない生講義にこだわっています。

板書を使用せずとも理解できるように、詳細な解説が記載されたテキストを使用しているのも初学者におすすめのポイントです。文章と講義で基礎知識を身に着けることを重要視しており、答案作成能力や題意把握能力に結び付けられるようになっています。

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弁理士の通信講座の選び方

ここからは、通信講座の選ぶ際のコツを解説していきます。

①: 教材・講義の質とコスパの良さで選ぶ

まずは、教材と講義内容についてしっかりと確認してみましょう。通信講座によって教材は大きく異なり、テキスト一つ取っても「文字主体のテキスト」「フルカラーテキスト」「イラストや図解豊富なテキスト」など、多種多様に用意されています。

個人的には、講師陣が作成したオリジナルテキストがおすすめです。

講義内容に関しては、担当する講師陣の評判、どういった分野に力を入れているのか、インプットとアウトプットの割合など、さまざまな角度から比較してみましょう。合格実績が豊富な講師が在籍している、講義時間が細かく区切られている通信講座なんかはおすすめですね。

ただし、「講師陣が優秀・講義内容が充実している=受講費が高い」という傾向にあります。如何に気になった通信講座で見つかっても、予算オーバーしていては意味がありません。まずは予算の確認をし、その予算内で入会できる通信講座をピックアップしてみましょう。

②:サポート体制が充実している通信講座を選ぶ

詳しくは後述しますが、弁理士の合格率は約10%と非常に難しい資格となっています。

そのため、学習範囲も多く、どうしても理解できていない部分が出てしまうのです。そうなってしまうと、試験当日までのモチベーション維持が難しくなってしまうでしょう。そこでおすすめなのが、サポート体制が充実している通信講座です。

①:質問制度
テキストを読んでいる時や、講義を受けている中で「ここの部分が良く分からない…」というケースは往々にしてあります。それを解消するために、講師に質問できる制度は非常に重要です。メールや電話なども良いですが、リアルタイムで質問できる通信講座もおすすめです。

②:添削サポート
インプットした知識が身に着いているか答練し、講師陣がそれを採点して「どの分野が得意・不得意なのか、どういった勉強法で進めていくか」など細かく添削してくれる制度です。

③:カウンセリング制度
学習スケジュールの進み具合、勉強に対するモチベーション、試験に対する不安など、さまざまなことを相談できる制度です。勉強モチベーションを維持するのに役立ちます。

④:就職・転職サポート
試験合格後の就職先の紹介や、履歴書・職務経歴書・エントリーシートの書き方、面接の練習などを手助けしてくれる制度です。採用している通信講座自体は少ないですが、将来のことが不安な人は本サポートが用意されている通信講座がおすすめと言えるでしょう。

③:返金制度のある通信講座を選ぶ

弁理士試験対策講座の受講費は決して安くありません。そのため、返金制度や合格お祝い金などの特典が用意されている通信講座がおすすめです。

①:合格お祝い金
試験に合格することで、指定された方法でお祝い金が贈呈されます。現金のこともあれば、Amazonギフトカードのようなケースもあります。ただし、合格お祝い金が受け取れるコースが限定化されていることもありますので、加入前にしっかりと確認しておきましょう。

②:返金制度
受講費の一部、もしくは全額返金される制度です。基本的には合格することで返金されることが多いですが、中には不合格でも返金されるケースもあります。合格できるか不安な人は不合格時に返金される通信講座を、自信がある人は合格時に返金される通信講座を選ぶと良いでしょう。

③:教育訓練給付制度
合格することで、受講費の一部が返還される制度です。多くの場合で受講費の20%が返還されますので、合格することを前提に考えればコスパが良くなる通信講座もあります。ただし、返還はハローワークに申請するなど上記2つとは違う部分も多くあるため、事前の確認は必須です。

④:合格実績の高い通信講座を選ぶ

シンプルに分かりやすいのが、「合格実績の高さ」で通信講座を選ぶことです。合格実績があるということは、それだけ高品質な講師陣が集まっている、講義内容が充実している、サポート体制が整っている、試験対策ができていることを意味しています。

合格実績の確認方法ですが、合格率の高さ、合格人数の多さ、全国合格者数に対する割合など、通信講座によって公表の仕方は異なります。どの公表の仕方でも高いに越したことはありませんが、中には合格実績をまったく公表していない通信講座もあるため注意が必要です。

弁理士資格を目指す際に知っておくべきこと

ここからは、弁理士資格取得を目指すことを決めた人に向けて、「事前に知っておくべきこと」を3つ紹介していきます。「思っていたのと全然違った…」ということにならないよう、ここでしっかりと理解しておきましょう。

合格率10%前後の難関資格

詳しい合格率や難易度に関しては後述しますが、弁理士試験の最終合格率は10%前後となっています。100人受ければ10人、1,000人受ければ100人しか受からないと考えれば、どれだけ難しい資格なのか分かるでしょう。合格率6%前後という年もあるくらいです。

これだけ合格率が低いのにはいくつか理由がありますが、「1次試験・2次試験がある」という点が挙げられます。1次試験は短答式筆記試験となっており、幅広いの知識が必要です。この1次試験に合格しない限り、そもそも2次試験を受けることができません。

2次試験は論文式筆記試験と口述試験となっており、短答式筆記試験とは違った思考力・判断力が必要になります。この1次試験・2次試験を両方合格して初めて「弁理士試験合格」となるのです。だからこそ、最終合格率が10%前後という低さを推移しているんですね。

合格には3000時間の勉強時間が必要

弁理士試験に合格するためには、平均して3,000時間以上の勉強時間が必要とされています。

仮に1日5時間勉強したとして600日、つまり1年と8ヶ月ほどの期間が必要です。もし社会人のように勉強時間が確保しにくく1日2時間だった場合、1500日(4年前後)かかってしまいます。

本気で目指すのであれば気にならないかもしれませんが、軽い気持ちで始めた人・集中力が続かない人にとってはこの勉強時間はストレスになってしまうかもしれません。モチベーションを維持するためにも、サポート体制が整っている通信講座を選びたいところです。

独学での弁理士試験合格はかなり難しい

予備校や通信講座は高いから自分で勉強して弁理士資格を取得したい…という人もいると思います。確かに予備校や通信講座を利用すれば、30万円近くの受講料になることも珍しくありません。その一方で、独学であれば3万円以下に抑えることも可能です。

しかし、独学は正直なところおすすめできません。なぜなら、「独学だと最終目標である弁理士試験合格自体が非常に難しい」からです。では、なぜ独学では合格が難しいのか4つのポイントから解説していきます。

①:出題範囲の広さ
前述しましたが、弁理士試験に合格するために必要な勉強時間は平均3,000時間です。つまり、それだけ出題範囲が広いということになります。それを1から自分の力だけで覚えるとなると、5,000時間近い勉強時間になってしまうこともあるでしょう。

②:参考書が少ない
弁理士の参考書や過去問題集は、思っている以上に数がありません。その中から自分に合った参考書を見つけ出すのは一苦労であり、せっかく安いのがメリットなのに何冊も買ってしまうとコスパも悪くなります。通信講座であれば、講師陣が厳選した教材や、オリジナル教材を提供してくれますよ。

③:法律用語の多さ
実際に学んでみると分かることですが、法律用語というのは非常に多いです。細かい部分まで見てみると、聞いたことのないような単語ばかり出てきます。覚えなくても良い単語まで「覚えないと…」という錯覚に陥りますので、必要な単語だけ教えてくれる通信講座の方が効率が良いのです。

④:論文対策が不十分
1次試験の短答式筆記試験はマークシート方式ですので、消去法で答えを導き出せる可能性があります。しかし、2次試験の論文式筆記試験は記述式です。問題に対しての答え方は千差万別あり、正解・不正解の判定も確実なものがありません。

だからこそ、独学で得た知識だけでは不十分なケースが多いのです。通信講座であれば、論文式筆記試験対策講座もありますし、講師陣がしっかりと添削指導してくれることもあります。口述試験に対するサポートもありますので、やはり効率的に合格を目指すなら独学よりも通信講座の方がおすすめですね。

弁理士の試験内容と合格率・難易度

ここからは、弁理士の試験概要と合格率から分かる難易度の高さについて解説していきます。

弁理士試験の概要

実施している機関 経済産業省 特許庁
受験願書の配布 2月上旬~4月上旬※インターネットでの請求は2月上旬~3月下旬
受験願書の受付 3月下旬~4月上旬
試験日 短答式筆記試験:5月中旬~下旬
論文式筆記試験(必修科目):6月下旬~7月上旬
論文式筆記試験(選択科目):7月下旬~8月上旬
口述試験:10月中旬~下旬
合格発表日 短答式筆記試験:6月上旬
論文式筆記試験(必修科目/選択科目):9月下旬
最終合格発表:11月上旬
試験実施場所 短答式筆記試験:東京・大阪・仙台・名古屋・福岡
論文式筆記試験:東京・大阪
口述試験:東京
受験資格 とくになし(学歴・年齢・国籍など一切が問われません)
受験手数料 12,000円(特許印紙にて納付する必要あり)
※試験スケジュールは例年のものを記載

弁理士試験のスケジュールは2月上旬の願書配布から始まり、11月上旬の最終合格発表日まで続きます。試験会場も試験の内容によって異なりますし、思っている以上に長期間となっているのが特徴です。受験資格などはありませんので、「弁理士資格取りたいな…」と思ったらすぐに受験することもできます。

試験内容について

弁理士の試験内容は、「短答式筆記試験」「論文式筆記試験」「口述試験」の3つとなっています。
それぞれ年に1回ずつしか行われず、短答式筆記試験を合格しないと論文式筆記試験に進むことができません。そして、口述試験は論文式筆記試験に合格する必要があります。

【短答式筆記科目】
短答式筆記試験の試験科目は、以下の5科目となっています。

科目 出題方式 問題配分
特許法・実用新案法 マークシート方式 20問
意匠法 10問
商標法 10問
工業所得件に関する条約 10問
著作権法・不正競争防止法 10問

すべてマークシート方式で行われ、問題数は合計60問となっています。特許法・実用新案法のみ20問で、他の科目はそれぞれ10問です。試験時間は全部で3.5時間と長丁場になっていますので、集中力を切らさないようにしましょう。

合格基準は60点満点中39点(65%)となっています。ただし、各科目の点数が40%を下回った場合、総合点が基準を超えていたとしても不合格になる可能性があります。

【論文式筆記試験科目】
論文式筆記試験は、必修3科目と6科目の中から1科目を選ぶ選択科目で行われます。

必修科目 出題方式 配点比率
特許法・実用新案法 記述式 2
意匠法 1
商標法 1
選択科目 出題方式 選択問題の内容 配点比率
理工I(機械・応用力学) 記述式 熱力学・材料力学・流体力学・土質工学 1
理工Ⅱ(数学・物理) 基礎物理学・回路理論・電磁気学
理工Ⅲ(化学) 物理化学・有機化学・無機化学
理工Ⅳ(生物) 生物化学・生物学一般
理工Ⅴ(情報) 情報理論・計算機工学
法律(弁理士の業務に関する法律) 民法(物件・債権・総則)

配点比率は特許法・実用新案法が2となっており、他の必修2科目と選択1科目がそれぞれ1となっています。試験時間は必修科目が5時間、選択科目が1.5時間です。合格基準も必修科目と選択科目で以下のように異なります。

必須科目:各科目の得点の平均が54点を基準とし、工業所有権審議会が相当と認めた得点以上であること(※ただし47点未満の科目が1つでもあれば不合格)
選択科目:満点の60%であること

【口述試験】
口述試験は、「特許法・実用新案法」「意匠法」「商標法」の3科目となっています。他の試験とは違い、面接形式で行われる試験です。それぞれ10分程度の試験となっており、総合的思考力などを試される試験となっています。

合格基準も点数ではなく、「A/B/C」による評価です。最低のC評価が2つ以上なければ合格基準とみなされますが、どういった内容で評価されるかは自分では判断できません。ただ、例年口述試験の合格率は高いので、いつも通りの知識と思考ができればそこまで難しい試験ではないでしょう。

免除制度

弁理士試験には、それぞれ免除制度が用意されています。

免除される試験 免除される女王兼
短答式筆記試験 ①:短答式試験の合格者(短答式試験の合格発表日から2年間)
②:工業所有権に関する科目の単位を取得したうえで大学院を修了した者
③:特許庁において審判、もしくは審査の事務に5年以上従事した者(ただし著作権法、不正競争防止法を除く)
論文式筆記試験(必修科目) ①:論文式試験の必須科目の合格者(論文式筆記試験の合格発表日から2年間)
②:特許庁において審判、もしくは審査の事務に5年以上従事した者
論文式筆記試験(選択科目) ①:論文式試験の選択科目免除者(合格発表の日から永続的に免除される)
②:「論文式試験の選択科目に関係する研究での修士、もしくは博士の学位を有する者」+「工業所有権審議会による選択科目免除資格認定がされた者」
③:一定の公的資格を保有している者
口述試験 特許庁において審判、もしくは審査の事務に5年以上従事した者

どの試験においても免除される可能性があり、短答式筆記試験と論文式筆記試験においては2年間の免除猶予が与えられています。その他にも実務によって免除されることもありますので、事前に確認しておきましょう。

弁理士試験の合格率と推移

続いて、弁理士試験の合格率と、そこから分かる難易度についてです。

過去10年間の合格率推移

年度 志願者数 受験者数 合格者数 合格率
令和5年 3,417 3,065 188 6.1%
令和4年 3,558 3,177 193 6.1%
令和3年 3,859 3,248 199 6.1%
令和2年 3,401 2,947 287 9.7%
令和元年 3,858 3,488 284 8.1%
平成30年 3,977 3,587 260 7.2%
平成29年 4,352 3,912 255 6.5%
平成28年 4,679 4,211 296 7.0%
平成27年 5,340 4,798 319 6.6%
平成26年 6,216 5,599 385 6.9%
出典:特許庁
過去10年間の合格率推移を確認してみると、6~8%が弁理士の合格率となっています。高い年でも10%未満となっており、近年は低い合格率で推移しているのも分かります。ただし、これは総合的な合格率であり、各試験ごとに分けるとそこまで低くありません。

短答式筆記試験の合格率

年度 合格率
令和5年 12.4%
令和4年 10.3%
令和3年 11.3%
令和2年 18.2%
令和元年 18.3%

短答式筆記試験単体の合格率を見てみると、おおよそ10~18%ほどとなっています。近年は10~12%前後と低い水準ですが、それでも全体の合格率と比較すると高めです。まずはここを合格しない限り次に進めないので、最も重要かつ難易度の高い試験だということが分かります。

論文式筆記試験の合格率

年度 合格率
令和5年 28.0%
令和4年 26.3%
令和3年 25.1%
令和2年 25.0%
令和元年 25.5%

論文式筆記試験の合格率は、25~28%程度となっています。短答式筆記試験と比較すると倍以上の合格率を誇っていますが、「短答式筆記試験に合格した者のみ受けられる」という性質上、論文式筆記試験の受験者レベルは非常に高いです。それだけ知識も豊富なため、短答式筆記試験よりも高いと予想されますう。

口述式試験の合格率推移

年度 合格率
令和4年 96.4%
令和3年 90.2%
令和2年 98.6%
令和元年 95.6%
平成30年 94.0%

口述式試験の合格率は例年90%以上を記録しており、令和2年度においては98.6%という驚異の合格率でした。短答式試験、論文式試験の合格率と比較すると雲泥の差がありますよね。最低数値の令和3年度でも90.2%ですので、資格関係でここまで高い合格率が出るのは珍しいです。

これだけ高い合格率を誇るのは、試験内容が「面接形式」だからでしょう。他の資格試験でも面接形式の場合、かなり高い合格率が出るのです。しかし、合格率が極めて高いだけであって100%ではありません。毎年数人~数十人は落ちていますので、油断せずしっかりと対策して臨むようにしましょう。

弁理士の難易度について

令和5年度の合格率が6.1%ということを考えると、弁理士の難易度は非常に高いと言えるでしょう。他の士業系の資格と比較してもかなり低い部類に入るほどです。その証拠に、合格者の平均受験回数は約3.7回、平均勉強時間は3000時間とされています。数年かけて合格を目指すのも頷ける数値です。

ここまで難易度が高いのにはいくつか理由がありますが、最も大きいのは「短答式試験→論文式試験→口述式試験」の順番で合格しないとけいない点です。では、それぞれの難易度について簡単に見ていきましょう。

短答式試験の難易度

弁理士試験で最初に受けるのが短答式試験です。3つの試験の中で最も難易度が高いとされており、合格率を見てもそれが良く分かります。回答は5肢択一のマークシート方式で、出題数は60問と数も多いです。そして、試験時間が3.5時間と膨大なため、最後まで考えられる集中力も必要になります。

合格基準は、「与えられた科目すべての得点率が40%以上であること」です。つまり、1つでも40%を下回ってしまうと、他の科目がすべて100%でも不合格となってしまいます。すべての科目を均等に勉強・理解しないといけない点が、短答式試験が難しいとされるポイントの一つでしょう。

論文式試験の難易度

必修科目と選択科目があり、必修科目は47点未満の科目が一つでもあると不合格になります。そのため、論文式試験の必修科目すべての知識をまんべんなく身に着ける必要があるのです。それに加えて、必修科目は相対評価になります。他の受験者よりも詳しく論理的な回答が要求される点も難しいです。

ただ、短答式試験の合格率が10~20%なのに対して、論文式試験の合格率は25%となっています。4人に1人は合格すると考えれば「そこまで難しくない?」と感じてしまいますが、逆に言えば4人に3人は落ちるのです。油断せずに本番を迎えなくてはいけません。

後述式試験の難易度

3つの試験の中では圧倒的に難易度が低いです。合格率は例年9割以上となっており、決して簡単ではありませんが、ここまで進めればほぼ合格できる試験となっています。試験科目は3科目で、それぞれ10分間の回答時間があります。面接のようなイメージですので、筆記試験とは違った緊張感があるのが特徴です。

弁理士と相性の良い資格

最後に、弁理士資格と相性の良い資格について5つ紹介していきます。各資格の試験概要と特徴を簡単に解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

行政書士の試験概要と相性のいい理由

申し込み日 郵送:2024年7月29日~8月30日※消印有効
インターネット:2024年7月29午前9時~8月27日午後5時
試験日 2024年11月10日
合格発表日 2025年1月29日
受験資格 とくになし
合格率(平均) 10~14%
必要な勉強時間(初学者の場合) 600~1,000時間
相性の良い理由 弁理士資格取得:行政書士資格が試験なしで取得可能
行政書士資格取得:論文試験(選択科目)が免除される

行政書士とは、クライアントの代わりに警察・役所などの公的組織に提出する書類を作成できる士業資格のことです。弁理士と組み合わせることで、取り扱える業務が大幅に広がります。例えばクライアントが起業を考えている場合、知的財産に関する知識は弁理士、起業するために必要な書類作成は行政書士の資格が役立ちますね。

働くうえでの相性もバッチリですが、最も相性の良いポイントは「片方を取得していればもう片方の試験が一部、もしくはすべて免除される」という点でしょう。行政書士資格を取得していれば、弁理士試験の論文試験が免除されます。その一方で、弁理士資格を取得していれば試験なしで行政書士資格を取得できるのです。

しかし、行政書士試験も簡単ではありません。士業資格のため法律関連の知識は豊富に必要ですし、初学者や独学であれば600時間以上の勉強が必要になります。合格率も例年10~14%となっていますので、どちらかと言えば弁理士試験に集中した方が良いかもしれませんね。

弁護士の試験概要と相性のいい理由

申し込み日 令和7年3月10日~4月3日
試験日 論文式試験:令和7年7月16日、17日、19日
短答式試験:令和6年7月20日
合格発表日 令和6年11月12日
受験資格 ・法科大学院を修了していること
・予備試験に合格していること(合格してから5年以内)
合格率(平均) 20~40%前後
必要な勉強時間(初学者の場合) 5,000~10,000時間
相性の良い理由 知的財産に関する手続きや紛争解決を取り扱えるため。

弁護士とは、法的な手続きや交渉の代理や、法廷で弁護を担当するなど法律のプロフェッショナルです。あらゆる法律に精通しているため、知的財産に関係する出願や紛争の解決まですべて取り扱うことができます。つまり、弁理士の仕事をより深くまで担当することが可能です。

ただし、司法試験の難易度は非常に高いです。大学などで法律を学んでいても合格するのは難しく、仮にまったく知識のない初学者が合格を目指すなら10,000時間は勉強しないといけません。かなりの努力と諦めない根気が必要になりますが、もし弁護士とのダブルライセンスを達成できたら将来困ることはないでしょう。

公認会計士の試験概要と相性のいい理由

申し込み日 第I回短答式:令和6年8月23日~令和6年9月12日
第Ⅱ回短答式:令和7年2月3日~令和7年2月25日
試験日 第I回短答式:令和6年12月8日
第Ⅱ回短答式:令和7年5月25日
論文式:令和7年8月22日~令和7年8月24日
合格発表日 第I回短答式:令和7年1月17日
第Ⅱ回短答式:令和7年6月20日
論文式:令和7年11月21日
受験資格 とくになし(※一部科目では2年間の免除期間あり)
合格率(平均) 10%前後
必要な勉強時間(初学者の場合) 3,000~3,500時間
相性の良い理由 弁理士が取り扱える業務を、より専門的に取り扱えるようになる。キャリアアップの可能性も考えられるため。

公認会計士とは、主に企業の会計分野に関係する書類を監査するために必要な資格です。書類作成・監査という面では行政書士と似たような資格ですが、「弁理士×行政書士」と「弁理士×公認会計士」では性質が少しだけ異なります。

行政書士と組み合わせると業務の幅が広がり、公認会計士と組み合わせると業務の質が上がるといった感じです。知的財産に関係する業務を、より専門的に行えるのが公認会計士になります。手広く業務に携わるのではなく、深く携わっていくという面で弁理士と相性が良いのです。

このように、弁理士とのダブルライセンスは就職・転職において大きな強みになります。ただし、公認会計士は三大難関資格と言われるほど難しく、勉強時間は3,000時間を超すことも珍しくありません。弁理士試験のことも考えると、ダブルライセンス取得は長期間を覚悟しないといけないでしょう。

中小企業診断士の試験概要と相性のいい理由

申し込み日 令和6年4月25日~5月29日
試験日 1次試験:令和6年8月3日・4日
筆記試験:令和6年10月27日
口述試験:令和7年1月26日
合格発表日 1次試験:令和6年9月3日
筆記試験:令和7年1月15日
口述試験:令和7年2月5日
受験資格 1次試験:なし
筆記試験:1次試験合格者
口述試験:筆記試験合格者
合格率(平均) 最終合格率5%前後
必要な勉強時間(初学者の場合) 1,000~1,500時間
相性の良い理由 経営に関するアドバイスができるようになる。

中小企業診断士とは、企業の経営全般に関する監査やアドバイス・コンサルティングするための資格です。あくまで経営に関係することにしかアドバイスできず、知的財産に関するアドバイスはできません。つまり、弁理士資格を取得することで業務の幅が広がります。

こちらも他の資格と同じように、法律を扱うことから取得難易度は非常に高いです。勉強時間は1,000時間ほどとなっており、1次試験・2次試験合わせたストレート合格率は5%前後となっています。科目によっては免除もありますので、それらを活用して効率良く勉強していきましょう。